あいをたべたかみさま
絵本の雰囲気を出したかったので、内容は全てひらがなになっています。読み辛かったらすみません。
あるところに、ひとりのかみさまがいました。
あるひのこと、かみさまは
ひとびとのこころのなかにある、あいというおもいをあつめてまぜてかたまらせて
あめだまをひとつ、つくりました。
それはキラキラとひかる、とてもきれいなあめだまです。
それがあんまりおいしかったものだから
かみさまはせかいじゅうのあいをぜんぶあつめて
みぃんなあめだまにしてしまいました。
あまいあめだまを、かみさまはおおよろこびしてたべました。
けれど、かみさまがあいをたべてしまったので
このせかいからは、あいがきえてなくなってしまったのです。
あいをなくしたひとびとは
かみさまをあいさなくなってしまいました。
かみさまはあいをかえそうとしましたが
もうおなかのなかでとけてなくなっていました。
ごめんなさい、とかみさまはあやまりました。
さみしいよ、となみだをながしました。まいにち、まいにちなきました。
いっしゅうかんないて
いっかげつないて
かみさまのからだは
とうとうなみだになってしまいました。
なみだになったかみさまは
あめになってひとびとにふりそそぎます。
ふりそそいだあめはみずになって
ひとびとののどをうるおしました。
なみだになったかみさまには
かみさまがたべたあいがとけています。
それをのんだひとびとは
ようやくあいをとりもどすことができました。
ふたたびかみさまをあいするようになったひとびとは
きょうも、かみさまへあいのいのりをささげるのでした。
おわり