第13話!!
「ボロボロですね」
それが新しく暮らすこととなる家を見ての僕の一言だった。
いや本当、いったい何をどうしたらこのような惨状になるか教えてほしい。
なんなんだ、コレは・・・。
「失礼なヤツね。仮にも私たちの家なのよ少しは言葉を選びなさいよ」
そう憤る真理さんの反応はもっともなんだが、
「いや、でも、こうも壊れているとそれしか言葉が出ないといいますか・・・そもそもなんでこんなことに?」
本当に不思議だ。
玄関なんて屋根が吹っ飛んでしまっている、一体ここで何があったのだろうか?
隕石でも落ちてきた?
いやいや、まさか・・・
なら爆撃?
いや、こんな普通の家にありえないだろう。
なら一体?
チラリと真理さんを見る。
なんだかとても気まずそうな顔をしている。
なんなんだ?
まさか、僕には想像できない程恐ろしいことが起きたとでもいうのか。
「ああ、ここは先日真理が突っ込んで壊したんだ」
「って、犯人はアンタかよ!!」
ああ、僕ってこんな大きな声でたんだ。
「むっ、なによ~。別に私だって壊そうと思ってやった訳じゃないのよ。間が悪かったっていうか・・・そう!あれは事故!不幸な事故だったのよ!!!」
「こんなの普通壊そうと思ったってできませんよ!!!」
ああ、そういえばこの人達人間じゃなかったんだっけ?
「どうしたのよ?そんなげんなりした顔して」
「いえ、もういいです。なんか諦めがつきましたから」
人生諦めが肝心、まさに今使うべき言葉だと思う。
むしろそう思わないと僕のキャパシティーはとっくにオーバーしてしまいそうだ。
「なんか本当にとんでもない所に来てしまったようだ」
「うん?なんかいった」
「別に」
「そう、なら入りましょうか我らの城へ」
城というより潰れかけの小屋のように感じるのは僕だけなんだろう他二名はその発言を華麗にスルーすると家の中に入っていった。
「中は意外と綺麗なんですね」
何とも平凡極まりない普通の感想だが、外のあの惨状と比べれば室内は十分すぎるほど整理整頓をされていた。
てっきりゴミ屋敷的のものを想像していたこちらとしてはいささか拍子抜けだ・・・いや、もちろんゴミ屋敷に住みたいっていう訳じゃないからな。
ソファーに清潔感漂う白い机、床もまるで磨き上げたかのようにピカピカだ。
部屋に施された装飾品にもセンスの良さを感じる。
「綺麗なのは当たり前でしょ。私たちが住んでるのよ。アンタ一体どんな部屋を想像していたワケ?」
「いっ、いや、それはですね・・・・」
意地悪そうに笑う真理さん。
その眼はなんだかこちらの内面を覗き見るほど鋭く少しばかり怖く感じた。
「真理、偉そうにするな。この家の管理を行っているのは私一人じゃないか。お前とセレナは私が掃除をしていてもダラダラ寝ているだけだろう」
「ちょ!今ここでそんなこと言わなくてもいいでしょ!せっかく私の株上げようと思ったのに」
「真理、ものすごく今更な気がするぞ」
もぉー、と怒る真理さんを軽くあしらうセナさん。
この二人、イガミあっているようだけどもしかしてものすごく仲が良かったりする?
そして真理さんやっぱり何もしていなかったんですね。
まあ、これ言ったら後が怖いので言及はやめとこ。
それより今気になることは。
「ところで僕の部屋ってどこなんでしょうか?そろそろ案内してほしいのですが」
いつまでも真理さんとセナさんの言い争いを聞くのも面倒なのでとりあえずは話を変える目的もありそう切り出してみる。
僕ごときの言葉でこの二人が言い争いを辞めるとは思えなかったが二人ともやはり本気ではなかったようで思いのほかあっさりと口論は終了した。
「うん?そういえばまだ教えていなかったけ、お前の部屋?ほら、あれだよあれ」
セナさんの細く白い指がさす方向にある白いドア。
位置的にはちょうど階段の真下のある部屋だ。
「なんか某魔法使い映画の主人公の部屋みたいですね」
ああ、そういえばあの主人公も居候だっけ?
そんなことを考えながら扉を開く。
部屋の中は薄暗くかび臭い。
どうやら何年も使われていないようだ。
そして部屋には使われている気配のない椅子や台などが綺麗に収納されていた。
「あの~ここって・・・」
「ああ、物置部屋だな。今日からここがお前の部屋だ」
「なっ!?」
「良かったじゃないかユウ。もしかしたら近いうちに魔法学校に誘われるかもだぞ」
驚愕する僕にセナさんはそんな冗談を言い、それを近くで見ていた真理さんは床に伏せ笑い転げていた。




