6話「ダイニング」
どれくらい、経ったのだろう。
目を開くと、そこには空が広がっていた
………のではなく、木造の天井が映った。
俺は、ベッドに横たわっていた。
……あれっ!?俺って道のど真ん中でぶっ倒れてたんじゃなかったっけ…!?
辺りを見回す。見慣れた風景。そこは、俺の家の二階の部屋だった。
……なんで家に……?
下の階から、物音がする。何かをフライパンで焼くような音が。
……あっ……!
急いで部屋のドアを開けると、眼下に広がっていたのは家の一階。瓦礫と化した壁が綺麗に避けられてあるリビングダイニング。二階からなら、外がよく見える。
そして音を出していた張本人がダイニングにいた。
俺が昔着てたチェックのエプロンをつけ、長い髪を後ろで結った眼帯の少女が、何か料理している。
彼女はこっちに気づき、一階から満面の笑みと少しの涙で手を振る。
「あ、メイ君っ!!良かった〜…!!メイ君ずっと目を覚まさないから心配してたんだよ〜…!」
俺はボロボロになった階段を一段一段ゆっくりと降りて行って、スィマニのところへと向かった。
「……まず質問が山ほどあるんだが…、とりあえず、それなに?」
「なにって朝食だよ?ほら、私って居候の立場だからさ、これ位はしないと!」
……ん?
「……居候……?確か泊まるのはあの夜だけじゃ……?」
「あ、いやその、……折角なので、住まわせていただきましたー……。許可なしにすいません……」
……てことは……
「なぁ、別に居候は良いんだけどさ、……もしかして俺って、何日も寝てたの……?」
「もうメイ君五日も寝てたんだよ?ほんっとに心配したんだからね…?」
……五……日……
「……あのあと、何があったんだ……?……って聞きたいとこなんだけど、その前にそのメイ君ってなんだよ」
「いや、こっちの方が言いやすいし…嫌?」
「…いや別にいいけどよ…」
「さ、出来たよ!食べよ?」
……色々引っかかるが、とりあえず、食べるとしよう。