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81話

せっかくのサービスチャンスなので、もう少し活かそうかと思います。いらねぇよと思った方はすみません。


あと、途中でリフィーズとユリーヴィアのイチャイチャ(?)入ります。

     ◇


「――それでは、おへその洗浄と、続いてお背中と臀部でんぶおよび、尻尾のマッサージに移らせていただきます」


 耳のマッサージが終わると、メイドはそう言ってまた何かを準備した。背部でニュブ、というねばついたような音がする。

 なんだろう、と疑問を浮かべてすぐ、メイドが横に回ってきた。


「こちらの手袋も、”スライム”の粘液体を素材に作られたものです。先ほど使用いたしました粘液体の加工物よりも、固形性を強めたものなんですよ」


 説明しながら、「失礼いたします」とシルヴェリッサの湯浴み着の裾を丁寧に捲り、ゆっくりとヘソの周りをほぐし始めた。かすかにひんやりとした触感と、さらにほどよく手の温もりも感じられ、少し気持ちがいい。


 メイドが柔らかく微笑を寄越す。


「くすぐったかったり、気持ちが悪いなどございましたら、おっしゃってくださいませ」


 にゅむりにゅむり。しばらく続き、次いでヘソの中にも、にゅるっとした触感が入ってきた。妙な感覚ではあるが、くすぐったいというほどではない。


「これで声を上げない方は初めて見ました……」


 メイドが少し驚いたように瞠目する。

 なるほどその言葉通り、周りで「ひゃうっ」「きゃんっ」とアーニャたちの声が上がった。どうやら普通はそうなるらしい。


「ん、ゃあ……///」 ウルナ

「はぁ、はぁ、はぁ……!」 犬人メイド


「んっ、んっ……///」 エナス

「大丈夫です大丈夫です大丈夫――」 兎人メイド


「う、くぅ、っ……///」 クアラ

「じっとしていてくださいねぇ~」 狸人メイド


 先ほどと同じく3組だけ妙だった。引き続き問題などはなさそうだったので、放置しておく。


「――それではお背中と臀部のほうに移らせていただきますので、うつぶせの体勢になっていただけますか?」

「……ん」

「ありがとうございます。水平な体勢になっていただくため、同時に背もたれをお倒しして、足置きのほうの高さを上げさせていただきますね」


 体勢を変えるときに見えたが、アーニャたちのほうはメイドが丁寧に身体を支えて補助していた。……3組はまた妙であったが。


「では――」


 と、背肩はいけんに粘液体の手袋の吸い付くような感覚がくる。これもまた気持ちがいい。

 それから胸の背面部にきたとき、呼吸が圧迫されて「……んっ」と声が漏れた。


「っ/// ん、んんっ、し、失礼いたしました」


 何を謝ったのだろう。呼吸が圧迫されたのは仕方のないことであるし、心当たりがない。特に表害もなさそうなので、とりあえず放っておく。


「シルヴェリッサさまは、あまり凝りがございませんね。姿勢がとても良いからでしょうか」


 その後、揉みほぐしは腰のほうまで緩やかに、しっかりとした圧で移動していった。


「続いて――臀部、でございます」


 ピト……。これまでよりも数段、慎重な手つきで撫でほぐされていく。

 緩やかに、ゆっくりと、優しく、丁寧に。


 じわりじわりと疲労が溶けていくような、そんな感覚だった。

 快楽に身を預けたまま、再び例の3組を窺う。特に大した理由はないが。


 先ほどと反さず、また妙なことになっていた。ただ今回は少し激しい。

 3組とも、メイドが幼女たちの尻と尻尾に片手ずつあてがい、尻はムニムニと揉み、尻尾は握って扱き上げていた。

 エナスの尻尾は小さな球形なので、指をうごめかせて揉んでいる。


 緩やかに、ゆっくりと、優しく、丁寧に。

 何度も何度も、何度も何度も。何度も、何度も。


「ひあ、やぁっ///」 ウルナ

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ……!」 犬人メイド


「ぁん、んんぅ……っ///」 エナス

「ダイジョウブデスダイジョウブデスダイジョウブ――」 兎人メイド


「く、にぅ~っん……///」 クアラ

「はぁ~い、気持ちい気持ちいですねぇ~」 狸人メイド


 さらに今回は敏感な部位ゆえか、他の7名も少しばかり喘いでいた。



「シルヴェリッサの嬌声が聞けるというのは本当かしらッ!?」



 なぜかリフィーズが来た。とてつもなく期待したような笑顔で。

 その後しばらく食い入るように見学していたが、シルヴェリッサがその嬌声とやらを上げる気配がないのを悟ると、やがて落胆する。


「やっぱりそう簡単に聞けるものじゃないわよね……けれ、どっ! だからこそ聞く価値があるのよリフィーズ! 諦めては駄目リフィーズ! 諦めない限りいつか必ずリフィーズっ!」


