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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
81/116

Jag gör det<<やりたければ、やればいい>>

Jag(ヨー)r(オー) det(ェット)


 ヴィットはダナエに言われて酒場の前で魔法陣を書いていた。かなり複雑怪奇な形状をしており、全体を見るためにかビローア、マスターとカザリスは酒場の屋根に上がり観察している。周囲の住民も物珍しくそれを見ている。

「…右上のあの陣が神話をあわらわして……んで、ここの陣が……。」

「あ、待ってください。あっちの三角形のは……?」

 マスターとカザリスに関しては観察というより解説のようだが。

「いやいや、こっちも準備とかあったからちょうど良かったかな。もう少し待ってくれたまえ。キライ君は、……いや、めんどいキライは馬に乗れるかい?馬は好きかい?好きだよね?ね?あ、あと魔力は多少あるみたいだね。君の場合はその魔力を何かに使うことはしてないみたいだけど。使い方を習ったことは?教えてくれる人はいたの?」

 ヴィットはダナエに指示されたとおりに地面に書き上げて疲労感からため息をつく。よそに後ろではデプロやキライ、ダナエは構わず悲しを続ける。とりあえずで彼女は近くによって話を黙って聞く。

「は、はい。人並みには乗れます。ま、魔力ですか?……て、適性はないって言われましたけど……。あ、あるんですか?ぼ、僕に!?」

「あー……そんな嘘ついたことあったな。しまった……完全に忘れていた。まぁ、なんだそいつの言うとおりだ。お前にはちゃんと魔力がある。」

 デプロも一足遅れて到着し、後頭部を掻きながら後ろから少し気まずげに声をかける。

「おじさんの采配か……。ねぇ、おじさんこの子には魔力の使い方は意図的には教えないでいいのかな?ついてくるなら、多少なりとも勝手に身につくとは思うけどさ?それでもいいの?」

 彼は首を横に振る。そもそも自身が魔力を持たないためどう教えればいいかわからなかったが本音らしい。教えることが可能であれば教えてやってほしい。が彼の本心だった。

「こんな見たこともない魔法陣をかけるんだ、ただの占い師ってわけじゃないんだろう。できれはこいつに教えてやってくれないだろうか?」

「んー……。それは基礎ではなく?ちゃんとした魔力の制御ってことかな?」

「ああ。もちろん、キライの意思次第だがな。」

「困ったなー。私は人に教えるって知らないからどうなるか知らないよ?」

「お、お願いします!ぼ、僕はこのまま、ただの荷物にはなりたくないです!」

「はぁ……。ヴィットはどう思う?」

「…知らないよ…そんなの…」

「まぁ、旅しながらでも遅くはないからねー。基礎は勝手に覚えて。物足りなかったらその時頭を下げてきなさい。デプロも、私が何者かわかってないんだから頼まない。どうする私が人外の身だとしたら?それでも私に教えを乞うかい?」

「……俺の直感だが、ああ。それでもいい。あんたなら大丈夫だ。任せてもいい。」

「困ったな。そこまで見ず知らずの私にそんなこと言うなんて。本人の意思次第で私はおしえよう。まー、なんだ。面白そうでもあるからね。人に教えるの。」

 ニヤニヤと若干怪しげな笑みを浮かべてキライを見る。デプロはびくりとしながら、それでも構わないと頭をさげる。自身が魔力の使い方を教えれなかったのが本当に心残りだったようだ。彼はそれの制御を覚えるだけで格段と力を増すだろう。ヴィットもそれは思った。魔力を持たない彼が技術のみでオーガと対等に戦っていた。自分のように生きるために仕方なくではない。誰かに鍛えられ、それにこたえる為であろう。だが、なにを彼をそこまで動かしたのか気になっていた。キライに聞こえないように、誰にも見られないところでつぶやいた。


「…でも…やりたいなら…やればいい…」


 太陽も落ち、空が蒼色と緋色に埋まる時、どうやらダナエの準備も終えたようだ。ヴィットの書いた魔法陣に魔力を注ぎ込む。

「さて、いい頃合いだ。二人とも準備はいいかな?エフトレットまで、多分二日くらいかな。その間は彼等のお世話になる。自分の相棒だね。そのつもりでねー」

 地面の魔法陣に魔力が満ちたところで他に二つの魔法陣が浮かび上がる。一つは蒼い空側に緋色の魔法陣、一つは緋色に染まった空側に蒼い魔法陣。地面の魔法陣は翠色に。そして全ての魔法陣が重なり合うと激しい光を放つ。そして彼女は祝詞を上げる。


 緋の紋章、蒼の紋章、翠の紋章、


 重なりて天の紋章を示す。


 昼と夜、太陽と月、光と影、表裏一体、


 交わることのない境界の最果て。


 汝、我との契約により夢から顕現せよ。



お楽しみいただけましたか?


次は金曜日♪



よろしくです


ノシ

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