200文字小説集 隅田川(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2012/07/24 青、赤、緑、紫、オレンジ…。 「何色が好き?」 土手に寝転がっている彼が聞く。 最近の花火は本当にカラフルだ。 だけど、私はシンプルな花火は好き。 真ん丸で大きく広がる尺玉みたいなやつ。 「白」 「白?なんだ、それ…」 「いいの!」 「まっ、いいか」 花火は好きだけど、私は彼が一番好き。 ふーん…。 白ねぇ…。 お前らしいな! どんなに綺麗な花火より、俺はお前がいちばん綺麗だと思うよ。 「ねえ!」 二人同時に口にした。 「好き!」