Lärande och översyn<<学習と復習>>
―Lärande och översyn―
先に到着しているイローアとビロードが先に到着しているブレリュを目指す。
朝起床し、ヴィットは爪を加工し、糸を通して首飾りを作成する。
夢の中で触媒の使い方を学んだため、魔力を行使するために首へ。
ゲルンはまだ起床していない。
ヴィットは夢の中で教わったことを現実で復習を行う。
コップを水で満たし、夢で行った感覚を思い出しながら爪に魔力を込める。
すると、水面に薄い氷の膜が張る。
(…できた!…私本当に魔法を使えるように…)
そのまま触媒を握りしめ魔力を込める。
すると、室内が冷気で満たされる。
「…ふぅ…できた…」
「ふふふ、できたね♪おめでとう」
「…ルン!?…寝てたんじゃ…」
「狸根入り♪君が目を覚ます二秒前に起きてたよ♪」
「…その…あの…」
「なに?大丈夫気が付いていたから♪」
ゲルンにヴィットは契約したことを告げいろいろとゲルンに魔力の制御のコツを聞く。
ゲルン曰く、ヴィットの魔力制御ができていないとのこと。
まだ修行をつけて一日目ということを考慮すると十分すぎる実力なのだが…
ゲルンは基礎訓練が足りていないとの指摘を。
午前中はゲルンの魔法基礎講座が始まった。
みっちりと…ユキトの修行は実戦形式。ゲルンの講座は完全に知識的なものを。
まずゲルンはヴィットに対して触媒に関しての知識を与えた。
「君は触媒を単純な物として考えていないかな?まぁ、最初はそれで問題ないんだけど、契約のタイプでも精神的なつながりを意識できるようになれば、触媒がなくとも魔法を使えるようになる。触媒がなければ魔法を使えないっていうのは三流以下なんだよ?それに頼るのは最初だけ。」
「…ルン…言っていること…私には理解できない。…もっと簡単に教えて。…」
「ボクが伝えたいのは三つ。一つは触媒を物と考えるな。二つは触媒を使っていいのは最初だけ。三つはボクは君ならできると思っている」
「…触媒は…物…じゃない?…」
「そ♪触媒に単純に魔力を籠めてちゃ問題外。魔力を籠める際に契約している相手を意識しなさい。」
といったゲルンが指輪を外して魔力を込める。すると手のひらに白く小さな花が咲く。
「ボクも契約しているタイプって伝えたよね?触媒を通さなくてもこういうことはできるの。それにボクの指輪は触媒の模造品だしね♪」
「…じゃぁ…これに魔力を…込めるとき…相手を意識しろって…事?…」
「そゆこと♪」
そういわれ試しに爪に魔力を籠める。込める際には今までと異なり、ユキトのことを意識する。
すると、コップの水は氷結し、ゲルンの手のひらにあった花弁はガラス細工のように凍りついている。
ヴィットはさらに集中力を高めていく。室内は氷点下まで気温が落ちる。
「ヴィット!戻ってきなさい!!」
ゲルンの呼びかけに応じてヴィットは集中力を解く。
「…ごめん…」
白い少女は、ガタガタ震えながら、ベッドの隅っこで小さく縮む。
「大丈夫だよ?ここまですごいとは思わなかった♪さて、そろそろ出ようか?二人も待ってると思うし♪」
いつも通り黒いローブを被り、宿を出る。
今日は街道を歩く。昨日までとは違い、天候も曇りと陽を避けて歩く必要はない。
街道には多くはない商人や旅人が歩いている。
その中、ヴィットとゲルンも歩く。
街道とはいえ、女二人組で歩く光景は珍しい。
村娘であれば少なくとも男一人が付いていたり、商人であれば護衛も付く。
もちろん、盗賊等の危険な集団がいる。
森の中で、ある一団が街道を見張る。
ここらへんを荒らしまわっている盗賊団だ。
そして十数人の盗賊団の卑下た笑みが二人に向けられる。
「いい獲物が見つけたな。」
