第15話!!
みなさんはブラックホールというものをご存じだろうか?
全てを吸い込む穴、実際はそうではないのだけど今、僕の目の前にあるにはまさしくソレだった。
「一体どうゆう胃袋してるんですか・・・」
やっと絞り出した声は自分でも分かるくらいに引いていた。
しかしそれも致し方のないことだ、なんせつい8分ほど前まで目の前にあった十人前はあろうかという料理の数々が今は一つとして存在していないのだから。
コレは何かの魔法かとさえ思う。
いや現実から目を背けのはよそう、今の状況をしかと受け止めるのだ!
だけどコレだけの量を一人でたいらげてしまう真理さんって・・・。
そして、コレだけ食べているのにかかわらずさらにデザートを探し求める姿にはもはや恐怖すら覚えてしまう。
「やっぱり真理さんって人外なんですね」
そんなことをついもらす僕の隣で人並みの食事を終え、お茶をすするセナさんの
「今日はまだましの方さ、食べるときは冷蔵庫の中身丸々飲み込むからな真理は」
その語りに青ざめる僕でした。
朝岡真理、恐るべし!!!
「そういえばセレナさん結局部屋から出てきませんでしたね」
真理さんの食事騒動を終え、後片付けの中セナさんに渡された食器をしまいながらそんな事を呟く。
気にはなっていたのだ。
あの時、食事自体は十人前ほどあったのに出された食器は三人前だった。
つまり、僕とセナさんと真理さんの分。
セレナさんの分は初めから用意されておらず、セレナさんも部屋から出てくることは最後までなかった。
正直こうゆうのは居心地が悪い。
食事をとっていない人がいるのに自分だけが食事をとるなんて言うのはなんか悪い気がしてしまう。
これが余分な感情だとわかってはいたけど口にせずにはいられなかった。
「別にいつもの何時ものことだ。セレナは食事なんてとらないよ、そうゆうやつなんだアイツは。だから、お前はいちいちそんなこと気にしなくていいんだ」
それは僕を気遣ってのことななんだろうか?
それともセレナさんの事を突き放しているだけなのだろうか?
無表情なセナさんからは真意がつかめない。
「・・・・」
「・・・・」
沈黙が続く。
後に続く言葉が見つからず、話が途絶えてしまう。
こんな時なんといえばいいかわからない。
それでも無理に会話を続けようとして、
「あの、料理、僕に教えてくれませんか?」
なんてことを口にしてしまっていた。
「えっ?」
「いや、僕だって一緒に住むんだからなにか、料理とか手伝えたらいいかな、なんて思ったりして。ハハ」
「・・・まあ、手伝ってくれるのはありがたいけど、お前どのくらい出来るの?」
「その、インスタントくらいかな?」
「・・・・」
あれ?
どうしよう、セナさんが物凄く冷たい目線をこっちに向けてくる。
呆れてるのかな?
怒ってるのかな?
うっう~、どっちにしろ物凄く怖いよ。
「ハァー、よくそんなんで料理を習いたいなんて言えたな。いや、そんなんだから習いたいと思ったのか?まあ、私としてはどちらでもいいけど」
「あの、それで・・・」
「いいよ別に。断る理由もないしな。ただし、私から習うからには絶対上達してもらうからな!成長しませんなんて言ってみろ死刑だからな。わかったか!」
「えっ、はっはい!頑張ってみんながおいしいって言ってくれる料理を作ります!セレナさんもきっと食べてくれるような」
僕のその言葉にセナさんは一瞬、複雑そうな表情をしたがすぐに
「ああ、がんばれよ」
と、答えてくれた。
あいも変わらず無表情だったけどそこにはたしかに優しさが感じられた。
だからこそ思ったのだ、たとえ人外のものであろうともセナさんは悪い奴じゃない、きっと真理さんやセレナさんだって。
ならもう少しだけこの人たちに近づいてもいいかもしれないと。