 意味がわからない。他の皆も呆然としている。


 ……と、また誰かがやってきた。


「フィーさま……?」


 低く響く、怒ったような声。いや、おそらく怒っているのだろう。

 ユリーヴィアだった。その相貌かおには淑やかな笑みが張り付き、薄ら開いた双眸そうぼうでただただリフィーズを見つめている。


「ユ、ユリーヴィア、違うのよっ。こ、これは、そうっ、一種の芸術としての興味であって――」

「フィーさま」

「な、何かしら?」

「他の方に目移りするのは、別にかまわないのですよ? けれど……わたくしとの蜜時みつときのお約束を置いてまで、というのは少々ひどいのではございませんか?」


 なるほど、それで怒っているようだ。

 たしかに約束を疎かにするのは感心できない。他の皆も呆れている空気であった。


「そ、そんなつもりはなかったの! それに約束の時間は本当にほんの少ししか――」

「つきましては、今宵の夜伽は少々ご覚悟なさってくださいまし」

「っ! ゎ、わかったわ……///」


 ユリーヴィアの言の意味はよくわからないが、罰を与えるということだろうか。

 まあ、彼女ら2人の問題だ。捨て置こう。







 ――湯浴みから数刻。

 メイドを介してリフィーズから呼ばれたので、謁見の間までやってきた。左右に等間隔で直立している衛兵と、目立たぬよう数名ひかえている侍女らを端に、リフィーズの対面に立つ。


「ふぅ……ああ、ごめんなさいシルヴェリッサ、来てくれたのね」


 ため息を吐いているのを見るに、どうも疲れているらしい。

 ユリーヴィアはいなかった。蜜時とやらはもう済んだのだろうか。


「貴女のこと、貴族たちの間で少し噂になっているようでね。参ったわよ、もう……是非とも目通りしたいって、ひっきりなしにやってくるんだもの。妾も聞いて驚いたけれど、”ジュエリーパピヨン”や空駆ける馬の話が広まったようね」

「……それとなんの関係がある?」

「只者じゃないのは間違いない、縁を作っておいて損はなさそう――といったところでしょうね。そういった嗅覚は、貴族にとって重要なのよ」

「……会う理由はない」


 首を横に振る。

 が、リフィーズは困ったように眉尻を下げた。なにか不都合でもあるのだろうか。


「悪いのだけれど、そういうわけにもいかないのよ。貴女を代表騎士としたことを、式典を開いて発表しなくてはいけないから。まず民衆への式典の前に、貴族たちを対象にした儀典があるの」

「……2つともに出るのか?」

「ええ、少なくともそうなるわ。今回目通めどおりを求めてきたのは、先んじて手を付けておきたいという者たちね。儀典式典を円滑に流れさせるために、何人かと対面してもらうことになるかもしれないけれど……いいかしら?」

「…………わかった」


 少し思案し、うなずく。そういった理由、意味があるならば、納得しても十分だ。

 面倒ではあるが、仕方あるまい。


「と、ところでシルヴェリッサ。話は変わるけれど……その、食事店で働いているというのは、本当なのかしら?」


 少し声が上擦っているが、なぜだろう。

 ともあれ肯定としてうなずく。


「……ん」

「そ、そう、やっぱり! 給仕姿のシルヴェリッサに給仕してもらう……ふ、ふふふ、いいわ……とてもいいわ!」

「…………」


 1人で興奮していた。何がいいのだろうか。

 ややあって正気に戻ったリフィーズが、居を正す。


「ん、んんっ。最後に1つ、貴女が不思議な力で刀剣と装束のようなものを生み出したと聞いたのだけれど、もし本当なら見せてくれるかしら?」

「……ん」


 おそらく”黄岩陸”と”神鎧・黄裂”のことだろう。

 見せるだけならば不都合はないので、顕現させる。


「……《黄刃抜刀》」


 身体を”黄色”が包み、”黄色”を纏う。

 そして背に、”黄岩陸”が出現した。今は必要ないので、鞘からは抜かない。


「な、なんて美しいの……!」


 リフィーズをはじめ、周囲が身を乗り出して瞠目する。


「これは……儀典式典で使えるわね。予定に組み込んでもいいかしら?」

「……ん」

「ふふ、これは盛り上がるわよ!」


 肯定すると、リフィーズも満足そうに何度もうなずいた。

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