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山の中の縹時雨  作者: takonano
第二章 この身が振るうは一対の。
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任務へと

今回はちょっと短めですね。



来来に手を引かれ石垣の上に立ったが、時雨は衆人環視のこの状態があまりにいづらかった。


「おい野郎ども!今日は祝福すべきか新しい仲間がシラゾメに加わった!」


組長の厳つい声が薄いシャボンの中に響く。

時雨は組長に背を押されて一歩前に出る。

あまりイン緊張してかくかくと動いていたが、来来は面白gって手を貸してやくれない。

仕方がないので時雨の剣の塚を握り、深呼吸をして観衆を見据えた。


刹那、瞳に宿る突き刺す雨のような時雨の殺気に、観衆のほとんどが息をつめる。


「縹時雨です、よろしくお願いします。」


来来はひゅぅ、と口笛を一つ鳴らした。

そうして頭の後ろでうでを組みながら、一歩前に出た。


「んで、俺は知っての通り浅葱来来、シラゾメの里始まって以来の最強の異端児だ!この度は、このかわいい後輩ちゃんとミアを組むことになってよろしくぅ!」


刹那、その場は爆笑の渦に飲まれる。


「なんだなんだ!異端児ジョークか!」

「お前がミアだなんて若r切った嘘言うなよなぁ!あっははははは!」

「なにおう?俺だって品行方正な時があるんだよ!」

「ら、来来が、品行方正!?だっははははははっ!」


時雨は、ふ、と肩から力が抜けるのを感じた。

それと同時に感じた、来来の馴染み具合に対する違和感だ。

こんなにちゃらんぽらんな来来の罪とは何なのだろう。

きとすぐに逮捕されるような駄犬なのに、このあり得ないほどの親しみ具合。

そもそも、来来が罪を犯さねばならない状況とはなんなのか。


時雨の中で、来来に対する疑問は尽きない。


「聞け!野郎ども。今回はまじめな話、来来はこの縹時雨とミアを組むこととなった!」


その言葉に、里全体がうるさいくらいの静けさに包まれる。


「暁の鐘に宣誓をしたこのミアは”花浅葱”の名を冠する新しい戦力だ!この里の新たな門出に!」

「門出に!」


組長の言葉に合わせて、里の全員が自身の武器の切っ先や銃口を地面に向けて前方へ掲げた。


「今回はこの花時雨にミッションを与える。標的(ターゲット)は三人!」


「おい嘘だろ、初任務で三人!?」

「だがあの異端児もいるんだ、楽勝なんじゃねぇの?」

「まてまて、あの女の子、見た感じ中学生だぞ?荷が重いんじゃないか・」

「バカお前。こkはシラゾメの里だぞ?」

「だな、さっきの殺気はマジもんのやつだぜ。」


オーディエンスのざわめきがちらほらと時雨の耳にも届く。

中学生とは失敬な、これでもれっきとした女子高校生である。


「静まれ野郎ども!これにて解散!花浅葱はこの後組長室へ来るように!」

承知(ラジャー)ー。」

「ら、承知(らじゃー)。」


時雨は唐突に訪れた解散に戸惑いつつも、来来に続いて石垣を後にした。






***





「ご足労だったのでごほーびください。」

「アホか来来、任務の一つも達成していないお前にやるもんなぞない。」

「ひどいなぁ、毎回リセットかけてるのは組長のくせにー。」


本日二度目の組長室は、先刻よりも空気が軽く感じた。


「さっきも言ったが、お前ら花浅葱には標的が三人のミッションを与える。標的は向こうでも最近できたベテランと新人、中堅の混じったコンビだ。力量を計るには丁度いい。」

「何て都合のいい。」

「時雨、お前は最低一人仕留めろ。でなくば、縹時雨には永久にミッションは与えられないものと思え。」

「…承知。」

「後輩君よ、皆最初はそういうんだぜ?」

「大丈夫、です。」


時雨は二人が危惧しているものを、その身をもって体験することとなるのであった。




次回、任務にて。


戦闘シーンの描写苦手なくせにわざわざアクション系のお話に手を出す阿呆。

がんばって盛り上げて見せます。



またのご来店お待ちしております。



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