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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
97/116

Nederlag<<敗北>>

―Nederlag―


 緑の悪魔は立ち上がりフェインの方を向くと地面に腕を突き刺す。突き刺した部分の地面の色が変色する。

「……?」

「ったく!人間がわかるように喋れよ!わけわかんないな!!」

「……?」

「あー!もうわかったよ!俺と意思疎通はするつもりはないんだな!」

 彼は鎖を回転させ、勢いをつけてザリチェに振り下ろす。腕を地面に突き刺した緑の悪魔は回避できず、鎖に触れた部分が勢いと質量で切断される。

「身体は脆いようだな!?ああ!?」

 フェインの表情は追い込まれているせいか鬼気迫るものだ。ザリチェは自由な腕で致命傷を避けるように鎖を受ける。

「単体であればなんとかなんだよ!この化物が!!」

「……?」

「なんだって!?命乞いか?認めるわけねーだろ!手始めにお前だ!何してるかわかんねーが?やられる前にやってやる!!……さっさとおっ死ね!こいつを倒したら次はあっちだ!たいしたことなかっ……!?」

 フェインの足元まで変色は進み、その後地面が崩れ落ちる。崩れ落ちた先に無事着地する。5メートルは落下したのだろうか……?いつの間にこんな穴を……。大きな空洞だ。その中には見たこともない植物が生い茂っている。変色していた地面と同じ色だ。

「なんなんだよ!!これでとじこめ……」

 フェインは片膝をつく。だんだんと意識が遠くなる……。

 な……なんだよ。体がうまく……。喋れない。苦しい……。

 フェインの意識が薄れた時空洞内に何かがいるのに気がついた。それは地上にいた緑の悪魔。彼は何故ここにいるかと聞こうと思ったが、それすらも言葉にならない。

「……?」

 首をかしげ、そして言葉を発した。

「あなたは、手を出す相手を誤った。安心しろ。ダナエ様は慈悲深い。殺すことは許可しなかった。」

 男とも女とも聞こえる声。形はなんとなく把握できるが、目も霞んで相手を視認できない。地上にいた時に見たのとは違う物体。人のような形をしているが……。

「クスクス……意識はギリギリ残してもらう。」

 倒れたフェインの手の甲を踏みつけ、意識を覚醒させる。空洞内にはフェインの叫び声が反響する。

「はぁ、いい声。死ぬギリギリまで痛めつけていいって言われたからね。」

 フェインの意識は覚醒したが体が動かないのは変わらない。そして、目が霞むのも治らない。必死に何かを睨み付ける。

「あら?まだ睨み付ける元気がおありで?」

 再度フェインの腕を踏みつける。

「ぁぅっ……」

「おや、つよいね。君。まだ死ななそうだね?まだ楽しめる♪死なないでね?殺したら私が殺されちゃう。」

 鈍い音が空洞内に響く。

「クスクス……まだ死なない。いや、まだ死ねない。」

「……くそ……なんでだ」

「死にたい?駄目だよ?死んだら。」

「私の大切な人形を傷つけたんだ。同じ分の傷を受けてあげる。安心して。死ねないから。」

「……人形だ?な、なんだよ……」

「ああ。気が付いてなかったの?上にいたのは人形しゃべらなかっただろう?」

「……!?」

「あ、いまさら気が付いたのか。大丈夫。あれと同じことしてあげるからさ。」

 悲痛な叫びが空洞内に響く。



「さて、クロケル。あんたを助ける。拒否権は残念ながらない。いい?」

「……★■◆●!■◆★◆●!」

「大丈夫だよ。安心しろ。これ以上堕ちる場所はない。無傷で戻せたらよかったんだけど。あんたホント腕をあげたね。頑張ったんだね。タルウィ、君ならなんとかできる。私が抑え込む。君はアレを引きちぎってくれ。褒美は与える。」

「……!」

「人形じゃなく、でといで。」

 そう言われると足元の熱で溶けている地面から一体の悪魔が出てくる。

「わーい♪ご褒美なにくれるの?」

無邪気な子供の声がダナエかけられる。

「何がほしいの?」

「遊び相手がほしいな。」

「どんな?」

「んー……。私を見ても怖がらない子。」

「ん。心当たりがある。あんしんして。」

「わかった♪あ……火傷させちゃうかもだけど……。」

「それくらい許容範囲内。」

「じゃあご褒美目当てで頑張るよ♪」

 タルウィはクロケルの方を向き両腕から火を放つ。火を放つというよりも炎が腕の形をしていると表現するのが正しいかもしれない。悪魔は飛んでくる光の輪を炎の腕で掴み搔き消して一歩ずつ前に進む。クロケルの光の輪をタルウィが掻き消す中ダナエは大きく飛び上がり天使を押さえつける。

「さて、クロケル。本当に本当、これでおしまいにしよう。」

 ダナエはクロケルが光の輪を出すのをまさに腕ずくで止める。光の輪を出そうとするたびにダナエが攻撃を繰り出してその隙を与えない。

「ダナエ様、どいてね♪」

 ダナエの陰からタルウィの腕が伸びる。悪魔の掴んだのは、天使に似合わない鎖。首元に錠があった。その部分を炎が包む。鎖は赤くなり、触れた部分から鎖が溶け落ちる。

「魔力で包まれた鎖はこれでなくなった。クロケル。大丈夫かい?」

「……ええ。気に食わないことが沢山ありますが……。助かりました。……ところで?私をこんな目に合わせた人間はどこにいますか?」

「今、ザリチェが虐めてると思うよ♪天使と初めて話しちゃった!ねぇ!ダナエ様」

「あんたね……タルウィ。本来はその子敵だよ?」

「じゃなんでタルウィに助けさせた?」

「まったく本当だよダナエ。あんたは昔から甘い。じゃあ私は人間の元にいくね。」

「おや?何しに?」

「私にした罪は償わないと。」

 天使はぽっかりと空いた穴を降りていく。

「あーあ。せっかくの天使が、まぁいいか。とりあえず俺には不要な物だったしな。」

「さて、次はきみだよ?」

「俺?あー…見逃してくれないかな?望むものを与えよう。」

「本当かい?……じゃ、魔族らしく……お前の魂をいただこうか?」

「魔族に言われるとゾッとするな?まぁいい。じゃこの結界を解く方法は?」

「私を行動不能にする、あとは……、首をはねるとか?」

 そんな簡単な方法があるんだとつぶやいてにこりと笑う。すると、ダナエの首がポトリと……落ちる。

「ダナエ様!」

「簡単だったろ?」

 彼女の前にいた人影はまだあったが……。彼女の後ろに存在を認識した時には目の前からいなくなっていた。

「これでいいかな?」

 ガラスが割れるように結界が崩壊する。

いつも有難うございます。


確認したらようやく50までいったようです。


まだまだですが 頑張ります♪



次は明日です!

ノシ

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