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葛藤
惣助も結婚する気はないが、政府が決めた相手と必ず結婚しなければならない。これも日本国憲法になっているのである。この人嫌だから結婚したくないとなれば逮捕されるのだ。
「美紀子さん、僕たちには選択の余地なんてないんだよ」
と惣助は声を荒げた。
美紀子は冷静に返す。
「そんな法律、私は認めない。私たちの人生は私たちのものよ、惣助さん」
「でも、反抗したらどうなるか分かってるだろう? 逮捕されて、強制的に結婚させられるんだ。そんなことになったら、もっとひどいことになるかもしれない」
美紀子は目を閉じて深呼吸をした。
「それでも、私は自分の意志で生きたい。誰かに決められる人生なんて、私は耐えられない」
惣助は頭を抱えた。
「どうすればいいんだ、僕たちは」
二人の間には重苦しい沈黙が流れた。カフェの窓の外では、ただ日常が続いているように見えたが、彼らの心は嵐のように乱れていた。




