第8話!!
「お帰りなさーい!!!」
セレナちゃんが帰ってきた!
その喜びを噛み締めながら反射的にセレナちゃんへと飛びつく。
あわよくばその唇を奪うつもりで。
けれど世の中そう、うまくはいかない。
ひらりと優雅に私の飛びつきを躱すセレナちゃん、結果として私は壁に顔面沈めることになってしまった。
しばらく続く静寂、私は壁に沈んだまま微動だにしない。
途中、セナが私に対し『アホ』だのなんだの言っていたが、ここはグッとこらえることにしよう、もうしばらく待てばおそらく。
「真理、大丈夫?」
キタ!!
何時までも動かない私を心配してセレナちゃんが近づいてくる。
ふふ、まさに計算通り。
そう、最初の飛びつきはあくまでオトリ。
本当の狙いはこっちにあったのさ!
私を心配し近づいてくるセレナちゃん、その純情無垢な唇を奪い去る。
ふふふ。
なんて壮大で偉大な計画。
足音は徐々に近づいてくる、あと少し、もう少しで・・・。
だんだんと脈拍が上がってくるのが自分でも感じられる。
ぴたりと私の後ろで止まる足音。
今だ!!!
「セレナちゃ~ん!!!」
全運動神経を駆使してセレナちゃんへと襲い掛かる!
瞬間唇に広がる柔らかい感触。
ああ、ついにあの夢にまで見たセレナちゃんの唇が私のモノに。
いったい、セレナちゃんはどんな顔をしているだろう?
驚きに目を丸くしているだろうか?
それともいつものように無表情で立っているだろうか?
できれば笑顔で私を包んでほしいな。
そんな妄想を胸に瞼を開くとそこには、謎の茶色い毛が。
こ、これはいったい?
とてつもなく嫌な予感がするが恐る恐る唇を離し、その物体を直視する。
ああ、こういったときの嫌な予感は見事に当たるものね、そこには予想通りあの犬っころがクリクリした目でこちらを見ていた。
なんだ、つまり私がキスした相手はつまり・・・。
「うえ~」
理解と同時に必死に自らの唇を拭う。
「な、なんでこの犬っころがこんなところに!」
「なんでって、真理が急に、襲ってきたから、この犬で、止めた、だけだけど?」
あいも変わらず無表情に淡々と語るセレナちゃん、その姿があまりにも可愛らしく、
「そっか~、止めただけか~、ならしょうがないね!」
犬とキスしたことなんか一瞬にして忘れてしまった。
「で、コントは済んだ?」
タイミングを見計らっていたのだろう、セナがここぞとばかりに口を開いた。
「なんだセナ、アンタまだいたんだ?」
「ああ、さっきからずっと。そんなことよりセレナ、お前ヘブン・ゲートが何なのか知ってるのか?」
セナの言葉でハッとする。
そうだ、セレナちゃんが帰ってきたことで歓喜し忘れていたがセレナちゃんは確かに言っていた、ヘブン・ゲートは都市伝説だと。
一斉に視線がセレナちゃんへと移る。
「知ってる、っていう程でもないけど、・・・・ちょっと、こっち来て」
そう言い、セレナちゃんは自らの部屋に向かう。
えっ!?
これはもしや部屋に入ってもいいという事ですか?
何のためらいもなくセレナちゃんの後へと続くセナ、そのあとを追うようにして私もその秘密の花園へと足を踏み入れたのであった。
登場人物紹介
・朝岡真理 -アサオカ・シンリー
19歳の少女。
身長170cm
かなりの美人。
好きなもの セレナちゃん
苦手なもの セナ
・セナ
17歳位の少女。
冷たそうだが、周りをよく気に掛ける。
恐ろしいほどの美人。
セレナとは双子らしい。
セレナとは異なり黒髪に黒目。
・セレナ
年齢 17歳位。
無感情、無表情。
真理達が所属している組織では一番強い。
嫌いなもの うるさいもの。
恐ろしいほどの美人。
セナとは異なり白髪に灰目。




