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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
78/116

Disposition av ärendet<<一件落着>>

―Disposition(ディスポション) av(ァブ) ärendet(アーランダット)

 オーガは構わず拳を振りぬ……。

 流石に……。これは助からないだろうな。せっかく命を救われたのに。何もできなかったな。恩返ししたかったな。……あれ、オーガの拳はまだかな。さすがに覚悟したって言っても……。そんな、痛みも感じないまま僕は死んだのか?

 キライはそう考えて、恐る恐る目を開き状況を確認する。拳はまだ来ていない。オーガの拳はキライを打ち抜くことは無く頭を押さえている。何が起こったのだろう。デプロが助けてくれたのか?いや、さすがにまだ早い……。すると聞き覚えのある声が。



「…まったく…私は別に…見るだけの…つもりだったのに…」

(クスッ、ボクはこうなるんじゃないかと思っていたけどね。)

 投擲用のナイフが目に突き刺さる。多少の衝撃だけであればそのまま怪物は拳を振りぬいただろう。そして彼女の今の力だと痛みを感じやすい部分に攻撃を与えるしかない。もし振りぬいたとしても軌道を変えられる可能性の高い目へ正確に。

「あ、あれ?ぼ、僕まだ生きている……。」

「…キライ…君は…お人好し…まったく…」

 君は命を大事にしなければいけない。自分の命を第一に考えなさいと説教じみたことをいって援護は任せなさいと彼女は強く言い張る。呆けた表情をしながら助けてくれた彼女の前に立つ。

「ぼ、僕は男として、き、君に守られっぱなしなのは……。だ、駄目だと思うんだ。」

 少し格好つけた彼は双刃刀を両手で持ち肩に乗せる。異様な構えだ。それに合わせてオーガが棍棒を拾ってそのまま振るってくる。振るってきた棍棒を構えた双刃刀の前に出ている刃で絡め捕り地面に落とす。そして刃の先端を支点にして体を回転させてオーガに近寄る。そしてヴィットは援護としてナイフを投擲する。残りのナイフを逆の目を狙って投擲する。投擲したナイフの全てが目に飛んでいき、そのすべてが的を射抜く。突き刺さったオーガは棍棒を手放しあとずさり目を左手で抑える。その目を押さえた左腕に刃を突き立てる。そこにヴィットは現状できる限りの速度で走りキライを踏み台にして高く飛び空中で逆さに姿勢を替える。すると腕に突き刺した双刃刀の端に氷の板が形成される。同時にヴィットの飛んだ先にも氷の板が生成され、それを足場にして彼女は加速して飛び降りてくる。その勢いで双刃刀の端に形成された板を踏み抜く。刃は腕を貫通しオーガの脳天に突き刺さる。最後の一撃を加えながら思った。キライには自分が援護とか言い張ったくせに最終的には自分で手を下している。あとで誤らなきゃ……。

「…シュー…助かる…。」

 キライは彼女の素早い動きに驚きながら感謝を述べる。すると後ろでデプロが何かに腰掛けてニヤニヤしながら拍手していた。

「…まったく…人が悪い…それに…格好付け…」

「そんなこと言うなよ!心配で念のため見に来たんじゃねーか!」

「…そう…?…ゴブリン…助けた時…手を出す気が無かったでしょ…」

「ま、それはお前が手助けする気満々だったからな。」

(いつから見てたの?この親父さん。)

「…ずっとだよ…あっちの…オーガ…一瞬で…片付けたんでしょ…」

「そ、そうなの!?」

「…そうだよ…私が…助けに出れなかったら…あの人が…助けてくれた…だろうね…」

 ヴィットはデプロの腰掛けているものに指差しジトッと睨む。彼は彼でそんなに睨むなよと諌めてくるが……。キライは一番疑問に思っていたことをヴィットとデプロに尋ねる。なぜヴィットがこの場にいるか……。それを説明するデプロだが、キライは完全に固まっている。自分は尾行されていたのに一切気がつかない上、人前では晒さない自分の剣技を見せた。恥ずかしくて真っ赤になっている。ヴィットはキライに欠点を複数伝える。

「あ、ありがとうございます。も、もうデプロさんは教えてくれないし……。た、助かる」

「経験を積まないとお前が成長しないからな。で、どうだ?こいつそこそこやるだろ?」

 彼女は考える。戦闘のスタイルは基本的に自分と似通っているため、連携は取りやすい。――が、彼は優しすぎる。

「デ、デプロさん?なんだって?」

「ああ、お前の腕前を見てもらったのはな、お前にお使いをお願いしたいんだよ。それでな、運良くそこのお嬢ちゃんが行くからな、同行してくれないかって頼んでたんだよ。お前が嫌だって言わなければ行ってこい。……まぁ、お嬢ちゃんが今の腕前を見てノーと言わなければだな。」

「…夕方…出発する…人と対峙する時は…君は下がっていてくれるなら…」

 そう言い残すと彼女は先に酒場へ向かう。


「…シュー…ありがとう…」

(援護の事?礼には及ばないさ♪)

「…違う…戦う時…魔力…私にくれたでしょ…」

(なんだ、わかったの?)

「…身体が軽くなったからね…でも…もう大丈夫…私は…魔力を使わないで…闘えるようにならなきゃ…」

 森で一度彼女は止まりリームシュークの頭を撫で肩に乗せる。せめて少しでも休んでと伝え、再度歩を進める。ウヴァとの再会を楽しみにしながら家に。

更新完了♪


次は土日のどっちかに!!


ノシ

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