第3話!!
「それにしても、随分と壊れたな。越してきたばかりなのに」
よろよろと、風呂に向かった真理を見送った後、一人になったセナからはそんな言葉が漏れる。
しかしそれも致し方のないことだろう。
なんせ越してきたばかりの家を半日で同居人に半壊させられたのだから。
くるりと辺りを見渡す。
玄関は完全に壊れ家の中が丸見えの状態になっており、これなら泥棒も何の苦も無く侵入することができるだろう。
「まあ、この家にはとられて困るものなんて特にないけど。何時までもこのままにしておく訳にはいかないか」
フーと、軽いため息をつきおもむろに床に散らばっている木片を拾い上げる。
っと、なにかが目の前を通り過ぎる。
「ん、犬?」
そう、犬。
なぜか子犬が一匹目の前にちょこんと座っている。
私はあまり犬に詳しくはないから断言はできないが見た感じは雑種のようだ。
「なんだお前、こんなところで。いったいどこから・・・って一か所しかないか。とりあえずどいてくれ、其処にいたんじゃ掃除ができない」
少し可哀そうだがしっしっっと、追い払う。
でもこれは正しい選択だろう。
こんな家にいつまでも居たんじゃあの子犬の命に関わる。
さて、気を取り直して片付けの続きをやらないと。
結局片付けの終わるまでは三十分程かかってしまい予想以上に時間をくってしまった。
「クソ、この後修理もあるっていうのに」
そんな愚痴がついこぼれてしまう。
本当泣いてしまいたい気分だ。
「クゥ~ン」
うん?
これは私の泣き声じゃないよな。
っということは。
そろりと目線を下に向けるとそこには案の定さっきの子犬が座っていた。
「お前、まだいたのか。ここに居たら危ないから早くよそに行けって」
再び追い払おうとするが今度はなかなか余所へ行ってくれない。
「まいったな、懐いてくれるのは嬉しんだけど此処じゃ飼えないんだよ」
申し訳なく思いながら子犬の頭をなでる。
ん、意外とフカフカで気持ちいい。
もう少しなでていようと再び手を伸ばそうとしたところで、
「ふ~ん、動物には優しいんだセナって。ちょっと驚きかも」
と、今この現場を一番見られたくないヤツの声が響いた。




