Uppvaknandet<<目覚め>>
―Uppvaknandet―
朝目が覚め階段を上るとダナエとイロードは昨日話ししていた机で眠りについていた。少し呆れながら片付けをしているビローアに挨拶をする。
「おはよう御座います。二人は完全に潰れてしまっているようです。とりあえずあそこに放置しておいて良いですから、キライさんに薬を飲ませてきてくれますか?外傷はゲルンさんが全部治しましたので、もしかしたら目を覚まされてるかもしれません。」
「…わかった…」
二階へ上がりキライを泊めている部屋にノックすると、少年が返事する。
「は、はい……ど、ど、どうぞ。」
「…あ…目覚めたんだ…」
「え、ええと……ヴィットさん!?あ、あの僕、なんでここに?」
「…覚えてない…?…」
少しうつむいた後思い出したのか、声を荒げる。
「く、黒い骸骨が!……でも、ぼ、僕が無事でヴィットさんが部屋に入ってくるってことはヴィットさんは無事だったんですね。」
「…?…普通…そこ…まず…自分の心配じゃ無い…?…」
呆れた顔をしながら起きたのであればと薬を渡す。薬というよりはゲルンの調合した栄養補給剤だ。意識を失ってものを食べられない彼を死なせないために作ったものだ。
「…デプロ…に伝えてくる…」
「……ヴ、ヴィットさん!あの、ありがとうございました。」
薬を受け取ると頭を深々と下げる。彼女は少し照れ臭そうに手をひらひらと振りながら部屋から出て掃除していたビローアに起きたことを伝え、足早に外へ出る。するとそこへリームシュークが肩に乗ってくる。
(おはよ。ヴィット。今日はなんか機嫌良い?魔力なくなってるのにね?ね、いつエフトレットにいくの?)
「…おはよ…そんな…ことない…あれ…?…シュー…聞いてたの?」
(だって、陽が出てるのにだるそうじゃないよ?ああ、ヴィットが眠った後に一度酒場に上がったんだ。イロードが言ってたよ。)
そう言えば、と眩しい太陽をみる。これも魔力が無くなっているからか、少し体が重たい感覚はあるが、陽の光で体力が奪われていく感覚は一切無い。そしてリームシュークが部屋から出て行ったのに何も気がつかなかったと思い気が抜けてるなと自身に喝を入れてデプロの元へ向かう。
彼は詰所には居らず兵舎にいた。彼は早朝の鍛錬を行っていた。それを邪魔しないように気配を消して眺める。そして想像以上の腕に驚きを隠せない。こんなに出来る人だったとは思わなかった。魔力を失っている今、身体能力が落ちてることを鑑みると勝てるか脳内で戦ってみる。何度か繰り返すと勝てることはあったが、勝てても辛勝だった。
「ん……?あ、うっす!キライが目を覚ました?ああ、たすかったか。」
厳つい顔が一瞬優しい表情を浮かべ頭をさげる。そして、彼は彼女に手合わせを求めてきた。自分が現在魔力を失って弱体化していることを伝えるが、彼はそれくらいのハンデが無いと自分の鍛錬に成らないと言っていたが……。彼女としても自分の能力低下が想像通りの域であるかそれを確かめたいと思っていた。おそらくここらで一番強い相手と手合わせをするチャンスでもある。
「とりあえず、殺す気でこい。それくらいじゃ無いと勝てると思うな!」
そう言うとデプロは長刀を両手に逆手に持ち姿勢を低く構える。それは先ほどまで訓練をしていた時とは違い、異様な構えだ。彼女もナイフを両手に持つが、構えは高く素早く反応するために自然に膝が曲がっているくらいだ。先手を打ったのはデプロ。低い体勢から素早く斬り上げる。それに対して彼女の反応は遅れを見せてしまう。能力低下により反応速度にも遅れが出ているようだ。右手に構えていたナイフが高く弾き飛ばされる。それと同時に後ろへ飛び距離をとる。左手のナイフを逆手に持ち替えそして相手の懐に入る。デプロの装備は長刀、武器の長さを考えてゼロ距離をとろうとするが、彼はそれを見越して手首を返し、懐に入ってきた少女の肩を狙う。少女は低く沈み、その長刀を回避する。回避した瞬間彼女は地面に伏す形になる。
「獲物の攻撃可能な範囲をつくのはいいが、武器は手に持ってるものだけとは思わないことだな。」
彼女に何が起こったかというと長刀を回避した際に膝が彼女の顎を撃ち抜いた。それは見えていたのだが回避行動な間に合わず易々と攻撃を食らってしまった。
「さて、手合わせ感謝だな。久々に緊張したぜ。」
彼をよく見ると戦闘後、汗が吹き出るように出ている。本気だったということか、集中を解いた瞬間から滝の様な汗が吹き出ている。
「キライの奴が倒れてると俺と手合わせしてくれるやつなんか居なくてな。」
首をかしげながらデプロの話を聞く。彼は剣の腕だけを見るとかなりのものらしい。ただ、性格のせいか戦闘となれば力を発揮する前にやられてしまうようだ。相手が人間だと勝ったことも少ないらしい。経験を積めば何とかなるようと思っているらしいのだが、この領地ではそんな経験を積む事はなく、いまに至るようだ。
「あ?キライがどれくらい強いか?そうだな、全力を出し切れれば俺も敵わないぜ?……疑ってるな?あいつの訓練を見ればわかるぜ。何せあいつは天賦の才がある。性格が共わないのが残念だがな?」
そう言われると帰路に立つ。綺麗に顎に入ったせいか若干のふらつきがある。
(あのおっさん実力半端無いんだね。いや、驚いちゃっだよ。イロードとか、ビローアとか、ゲルン、そして君も含めて人の域を超えちゃってるから比べちゃうとあれだけどさ、魔力持たない人間であそこまでいっちゃうのはすごいよ。)
素直に彼女は頷くが魔力の無い自分の実力に落胆していた。国の兵士には遅れをとらない。そのつもりだったが、いとも簡単にまけてしまった。あれが戦場であれば命は無かった。そう考えると魔力が早く戻らないかそれが気がかりだった。
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ノシ