「奴隷として売り飛ばすか?」
「いや、まず俺らで楽しむしかないだろ?」
「でも、まで帰ってこないんじゃね?」
「商談は頭がいないと…」
「なるほど、頭が返ってくるまで俺らで楽しめるな」
「そういうわけでだ。」
盗賊団が欲望をく剥き出しに作戦を練る。
一団の大抵のメンバーはターゲットはたかが二人。作戦も不要と考えたが、現状の一団をまとめていた男が指摘する。『女のみで旅しているのは少し怪しい。』とそして念のため作戦を練ることにする。
街道の一部に崖になっている箇所がある。
そこで挟撃を仕掛ける三人が前から、三人が後ろから、そして四人は二人の間に割って入り分断、前後に見張りを一人づつ置き援軍注意する。
「てな感じかな?まぁ、俺はとりあえず頭が帰ってくるのを待つわ」
「おもちゃが壊れてても文句言うなよ?」
「俺の趣味じゃ無いわ」
そしてヴィットとゲルンは崖を通りかかる。
二人は違和感を感じ取る。
「ねぇ?向かい側から来た人って随分と来てないような気がするんだけど?」
「…ルン…でも…後ろの気配…ずっと一定…の…距離…」
「んー♪ボク達狙われてる?」
「…でも…なんで?…」
「大方野盗でしょ♪そりゃ若い女の子二人が街道歩いてたら声をかけたくなるんじゃない?ぱっと見ボク達狙いやすそうだからね♪」
「…金目の物…無いのにね…」
(奴隷としてボク達を売るつもりかぁ…ヴィットちゃんはそんなこと考えてないみたいだけど)
ヴィットはじっとゲルンを見つめ判断を待つ。
「よし、皆殺しにしよっか♪」
「…全員を殺す…意味は?…」
「恐らくこいつらは、最近この街道を荒らしてる盗賊団。んでボク的にはなんら恨みも無いけど、今ボク達を狙ってる。それ以上に必要?」
「…んー…何も金目の物狙ってきてるだけでしょ?」
「じゃ♪こうしよう。金目の物以外を狙ってたら皆殺し…違ったら、そうだなぁ半分を残す。これでどう?」
「…金目の物以外?…ルン何を…考えてるの?…」
「いいからいいから♪あ、まだ魔法使って戦ったらダメだよ?」
「…わかってる…まだ…使い物にならない…でも試してみたいこと…ある…」
「じゃ〜最後の一人になったら使っていいよ♪」
と話しながら足を進めると向かい側から大きな荷車を引いた四人が歩いてくる。
わざとらしくヴィットとゲルンを割るように…
すると荷に隠れてた人がわらわらと現れ二人を囲む。
お見事と、感心しつつゲルンは一団を眺める。
「えーと♪ボク達に何か用でしょうか?」
「武器を捨てて、金をだせ!!」
「こんなところで死にたかねーだろ?」
(…やっぱり…金目の…)
「…ルン?…私の…言ってた通り…」
ゲルンは要求を伝えてきた男に対して尋ねる
「お金を出したら皆様はいなくなるんですよね♪」
「いやいや…そんなわけ無いだろ?俺らはお前らで楽しませてもらう!」
「ヴィット!!ボクの言う通りでしょ?」
嫌に冷静な二人を見て一人が怒鳴る
「何ごちゃごちゃ言ってんだ!?ぁあ!?」
二人にはそんな怒鳴り声すら聞こえていない。
「…楽しむって?…」
「ボクが後で教えてあげるから♪皆殺し確定♪」
ゲルンは構えを取ると指輪が輝き、手足が武装される。
ヴィットは若干納得いかない素振りを見せるが、いつものようにナイフを構える
盗賊団はというと、違和感を覚えながらも思わず笑いだす。
…が彼らの笑い声は間も無く止む事になる。
ゲルンが魔法を行使した時点で盗賊は警戒を強化し、武器を握りしめる。
彼らの判断は間違っていた。
何故なら相手がか弱い二人組では無いと悟った時点で逃げるべきだった。…逃げ切れるかは別として。
ある盗賊団は結果、大打撃を受けることとなる。
いや、訂正しよう。壊滅する事になる。
わー…時間がかかってしまった…
まだまだ頑張ります!