Beastmaster<<魔獣使い>>
―Beastmaster―
「きみがキライかぁ。おとーさんとおかーさんはどんな人か知ってる?あ、おかーさんは僕も知らないんだけどね?」
「父はデプロさんです。あなたには関係ないでしょ?子供だからって手加減はしません。申し訳ありませんが殺させてもらいます。」
「いうね!悪くない、悪くない、でもだめ。君は四肢をもいで、無理矢理でも連れて行かなきゃ……ね!」
指をくわえて笛を鳴らす。森からは大量の鳥が飛び、それがキライを襲う。
「……ふん、まさに烏合の衆だな」
フェンリルが咆哮すると蜘蛛の子を散らすように四散する。
「どうやらそのガキの力に強制力はないみたいだな?」
「基本的にはお願いだからね〜命令もできるよ?こうやってさ?」
にこりと笑ってフェンリルに指をさす。すると森に隠れていたのだろうか、ハウンドドッグがフェンリルに噛み付く。
「……最低な子供ですね。」
キライが指をさした少年を襲う。双刃刀を振り下ろし、回転して前後の刃で責める。指差しをやめるとハウンドドッグはその場にひれ伏す。
「ククク、指を指してないとだめなのか?」
「そうみたいですね。じゃあその隙を与えません。指差しをすれば強制できるみたいですが……。」
腕の紋章が輝くとキライの攻撃した後に光が残り、キライから一瞬遅れて同じ動作をする。キライはそれを使い、前後から責めたり、上段下段の回避し難い攻撃を繰り返す。
「いつもなら、命までは取らないって言っていますが、君は許せ方にありません。」
光とキライの猛攻で少年は押されていく。
「なんなんだよ。調べた時は魔法なんか!……僕が負けるわけ……っ!!」
回避に失敗し、片腕が宙を舞う。
「許さない、なんなんだよ!凡人のくせに!臆病者のくせに!!じゃま!じゃまじゃま!!」
「子供が何を言っても!」
キライが追い込んで双刃刀を振り下ろす。
「あーあー……僕の腕どうしてくれるんだよ。」
攻撃が触れる直前にキライが吹き飛ばされる。
「追い込んでも油断するな!!」
「フェンリル……?」
「じゃましないでよ……犬のくせに……生意気だよ。」
キライを吹き飛ばしたのはフェンリルが放った風だった。キライのいた位置には火柱が立っている。
「なん……だ?あれ。」
「僕の魔力で使う一番だよ。もういいや。おーさまには怒られるかもだけどおにーちゃんには死んでもらうよ。」
「……火の鳥?」
「そう、フェニックスだよ。あーあー。これ使ったら僕の魔力全部持って行かれるんだから……。どうしてくれるんだよ。もー空っぽだよ。ハウンドドッグすらあやつれないじゃん。どーするのさ!」
「全部か、もう空っぽか。じゃ君の負けだよ。僕も死ぬかもしれないけどね?少なくとも君は死ぬよ。」
「はは!なに?預言者気取り?わっけわかんない。」
「魔力が空っぽ……俺の眷属すらあやつれ無いなら……俺が下がってる意味はないな?糞ガキ。」
距離をとっていたフェンリルがキライの真横に立つ。
「ふふふふ。嘘ついてるかもよ?」
「そこまで脳があると思えんが?」
「そうですね。残念ですが終わりです。」
「あ!フェニックスだ!最近見無いと思ったら!」
火の鳥に抱きつく一人の子供。
「だ、誰ですか!?」
「僕?ああ。ダナエ様の友達だよね!タルウィっていうんだ!よろしく♪」
「よ、よろしく。」
「でも、ダナエさんは……首を。」
「問題です。問一!ダナエ様の正体はなんでしょう。」
ニコニコとしている。キライが答える前に次を出す。
「問二!斬られた場所は?」
タルウィがフェニックスの首元から離れて言う。
「問三!じゃー後ろを見ると?」
キライもクスリと笑う。
「そゆこと。んー、問四!君は僕が怖くないの?」
「いや?怖くないよ。僕はキライ。よろしくね。様をつけてるってことはダナエさんの従者か何か?」
「うん♪そんなところ!」
「僕を無視するな!」
「ああ、まだ生きていたの?」
「し、死ぬわけないだろ?」
タルウィとキライが話をしている間、フェンリルが襲いかかっていた。少年はギリギリで回避していると思っているようだが……。実際にはフェンリルが甚振っていた。
「なんでフェニックスが言うことを聞か無い!!」
「いやーそんなこと言ってもさ?人間ごときが僕に勝てると?」
「何を言ってんだよ!僕の魔力で!!」
「うん。で?僕の魔力に勝てるの?たかが、たかが人間が?すごいね!そんなこと思えるんだ!」
タルウィの頭上にフェニックスが舞う。
「火の悪魔、熱を司る悪魔。それが僕。魔力を注ぐのと熱を注いだんだよ。言わば餌付けだよ♪」
「そんな……!」
少年は項垂れ、膝から崩れ落ちる。
「バイバイ♪」
フェンリルの口が大きく開き……、一飲み。
「俺の胃袋で少しずつ溶かしてやる。せいぜい苦しめ。」
「うわ……見たくなかったなぁ……。」
「おい小僧。なに安心してんだ?」
「え?」
「まだ向こうには『王』と称される男がいるんだ。油断するな。」
「そうだ。ヴィットは?」
恐る恐るダナエとヴィットをみる。戦闘はしておらず、何か話している。少年としては回避できる戦闘は回避したいが……。
「あ?あー……あいつ喰われたか。まぁいい。さて、そろそろ俺は帰るわ。」
「この状況でよくそんなこと言えるね?」
「え?ああ。あいつは預けておくよ。とりあえず向こうが大変な事になってるみたいだしな。」
「…向こう…?…」
ヴィットは逃しはし無いとナイフを構える。
「ああ。俺の奪った国でいろいろな。」
「なにを言っているんですか?こんなことしておいて!」
「キライ。お前は選択しろ。自身の運命に従うか、抗うか。従う事をすすめるがね。じゃなー。」
目の前の男は姿を残したまま、存在感が薄れていく。目の前にいると分かっているが希薄になり、無くなる。そして目の前で男はフッと消える。
よんでくれてありがとう♪
よいゆめを
あしたもあげれるとおもいます♪
ノシ




