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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
5章 過去
72/116

Mer än ljudet<<音を超える>>

Mer(ミェ) än(ェン) ljudet(ジュエット)

 全く困ったものだ。目の前にいる海賊は傍目では震え命乞いをしている。そのくせ内心では私を殺すのを諦めていない。私としては相手の事なんか一切知らないのだが……。暗殺の命令に関してもそうだ。自分にはそんな事される筋合いなんてない。友好関係にある国との政略結婚だから向こうとしては破談させるのに意味は一切無いのだ。まぁ、この結婚が、無くなれば私としては何度かしか顔を合わせた事の無い相手と結婚しなくて済むのだが……。私は普通では無い。力の事を除いても一国の皇女だ。それは何をどう視点を変えたとしても変わらない事実だ。

 深いため息をついて相手の海賊の前に立つ。するとテオが椅子を持ち彼女を座らせる。

「さて、元王国騎士。あなたの名前を聞いてもいいかしら?」

「だ、だれが!殺すなら殺せ!無残に殺すんだろ!?あいつらみたいに!」

「そ。アリル・フェスタね。あなたがまだ暗殺を諦めていないのはわかってるからそんな演技必要無いよ。別に自分以外の事なんかどうでもいいって考えてる貴方なんか助けてあげないし、用が済んだら殺してあげるから安心して。」

「……アリルなんてしらん!!」

「はぁ、元王国騎士の癖に察しが悪いなぁ……。アリルは君の名前だろ?あ、大丈夫。別に国に売られたわけじゃ無い。私が少し特別なの。話しててわかるでしょ?そ。君の考えている事は私に全部筒抜けなの。え?そんなわけないって?いやいや、私が一人で喋ってると思う?あははは、その反応はもうなれたよ。気持ち悪いなんてそんな言葉いろんなところで言われてるからね。元とはいえ騎士か。国からの依頼は絶対か。なんで裏切ったの?あ、まぁそれに興味はない。貴方に聞きたいのは貴方以外にもまだ私を狙う刺客がいるかどうか知っているかどうか。もうエフトレット領に入るから大丈夫だとは思うけど念の為ね。そ。貴方以外にもいるの。鉄砲隊??ああ、それはもういいの。貴方の前にすでにあっているから。その他は?……ふーん。他のは断られてるんだ。さすがエフトレットの民だね。まぁ、それでも相手を選べば依頼できたと思うのにね。貴方の依頼主は相当無能なのかしら?」

 その一言に表情が動く。大した忠義心だ……が。

「だめだね。そこで私を睨んじゃ、私以外の人も貴方がただの海賊船長とは思わなくなっちゃうよ?まぁ、ここにいるみんなは私の事、気持ち悪いとかそういう風に思わないから、一緒にいたいと思ってるんだけど。私の言うことを信じてくれるしね。」

彼女は早口に話をしながら目を見る。

「ウヴァ様。そろそろエフトレット領に到着します。」

「あ、ああ。ありがと。えっ?そうなの?エフトレット領に密航した奴がいるの?ありがとう。じゃ、ラマテガ彼の事はお任せします。」

 その情報を得たウヴァはそう言い残してラップの元へ行く。彼女が得た情報。狙撃手がまだいるということだった。狙撃と言えばラップと同じような仕事内容だ。もしかしたら彼女が知っているかもと……。彼女の答えは残念ながら知らないとのことだった。

「困った……。せっかく自分の国に入るのに、まだ気を抜けないの?どれだけ私を殺したいのよ。」

「政略結婚が邪魔なんじゃないか?あんたの能力ってバレてんだろ?それならあんたが政治に口出ししてきたらとか、考えたら危険人物だもんな。是が非でも殺そうとするぜ?」

「どうしたらいいと思う?」

「まず、次の狙撃に気をつけなきゃね♪」

「次か、どこだと思う?」

「おそらく港だと思います。僕であればそのタイミングで狙いますね。」

「…んー…どうしよ…」

「ま、なんとかなるでしょ♪ね?No.7(スー)。」

彼女はそう言われため息を吐いてしぶしぶと笑ってうなづく。


 小一時間経ったところで船は風に乗り無事に港へと到着する。ライカンロープとラップ、そして孤児院のメンバーは警戒しながら船から降りる。最後にウヴァが下船する。彼女を守るようにライカンロープ達が周りを囲う。そして港町から出たところで事は起こった。凶弾に一人倒れる。その後弾の飛んできた方向にNo.22(チュブトーヴァ)が殺気を放って立つ。今までに無い位に気が立っている。港町にいる海鳥が全て飛び去る。ウヴァの横にいたライカンロープの体毛が逆立ち危機を感じ取る中には逃げ出したくなっている者もいたが、彼らは気合で乗り切る。

「…許さない…ラップ…手をだすな…」

「私もむかついてる。逃がすくらいなら手を出させてもらう!」

「…黙れ…私が…やる…」

 ラップが自分のライフルを取り出し弾を籠める。

「新しい仕事先をつぶされてんだ!逃げ出すまでだ。それ以上は待たない!」

 ナイフを構えると……。その瞬間弾丸が飛んでくる……。彼女の頭の中にはすでにイメージがあった……。何度も船の中で試していた。試行錯誤の結果だ。弾丸と同じ速度でナイフを動かす。弾道をなぞり他の方向へそらしナイフへの衝撃を逃すために自身を回転させる。その回転の勢いを利用して風のように飛んでいく。No.7(スー)の受けた狙撃の比ではない距離を彼女よりも速く音を超えて駆け抜ける。

お楽しみいただけましたか?


相変わらず表現方法が前と変わらない気がしますね……。


次回は水曜日♪


ノシ

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