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遅くなりました…
お茶会当日です。ドレスも慎重しましたし、礼儀作法に至っては先生からのお墨付きをいただきました。今回のお茶会のために磨き上げてきましたからね。なんてったって本日のお茶会はヨハン王子の10歳の誕生日パーティなのです!
つ・ま・り!公爵家から男爵家まで身分を問わずに多くの方があつまるのです!これはニアに会えるチャンスではありませんか!さぁ早く会場に向かいましょう!
「アイリスは随分とご機嫌だね」
ロイスがジト目で話しかけてきます。
「えぇ!今日という日を楽しみにしてましたから!」
なんてったってニアとお近づきになれちゃうかもなんだよ??つい顔がにやけてしまうのは仕方ないですよね!
「……誰か会いたい人でもいるの?」
おっ!聞いちゃいます??ならば語ってあげましょう。ちょっとだけですけどね。
「私がお会いしてみたい方はニア・エルリック公爵令嬢ですの!!すごく美しく、マナーも完璧なのです!!私は幼少期からずっとずぅーっと彼女と会いたいと願っておりましたの!!」
ノンブレスで語ってしまいました。あれ?ちょっとロイスったら何でそんなにポカンとしているのですか。そんなロイスの様子をうかがっていると、はっと我に返り、満面の笑みを浮かべました。
「そっか……男じゃなかったのか…」
「何とおっしゃられたのですか?」
私が問うてもロイスは教えてくれませんでした。もうすぐお城に着きます。