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第19話 オリジナルスキル

19時ごろにもう1話投稿します


「おめでとうございますキョウヤさん! アンさん! お2人とも今回の依頼達成をもってゴールドランクにランクアップです!! 絶対お2人なら大丈夫だって信じてましたよ!」


「さっきまでずっと落ち着きなく歩き回ってたくせに何言ってんだよ」


「マスターは黙っていて下さい」


「ゴールドランクか。これで俺も一人前か?」


「はい! ゴールドランク以上のギルドカードは身分証として扱えますので外国へ入国することも可能です。尤も何か悪さをすると冒険者ギルドをあげて捕まえることになるので注意してくださいね」



 なんにせよこれでこの国以外にも行けるようになった。そろそろ王都を出て他の街を見てみるのもいいかもしれないな。ここじゃいつ長谷川達に会うかわかったもんじゃないし。取り敢えず宿に戻ったあと婆さんに伝えにいくか。結構世話になったしな。


 一旦アンと別れた俺は宿に戻り荷物を置いた。そう言えば最近ステータス見てなかったな。丁度新しくスキルも手に入れたことだし見てみるか。



四宮京也 男 16歳 


ジョブ:なし


スキル:ラーニング レベル4

    :ライト レベル1 

    :癒しの風 レベル2

    :瞬発 レベル3

    :聖剣召喚クラウソラス レベル1

    :剛力 レベル5

    :剣術 レベル6

    :水魔法 レベル6

    :炎魔法 レベル5

    :風魔法 レベル5

    :精気吸収(エナジードレイン) レベル3

   :土魔法 レベル1

   :纏魔導(スレイマジック) レベル1



 こうして見ると少し変わったな。ラーニング、癒しの風、瞬発、水魔法のレベルがそれぞれ1上がってる。水魔法は最近ずっと水のおとぎ話(バレットアーツ)の修行をしていたからだろう。逆に言うとあれくらい四六時中使ってないとレベル5からは上がらないのか。

 そしてあの大剣からコピーした精気吸収(エナジードレイン)。あれでレベル3というのはかなり期待できるスキルだな。土魔法レベル1は普通に婆さんに習って覚えたものだ。普通に覚えたスキルはラーニングと同じ行に表示されるのか。


 つらつらとスキルを見ていたら一番下で目が止まる。纏魔導(スレイマジック)レベル1? おかしい。あれは俺が考えた技でスキルではないはずなんだが。それとも実は既にあったスキルなのか。まあいい婆さんに聞けばわかるだろう。どうせ今から魔導士ギルドに行くしな。必要なものだけを持つと俺は部屋を出た。





「というわけなんだが。纏魔導(スレイマジック)は既に誰かが考えていたスキルなのか?」


「魔導を武器や体に纏わせて戦うなんて魔導に誇りを持つ私たちには思いつかないさ。それは間違いなくあんたが初めて考えた技だよ」


「ならなんでスキル欄に名前あるんだ?」



 そう聞くと婆さんはフゥと紅茶を飲み干して一息ついた。



「おめでとう、と言っておこうかね。それはこの世界が纏魔導(スレイマジック)をスキルと認めた証拠だよ。オリジナルスキルって私たちは呼んでる」


「オリジナルスキル?」



 婆さんの説明を聞く限りこの世界のスキルは昔はもっと少なかったらしい。しかし様々な人が色々な技を研究するうちに徐々にスキルという形で世界に認められていったようだ。尤も通常ステータスは本人しか確認できない。例外は高レベルの鑑定士などだ。なので昔はよくオリジナルスキルを作ったと嘘を言う奴もいたらしい。



「私たちが魔導に拘るのもはるか昔の誰かが作り出した魔法、というスキルを超えたいがためさ。だからあんたのそのスキルは私たちの努力が無駄じゃなかった証でもある」


「あんたは疑わないんだな。俺が嘘ついているかもって」


「フン。弟子の言ってることが嘘かどうかくらい見抜けんでどうする」



 伊達に歳を食ってはいないわけか。そういえばさっきからアンが見えないな。どこかにいる気配も感じない。



「アンなら疲れて寝てるよ。中々に激戦だったらしいからね。無理もない」


「そうか。ならあんたからあいつに伝えといてくれないか? 俺は近いうちにこの街を出る。アンについてくるつもりがあるなら……3日後だ。3日後の9時までに城門に来るように言ってくれ」


