5月10日 考える
今日は学校からの課題をやろうと決めていた。だいぶ前から出されていたもので、難易度的にはそれほど難しくはない。難しくはないからこそ明日やればいいやという気持ちになってしまい、ズルズル今日まで持ち越してしまった。期限が間近になりさすがにまずいので「必ず明日片を付けよう」と昨日決めた。
自分の予想としては長くて1時間あれば終わる程度の課題だった。内容は簡単に言うと読書感想文だ。与えられている資料を読んで、それについて自分の意見を書けばよい。字数も400~500字なので全く多くはない。だから期限は迫っていたが余裕綽々であった。
しかし始めてみると進まない。資料の内容に全く興味が持てなかったためだ。詳しくは書かないが一般教養のことだ。そんなの言われなくとも分かっとるわい、という気持ちで全く読み進まない。つまらな過ぎて全く別のことを考え始めてしまった。何を考え始めたかといえば「もし旅行ならどこに行くか」。
まず国内か海外か。夢は大きく海外!と言いたいが、海外のことは全然わからないのでこれ以上妄想しようがない。却下。では国内だったらどこに行くか。
まず思い浮かぶのは北海道と沖縄。北海道は2、3年前旅行したことがある。けれど想像以上に広くて3日程度では全然時間が足りなかった。沖縄は行ったことない。沖縄そば食べてみたい。
あとは福岡。『君の膵臓をたべたい』の聖地巡礼をしたい。ついでにホークスの試合を生でみてみたい。
そして金沢。実はここが一番いきたい。2回これまでに行ったことがあるが本当に素敵な町だった。街並みに品があってとても綺麗だし、京都ほど観光客も多くなくて過ごしやすい。食べ物もすごくおいしい。老後は金沢に住みたいくらいだ。
前回はスイーツを中心に食べてまわったので、今度は金沢カレーや金沢おでんをたらふく食べたい。ハントンライスも食べてみたい。能登の方にはまだ足を踏み入れていないので次行くときは長めに行ってそっちも楽しみたい。考えているだけでお腹がすいてくる。
食べ物のことばかり書いてしまったが、美術館や金沢城公園、からくり記念館など楽しい施設もいっぱいだ。もう考えるだけでウキウキしてくるし幸せな気持ちであった。
そんな気分に浸って時計を見ると、既に30分経っていた。資料はまだ半分しか読み終わっていない。自分がこんなに妄想に時間を使えるとは思わなかった。課題を終わらせねば、と思い出して再び取り掛かってはみるものの、一度開いた妄想の扉はなかなか閉まることを許してくれない。だんだん3泊4日の行程で具体的な計画まで組み始めてしまった。
1日目はあまり時間がないはずなので、食を中心にしたい。昼頃に到着してカレーを食べるのが良いだろうか。ハントンライスもいいな。夜はおでんが食べたい。
2日目は朝ちゃんと起きて近江町市場に行き食べ歩きをしたい。コロッケと寿司は絶対食べたい。その後はひがし茶屋街にいってお土産をみて、前回食べたみかん大福をまた食べたい。食べたいばかりだな。
3,4日目は、能登半島を見て回りたい。ここは行ったことがないので全く未知数である。2日で足りるのだろうか。ちょっと前に朝ドラの舞台にもなっていたので塩づくりを見てみたい。あとはやっぱり食べ物だろう。海の幸はおいしいに違いない。他にもたくさんおいしいものがあるだろう。ああホントにお腹すいた。
こんな計画を立てているわけだから、全く読むほうは進まない。結局読み終えるだけで1時間以上かかってしまい、意見を書くのも合わせて2時間近くかかってしまった。妄想恐ろしや。
けれど課題の出来は別として、妄想のおかげで楽しい時間を過ごせたのでこれはこれで良かった。妄想というのは案外楽しいものだ。このまだしばらく続きそうな自粛期間、妄想力を鍛えるのもいいかなぁなんて思えた1日だった。