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女町長と男

4話 女町長と男


 話は、マテラたちがUFOを目撃する少し前にもどる。

 大海田町のほぼ中央付近にあるマンション。

 ある人はここを大海田のランドマークと呼んだ。

 遠目で見ると田畑の中にある巨大な墓石にも見える。この町で一番高い建物た。

 二階まではコンビニや商業店、歯科等の医療施設が入っており、近辺の住人には重宝がられているビルだ。三階から上が移住マンションに。


最上階の一室。


〘町長、お車の準備が〙

「わかったわ。すぐ行く。少しはゆっくりさせてもらいたいわ」

 

スマホをテーブルに置き、美しい中年女性が全裸でベッドから起き上がる。


「今度はいつかな? 僕は每日でも会いたい」

「そうね、忙しいのよね。いつになるかしら」


 同じベッドから女性と同じ歳くらいの男も全裸で起き上がり、テーブルの上からタバコケースとライターを取りタバコをくわえたまま大窓のカーテンを開けた。

強い西陽が射し込んだ。


「今度は市長になってからとかは、ないよな?」


 と、言い外の景色をながめながら背伸びをした。


「思ったより忙しいのよ。町長って仕事」

「わかってます」


 男は振り返り全身を見せつけるようなポーズで。


「しかし、面白いコト考えるよなぁネネコは。本当にやっちゃうよ。後悔するなよ」



 大海田町初の女性町長、谷寧々子。

 彼女の父親は大海田町一の大地主、谷清右衛門。

寧々子は彼の三女で隣市の高校を卒業すると都内の大学に入学と同時に上京。

 それから二十年後に帰って来て、その年におこなわれた町長選挙に出馬して勝利し町長になった。

 彼女は大海田町に当時多かった雑木林を新興住宅地にし、一気に人口を増やし。町内に有名企業、工業関係施設を造り経済の発展にも力を得た。

 彼女の仕事は住民に大いなる称賛をあびたが、まだ満足ではなかった。


「谷町長になって大海田も変わったな」

「ああ、噂じゃ『市』になるのも近いってよ」

「隣の総金市や千葉市との合併とかはねえって話だ。ヤッパよう谷ネネコに投票して良かった」

「俺は同級生だったんだ。昔は美少女で、今は美魔女ってかあははは」


 今の町長の評判は良い。ホント、あの人のおかげでこの町は住みやすくなった。

 町にはいろな物が出来た。子供の頃にはなかった学校。コンビニや大手スーパーのショピングモール。大きな書店に有名レンタル店。ホームセンターに大手家電量販店も建設中で年末にはオーブンする。

 谷ネネコは父方の親戚らしい。親戚から町長がでたと驚くやら喜んだやら。

 田舎だ人間関係がせまい。


 連休も終わり、部活も再開。まあゴーレムみたいに連休中もUFO取材してた奴もいたが。

 町中で撮られたUFO動画を見ながらゴーレムが。


「しかし、クラゲ型UFOとはえらく珍しいのが現れましたよね。多分日本では初です。凄い動画が撮れました。クラゲ型はおもにイギリスやブラジルでの目撃でしたから」

 

 などとウンチクを言いながらノートパソコンの画面の動画を何度も見返している。


「その動画テレビに送ってみれば『世界ソレ、ホント?!』とかに」


 モモネも見てるのかその番組。あたしも家族で夕食とりながら見てる。たしかアレの。


「おうオレも見てるその番組。MCのひとり森野キミファンなんだオレ。知ってるかあの子、ウチの親戚なんだ」

 

 やっぱりだ。デビューした時、従兄妹とか言ってはしゃいでいた。


「ちょっと恥ずかしいけどウチの父もファンです」


 ドーテーのオヤジもか。が、はしゃいでるクロガネの横のモデルちゃんが。


「あの番組おちゃらけてるから、あまり好きじゃないのよね。特にタンバリン男とか」


 横のクロガネの顔が青ざめたのを見た。


「そういうの送るなら、深夜番組ですけど『怖い栄三』がいいかと」

「妖怪漫画家の弧猥栄三がMCやってるミニ番組ですね」


 さすがゴーレム知っているんだ。あたしは見たことも聞いたこともないぞ、そんな番組。


「初めて聞く番組だな。それいつやってんの?」

「衛星放送ですから、黒鉄先輩とこ見れます?」

「千葉テレしか映らねえ」


 ソレは地デジだろ、千葉テレは今は誰でも見れるぞ。そういうのにはまったくうといんだよねクロガネ。


「ぜんぜん違う話しで悪いんだけど。このまえのフランケンの話」


 なにか思い出したドーテー。


                つづく

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