「随分急な話だね。何か急ぐ用事でもあるのかい」


「いや特にない。行く場所も決まってないしな。ただここは居心地がよくてな。このままだとずっとこの街にいてしまいそうになる。折角だから世界を見て回りたいんだよ俺は」


 

 自分で言って腑に落ちる。なるほど俺はここから離れたくないと思っていたのか。まだ1、2か月程度しかこの街にはいないが中々刺激的で楽しかった。特にアンと婆さんそしてミリムはその楽しさに結構な割合で関与していた。


 ただ世界を見て回りたいのも事実だ。これ以上長くいるとさらに離れ辛くなると直感的に感じているのかもしれない。




「そうかい。特に目的地が決まってないならちょっと使いを頼まれてくれんか」


「使い? どこにだ」


「ここから西の方、街を数個挟んだところに砂漠がある。その中のオアシスの1つが目的地さ。獣人たちが集団で暮らしてる村でね。村の名前はランサム。そこの族長にこの手紙を運んで欲しいんだよ。勿論報酬も出すよ」



「わかった。それで報酬はなんだ?」



 正直婆さんの頼みならその程度無料で聞いてやってもいいくらいだ。それくらいの恩は受けている。しかしくれるというならもらっておくべきだろう。



「きっとあんたの力になるものだよ」



 そう言ってもう一口紅茶を飲んで口を湿らせると婆さんはその報酬について語りだした。



「四宮京也、男16歳。本当に歳の割に生意気な坊主だよ。ジョブはなし。スキルラーニングレベル4、ライトレベル1、癒しの風レベル2、瞬発レベル3、聖剣召喚クラウソラスレベル1、剛力」


「お、おい待てどういうことだ。なんで婆さんが俺のステータスを」



 ニヤリとここ一番の悪戯が成功したかのように婆さんが笑った。ギルバートに聞いた? いやギルドには俺は過少報告してる。わかるはずがない。そもそも俺は聖剣召喚に関しては確実に面倒なことになるのが分かってたから誰にも言ってない。アンにもだ。つまり誰も知るはずがないのだ。そこまで来てようやく先ほどの会話を思い出した。



「ステータスは本人しか確認できない。例外は……高レベルの鑑定士くらい」


「70点だね。私のジョブは当然だけど鑑定士じゃない。ただ鑑定を使っているという考えは正しい。つまり」


「鑑定魔法か? あるのかそんなものが」



 こっちに来てから魔導士ギルドや冒険者ギルドの記録を読んでどんなスキルがあるか確認したがそんなものはなかった。一番最初に確認したから間違いない。つまりは、



「私のオリジナルスキルさ。鑑定魔導にならなかったのが悔しくてねぇ。当時はのたうち回ったものさ」


「それは……願ってもない報酬だ」



 鑑定士はスキルの希少性と有用性から会いたいからとほいほい会える相手ではない。なのでこれまで鑑定のスキルはコピー出来ないでいたのだ。まさか婆さんが使えるとは。



「おっとラーニングでコピーするんじゃないよ。私の鑑定は当然だけど最大のレベル10だ。ただあんたがこれをコピーしても魔力不足で使えんだろう」


 なるほど。嘘か本当か判断がつかないが一理ある言葉だ。尤も嘘をつく必要もないから事実だろうが。高レベルすぎるスキルをコピーすると俺の魔力不足などの問題で使えない可能性がある。これは正直考えたことがなかった。



「土魔法みたいに地道に覚えるんだね。なにあんたは筋がいい。残り3日でもレベル1くらいにはなれるだろう。……死ぬ気でやったらね」



 こうして街を出るまで残り3日。俺の地獄の特訓が始まった。

 


新作短編投稿しました。好評だったら連載にする予定なので是非読んでください


支援スキル超育成を持つ僕。大魔王討伐後500年間歴代勇者の師匠をしていたけど新米勇者に追い出されたので今度は魔王を育成することにしました

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