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第8話 魔導士ギルド

19時頃にもう一度更新します。

翌日俺は魔導士ギルドに向けて道を進んでいた。因みに夕食と朝食は想像していたほど不味くはなかった。臭みなどはあったが魔獣の肉など当然ながら地球にはなかった食材がうまかったのでそれほど気にならなかった。



「ここが魔導士ギルドか。聞いてたとおりデカい塔だな」



 勿論高層ビル程ではないがこの世界の建物では王城の次にデカいのではないか? 正確な高さはわからないが7階建てのマンションくらいはありそうだ。もしかして魔法で作ったのだろうか。土魔法とかがあれば可能かもしれない。

 入り口は冒険者ギルドと違いしっかりとした扉が嵌められていて中を覗うことは出来ない。おまけに鍵でもかかってるのかドアは固く閉ざされている。



「おい誰かいないか。冒険者ギルドから来たんだが」


「……何の用ですか」



 扉をどんどん叩くと目のあたりにあるスリットがずれて一対の碧い瞳が不審者を見るような目でこちらを覗いてきた。



「ここで魔法を勉強できると聞いてきたんだが」


「ここでは魔法は扱っていません」



 ドンッ!とにべもなくスリットが閉じられる。おいおいもう少し会話してもいいだろうが。新聞の勧誘じゃないんだからよ。大体魔導士ギルドが魔法を扱っていないってなんだよ。



「おい嘘つくな。ギルバートからはここで勉強できると聞いたぞ。紹介状だってある」


「ギルドマスターが? ちょっと待ってください」



 再び扉を叩いてそう言うと今度はしっかりと反応が返ってきた。紹介状をスリット越しに渡してやる。それにしてもギルドマスターってあいつそんなに偉かったのか。支店長とかそんな感じか? あいつの下で働くミリムは苦労してそうだな。

 すると紹介状を確認したのか中でガチャンとカギを開けるような音がして扉が開く。



「確かにこの封蝋は本物です。とりあえず入ってください」


「ああ」



 扉の向こうにいたのは意外なことに少女だった。ハスキーな声だったのでもっと年上かと思ったが俺と同じか下手したら年下に見える。髪の毛は背中の中ほどまで伸ばしていて色はエメラルドグリーン。塔の中は薄暗くてよく見えないが太陽の下に出たら宝石のように綺麗に輝くだろう。そしてその美しい髪に目が行かないほど整った顔をしている。彼女の肖像画が美の象徴とかいうタイトルで高値で取引されていてもおかしくない。



「それで魔法を習いたいんでしたっけ」


「ああ。ここで教えてもらえると聞いたんだが」


「最初に言っておきます。私たち魔導士ギルドが研究しているのは魔導です。魔法なんて低レベルなものと一緒にしないでください」



 なんだそれ。その二つはなにか違うのか。確かにギルドの名前は魔導士ギルドだがステータスでは○○魔法と出るぞ。それとも○○魔導もあったりするのか。



「私たちの魔導とただ魔力を放つだけの魔法を一緒にはしてほしくありません。実際に見せたほうが早いでしょうが」



 そこまで喋ると彼女は黙ってどんどん奥に進んで行ってしまう。こいつコミュニケーション下手過ぎるだろ。冒険者ギルドのミリムを見習え。彼女に従って奥に進むと広間のようなところに出た。入り口の右側には人間サイズの案山子のようなものがいくつか指してある。



「取り合えずあなた……」


「キョウヤだ。あんたは?」


「アンです。アン・ジーニー。それではキョウヤさんあそこの的に今から魔導を使うのでよく見ていてください」



 アンは懐から小さな杖を取り出した。杖か。俺が見せてもらった宮廷魔導士も使っていたがやはり魔法を扱うには持っていた方がいいのだろうか。



「 《 豆粒ほどの大きな火(クラインヒュー)》 」



 アンが杖の先を案山子に向け呪文を呟いた瞬間ピンポン玉ほどの火の玉が飛んでいった。発動速度は俺なんかよりもよっぽどはやい。しかしあそこまで早く放つには杖が必要なのだろうか。だとするとやはり接近戦では使いづらいな。そんなことを考えていたらすぐに火の玉は案山子に命中し、



「マジか」


「まあこんなもんです」



 ボンッ!! という音と共に案山子は一瞬で火だるまになった。燃え移ったとかではなく当たった瞬間にだ。ピンポン玉くらいの魔法が当たっただけだぞ? 明らかに体積よりもよっぽど多くの範囲が燃えている。アンが誇らしげにない胸を張るのも納得である。



「ところであれ消さなくていいのか?」


「!? は、早く消さないと師匠にまた怒られちゃいます」


「 《妖精の悪戯(ビドゥエスペース)》」



 慌てて杖を向けるがアンがなにか魔法を放つ前に入り口から聞こえてきた声が火を掻き消す。結構な勢いで燃えていたはずだがあっという間に火は跡形もなく消えた。



「騒がしいと思ったら。炎魔導を使ったらすぐに消火する。何遍言えばわかるんだい」


「ご、ごめんなさい師匠」



 入り口から入ってきたのは杖をついた老婆だった。しかしその杖は魔法ようなのか姿勢は曲がっておらず歩く速度も速い。見た目は90歳程だがそれを感じさせない雰囲気があった。



「情けないところを見せたねお客人。私が魔導士ギルドのマスターヴェリテ・ジーニー。そこの馬鹿の師匠もやってる。それで……何のようだい」




「面白い!」


「続きが気になる!」


そう思っていただけたら下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白ければ星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


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