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無題

作者: 壽 蛇邪

『彼』と「自分」

彼は笑うのだ。涙を耐えるように。笑うのだ。無理をして笑う彼が、痛々しくも美しいと思ってしまう。こんな感情は歪んでいるのだろうか。


前が、見えない。今、彼はどんな表情をしているのか。わからない、見えない。涙で目の前が滲む。彼は、怒っているのだろうか?それとも悲しんでいるのだろうか?


溢れ零れる涙が、幾重にも重なって頬を伝い落ちる。風で舞い散る桜が、彼を隠してしまう。微かに聞こえる彼の声。


『_________。』


彼は、笑う。涙を耐えるようにして笑う。

ああ。美しくも、儚い彼の笑み。


彼の言葉が風に掻き消され、耳に届かないまま独り立ち尽くし取り残されてしまい、その場から動けないでいるのだ。消えていく彼の背中を、じっと見つめることしか出来ない。


縋れば良かったのだろうか。泣き叫んでしまえば良かったのだろうか。答えなど出るはずもないのに、無駄に自問自答を繰り返し涙を流す。


終わったのだ。彼との時間が。終わったのだ。何とも呆気ない終わり方なのだろう。自嘲気味に笑みを零し、涙を拭い前を見据える。彼は居ない。もう、居ないのだ。


当たり前だ。歩き出した彼の背中を見送ったのだから。どうしようもない感情が胸を締め付け、声にならない声で小さく呟く。


「________。」










多分続かない。続きはWebで。

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