眠り姫の目覚め
昔々ベルロサ王国に王様とお妃がおりました。2人には長い事子供がおりませんでしたがある年可愛い女の子が産まれました。待望の王女様誕生に国を挙げてのお祝いをしました。お祝いの席には5人の妖精が招待されました。
「王様、お妃様。王女様の誕生おめでとうございます。」
紫のドレスを着た妖精リラが挨拶をします。
「私達妖精一同からの贈り物がございます。」
「王女様が美しい姫君になりますように。」
1番目の妖精が杖を振ります。
「王女様が上品で優雅な姫君になりますように。」
2番目の妖精が杖を振ります。
「王女様は優しく誰からも愛される姫君になりますように。」
3番目の妖精が杖を振ります。
「王女様がダンスで皆を魅了する姫君になりますように。」
4番目の妖精が杖を振ります。
最後にリラの番が来ました。
「王女様が」
リラが贈り物を渡そうとした時です。
ガラガラ ガッシャーン!!
突然雷の音が城中に響き渡ります。
「きゃあ!!」
「悪魔よ!!」
お祝いに招待された貴婦人達が悲鳴を挙げます。広間の中央には黒い服を着た女性が立っていました。女性は杖を持って国王様と王妃様の座る玉座の前にやって来ます。
「国王様、王妃様。可愛い王女様の誕生おめでとうございます。」
女性は国王夫妻の前で挨拶します。
「貴女のような魔女など呼んだ覚えはありませんわ。お引き取り下さるかしら?」
女性は予言をする魔女です。しかし悪い予言ばかりするのでどの王国も彼女だけは宴の席には呼ばないのです。
「王妃様、そのような固いことはおっしゃらないでください。私も贈り物を持って参りましたから。」
魔女は杖を高く挙げ呪文を唱えます。
「王女様は美しく誰からも挨拶立派な王女となるでしょう。しかしそれも16才の誕生日まで。彼女はその日紡ぎ車の針に刺され死ぬであろう。はっはっはっ。」
魔女さ高笑いをしながら消えていきました。
「なんて不吉なの。」
「わたくし帰りますわ。」
お祝いの席は一気に恐怖に包まれました。席を離れる者もいます。
「ご安心下さい。」
その時まだ贈り物をしていないりらが前に出ました。
「まだ私からの贈り物があります。王女様は死んだりは致しません。眠るだけでございます。愛する人の口づけで再び目を覚ますでしょう。」
あれから16年が経ちました。
「お母様、ご覧下さい。今日新着したドレスですわ。」
「オーロラ、とてもよくお似合いですわよ。」
王女様はオーロラと名付けられ妖精の贈り物通り美しく優しく気品に満ちたダンスの上手なプリンセスに成長しました。今日は16才の誕生日。お祝いの舞踏会で着るドレスを新調したのです。ピンク色に赤い薔薇の花がついたドレスです。オーロラ姫は姿見の前に立ちステップを踏みます。
「お母様、今日の舞踏会には素敵な王子様はいらっしゃるかしら?」
オーロラ姫が尋ねますが王妃は心配そうな顔をしています。
「お母様、どうなさったの?」
「いえ、なんでもないわ。」
「王妃様」
侍女が王妃を探しにオーロラ姫の部屋までやって来ました。
「国王陛下がお呼びです。」
「分かったわ。今行くわ。」
侍女に連れられ王妃は部屋を出るとオーロラ姫は部屋に取り残されました。 再び姿見の前に立ちワルツの練習を始めます。
「王女様」
背後から声が聞こえてきました。
「どなた?」
オーロラ姫の背後を振り替えると糸を紡ぐ黒いフードを被った老婆がいました。
「何をなさっているの?」
「糸を紡いでいるのだよ。やって見るかい?」
「ええ。」
オーロラ姫は紡ぎ車の針に触ります。
オーロラ姫はその場に倒れました。
「はっはっはっ。遂にやった。」
老婆は黒いフードを取ります。彼女はオーロラ姫に予言をした魔女だったのです。
「ここはどこかしら?」
オーロラ姫が目を覚ますとどこか森の中にいました。するとどこからかバイオリンの音色が聞こえてきます。オーロラ姫はバイオリンの音色を頼りに歩き出します。音色のする方に向かうと薔薇の花畑に着きました。そこには赤いドレスに茶色い髪い縦ロールの髪の女の子がバイオリンを弾いていました。
「この曲いつもダンスのレッスンでやってる曲だわ。」
オーロラ姫はドレスの裾を持って躍り出します。するとピタリと演奏が止みます。
