【ツッコミどころ満載バトル】 真冬の風鈴対決!
俺の名は『れっど・つぇっぺりんⅣ』──風鈴バトラーだ。
今日の対戦相手は手強そうだ。
ニヤリと意味不明な笑いを顔に貼り付けて、俺をじっと見ている。
名前は『鐘小僧』というらしい。手には金色の、小判型風鈴だ。あれはいい音を鳴らす。
「やろうか?」
か細い老人のような声で、ヤツが言った。
「やろうか?」
「何をくれると言うんだ?」
俺はそれだけ聞き、ヤツは何も答えなかった。
勝利を恵んでやろうかなんてことならお断りだ。そんなものは自力で掴むものだ。
俺のこの、手にした透明なガラスの、赤青金魚の描かれた風鈴は、見事に涼風をそよがせる音色を鳴らしてみせる。
ちりーん
戦闘開始のゴングが鳴った!
俺は高い崖の上に飛び上がると、そこから愚衆を見下ろすように風鈴をかざし、風を待った。
さすがは真冬だ。数十メートル高いところに登っただけで背中をゲジゲジのような寒さが這う。
そうだ──、忘れていたが、今は真冬。
この寒風吹きすさぶ中にどれだけ『涼しい夏の風』を吹かせるかが、この競技の趣旨だ。
見事、爽やかな風を吹かせてみせるぜ!
ちひーん
ヤツの風鈴が、おかしな音で鳴った。
あらびーん
ちょびーん
はげちゃびーん
大魔王か!!
俺は思わずおおきなクシャミをさせられてしまった。
呼んだ──
呼んでしまった──!
あいつが呼ばれて飛び出てジャジャジャジャー……
あとが続かなくなった。




