クイーンレーダー
雨の階段の前で旅立った人からの電話をとる
雨の日、見慣れた場所の階段
何度も通ったから
やさしかったあの人は元気かな
それなりの過去になってしまった、あの頃
座り込んでいた私
何もわかっていなかった
人生は味わうもの
風の手紙が春の香りをはこぶ
雨上がりに清らかな風が吹く
人生の午後
これまで色々あった
誰も知らないけれど、わたしだけの大事な物語
見守ってくれた人たちもいる
今は愛しい人からの手紙を待つ日々
たぶんお互いに待っている
だったら私から
季節の車輪が回る中、クイーンレーダーが作動し始める
ウィーン、起動。
ピッ、ピッ
イケてる人が近くにいる模様
わたしにはわかる
長年の勘
雨の日も味わおう
永遠の時の中で何度生まれ変わったとしても、たぶんこの日は二度と生きない
ピピピー!