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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
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FENRIR<<神殺し>>

FENRIR(フェンリル)


 血だまりの中にあった点は全て無くなっていた。それに気がつき視線を飛び出てきた影に移す。

「えっ……フ、フ、フェンリル!?」

 デプロの部屋にあった古い書物にあった伝説の化物。神をも食い尽くすと言われる伝説の魔犬。

「こ、こんなの勝てるわけ……」

 ゴクリと喉を鳴らし生き残る算段を考える。……逃げ出す。……脚力は明らかに向こうの方が上。戦って勝つ。……相手は伝説の化物。勝ち目があるのか!?……僕バカかっ!?考えろ……相手の弱点思い出せ。……逃げてたまるか!僕はあいつに勝たなきゃいけないんだ!

 思考を必死に回すキライだが、それを待つ敵ではない。フェンリルはキライに襲いかかる。瞬時に双刃刀を二つに分け、鋭い爪を捌く。鋭い牙は必死に回避する。動きが大雑把なため、攻撃の起動は予測できて受け流すことはギリギリで可能だ。冷静に……。冷静に……。チャンスはあるはずだ!攻撃のパターンを読み解け……!ただの獣だ。大きい猛犬が襲ってくるだけと思え!!

 必死に攻撃を回避するキライだが……。フェンリルはその巨体を突進させる。両手の長刀を構えて突進を受けるが……質量差があり過ぎた。彼の体は大きく突き飛ばされまるで小石を弾くように宙を舞う。

「危なかった。……き、昨日までの僕なら今ので。」

 考えただけでもぞっとする。魔力を満たすというだけで自身の身体能力が上がっている。それだけで戦闘能力が格段に上がった。少年は体制を整え着地す……失敗、亡くなった商人の荷物に引っかかり転んでしまう。即座に立ち上がり身構える。フェンリルとしては人間があれで生き残るとは思っていなかったのか追撃はなかった。

「そ、そうだ!思い出した。デプロさんが言っていた。」

 フェンリルが再び襲い来る前に必死にフェンリルをみる。


 ……ない。……ない。

 ……こっちも……こっちも!

 ……あるはず……。

 ……ない。……な、あった!


 キライは長刀を合わせて双刃刀を地面に突き刺してフェンリルの突撃を回避、そして見つけたものを手に取り、左腕をフェンリルの前に差し出す。

「と、止まりなさい!い、いいですか!?フェンリル!!」

 急に話しかけてきた人間に思わずフェンリルは止まる。いや、左腕を差し出されて止まる。キライとしては言葉が通じているわけないと思うが……。それを見て思わず口に出てしまった。

「こ、言葉が通じるのか!?」

「通じるわけなかろう。」

 低く濁った不吉な声が響く。

「い、いや、通じているだろう。なぜ襲う?」

「……俺は我らが眷属を殺しに殺したヤツを襲っているだけだ。文句あるか!?」

「……そ、それに関しては謝罪する。」

「謝罪でなんとかできると思うか!?俺の眷属をこれだけ殺しておいて!」

「……だ、だけど、だけど!!君の眷属が何をしたかしっているのか!?」

「なに?俺の眷属がだと?はっ!人間に危害を加えたとでも!?」

 フェンリルは吐き捨てる。

「そ、その通りだ!ぼ、僕らは襲われたから抵抗したまでだ!そ、それにあっちやこっちをみろよ!だったらなんでこんなに人間が殺されているんだ!」

 そう言われフェンリルは周囲を見回す。確かに街道と思える場所は血の海。人間の血とハウンドドッグの血と烏の血。一番多いのは人間の血と死骸。そして人間の死骸にはハウンドドッグが襲った時についたであろう牙と爪の跡。

「おい、小僧!なにがあったか教えろ。」

「……し、知りません。ぼ、僕らが街道に出た時には既に血の海でした。」

「……だが、俺の眷属を殺したのはお前だ人間。」

「そ、そうです。それは謝ります。」

「で?俺に話しかけてなんなんだ?交渉でもするのか?……もっとはっきり喋れ!噛み砕くぞ!?」

 ビクリと一瞬震え、深呼吸をしてフェンリルの鋭い目をみる。

「今回は見逃してくれないか!?」

「見逃せだと!?」

 フェンリルは唸り前足を地面に叩きつける。

 叩きつけられた地面は抉られ、隕石が落下してきたクレーターのようになる。

「……ただでとは言いません。これに誓います。」

 キライは左腕を口の前に持っていく。

「小僧は馬鹿なのか?俺に腕を出してもな?」

「神話の通りであれば、かつてある人に騙されコレをされた。」

「そうだ!わかってて、俺の怒りに触れるな!!ふざけた糞ガキだ!」

「ま、待ってください。神話では騙したのは右腕を差し出したとのことでした。」

「だからなんだと言うのだ!!」

「ぼ、僕は左腕を差し出します。だ、だから今回は見逃してください。」

「……やはり馬鹿なのか?意味がわからぬし!これだけで眷属を殺した罪をそれだけで!!」

「お、落ち着いてください。これは担保です。あと、スレイブニル…これを解きます。それでどうですか?」

「おい、何様だ?お前ごときにこれを解くことができると!?舐めているのか!?」

「僕一人ではありません。ですが!ダナエとヴィットとなら!」

 誰だそれ?ヴィット……聞いたことのない名前だ。ダナエ……。ダナエとは。

「ふむ……。」

 少し考えるフェンリル。

いつもありがとうです!


明日もあげます♪


多分…お昼だと思います!


ノシ

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