「貴女ダンスお上手ね。」
女の子がオーロラ姫に声をかけます。
「ありがとう。貴女のバイオリンも素敵だわ。」
「ありがとう。オーロラ姫様。」
「まあ、どうしてわたくしの名前を?」
「だってわたくしのお城でも噂になっておりますわ。長身で美しくて金髪の長く美しい髪の王女様がいらっしゃると。すぐにオーロラ姫様だと分かりましたわ。」
「お城という事は貴女も王女様なのですか?」
「わたくしは」
女の子が名前を言おうとした時です。
「きゃあ!!」
強い風が吹いてきました。
「きゃあ!!」
女の子の声がします。
女の子の背後には黒い服の女がいました。
「貴女は?!」
女はオーロラ姫に呪いをかけた魔女です。
「助けて!!」
「マリンカ姫は頂いて行く。」
魔女がマリンカ姫に手を伸ばし連れ去ろうとします。
「その娘を離しなさい。」
オーロラ姫も手を伸ばしマリンカ姫の手を掴みます。しかし魔女の力でマリンカ姫は引きずられていきます。手が離れそうになる瞬間マリンカ姫はオーロラ姫に口づけをします。
「わたくしはイリーズ王国のマリンカ姫よ。きゃあ!!」
それだけ言い残すとマリンカ姫は魔女に連れ去られていきました。
「オーロラ姫、オーロラ姫。」
目を覚ますとオーロラ姫は自分の部屋のベッドにいました。国王に王妃、それからリラが覗き込んでいます。
「お父様、お母様、それから。」
オーロラ姫はリラに顔を向けます。侍女がオーロラ姫が倒れているのを見つけすぐにリラが城に呼ばれたのです。
「私の贈り物通り宴に来て下さった王子様達にお願いしたのだけれど誰のキスでも目覚めなかったのよ。でもどうして?」
「お父様、軍服をお貸し頂けますか?」
オーロラ姫は突然立ち上がり王の部屋に向かうとクローゼットから1着の軍服を取り出しドレスから着替えます。長身のオーロラ姫にはピッタリです。
「父上、私をイリーズ王国に派遣して頂けますか?マリンカ姫が危険です。」
オーロラ姫は兵を率いてイリーズ王国へとやって来ました。最初は王も王妃もオーロラ姫の言ってる事に半信半疑になっていたがリラが仲介に入ってくれたから信じてもらえました。
リラの話通りイリーズ王国は茨だらけです。この国も魔女に狙われたのです。
お城も茨で覆われ入れそうにありません。しかしオーロラ姫が通ろうとすると茨が道を開けてくれました。オーロラ姫が中に入ると再び茨は道を塞ぎ兵士達は通れなくなってしまいます。オーロラ姫は1人で城の中に入ります。
「よく来たな!!オーロラ姫。」
お城のロビーの階段の上で魔女が待っていました。
「お前の目的はなんだ?!」
オーロラ姫は男口調で魔女に尋ねる。
「妾は許さぬ。妾を抜け者にした王国を。」
魔女は自分だけ宴の席に呼ばれないのを妬んで招待しなかった国の王女に呪いをかけてるのでした。
「大体貴様が悪いだろう!!不吉な予言ばかりして。」
「黙れ!!これでも喰らえ!!」
魔女がオーロラ姫目掛けて黒いウェーブを放つ。
「それはこっちの台詞だ。」
オーロラ姫は剣を出します。リラから預かった魔法の剣です。オーロラ姫が剣を振るうと黒いウェーブは散っていきます。
「これで終わりだ。」
「ぎゃあ!!」
オーロラ姫の剣が魔女の胸を突き刺すと魔女は悲鳴をあげ消えていきました。
オーロラ姫はマリンカ姫のいる部屋を探します。マリンカ姫は一番奥の寝室で眠っていました。夢で出会った時と同じ茶色い縦ロールに赤地にピンクのリボンのドレスを着ています。壁にはオーロラ姫に関する新聞記事の切り抜きが貼ってありました。
「それまでに私を慕ってくれたのですね。今助けます。」
オーロラ姫はマリンカ姫に口づけをします。
マリンカ姫は目を開けます。
「貴女は誰?」
マリンカ姫が尋ねます。
「夢でお会いしましたよ。お忘れですか?」
「貴女はもしかしてオーロラ姫様ですか?」
マリンカ姫も同じ夢を見ていたのです。
「男装はお気に召しませんか?」
「いえ、とても素敵だわ。一緒に踊って頂きたいぐらい。」
FIN
桐生操の眠り姫で男装シーンがあったので男装のオーロラ姫の話を書いてみました。
オーロラ姫のイメージは某国民的アイドルの元リーダーです。




