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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
5章 過去
71/116

Lycanthrope armé<<人狼の軍隊>>

―Lycanthrope(リンカンローペ) arm(アーミェ)é―

 海賊の襲撃はそれなりに激しいものになるはずだった。通常の商船だったのであれば一方的な略奪。生存者は残さない。生き残りは奴隷といった()になる。No.18(アートン)は船長を生け捕りにして大声を張り上げる。

「おい、お前ら!とりあえず他はどうでもいい!殲滅だ!全滅させろ!」

 怒号と共に殲滅戦が始まる。先ほどまではあくまでも防戦だった。船に乗り移ってきた海賊のみを殺していた。No.18(アートン)の一声で攻めに転じる。ラマテガは一人敵船に乗り込む。乗り込んだ後、彼以外のライカンロープは静かに見ることしかできない。船の状態はというと紙のように人が飛んで出る。ラップはそれに気が付いて楽しげに的当てを始める。自分の実力を少しでもアピールすべくアビンザに飛ばされた海賊を着水する前に撃ち抜く。No.18(アートン)No.7(スー)、そしてNo.2(トヴァ)はそれをみて素直に感心する。正確な射撃、高速の次弾装填。実質相手の海賊を二人で相手をしている。……船室に向かおうとした海賊に関してはNo.22(チュブトーヴァ)が翻弄している。一人を倒した後は遊ぶように6人をおもちゃのように遊ぶ。外敵で遊ぶ趣味は無いがライカンロープとラップがやる気満々なのでそれを見学しながら手を抜く。決して逃がすと言うつもりはなく、逃げようとした敵にナイフを投げ退路を塞ぐ。

「…残念だけど…逃がすつもりもない…まだ…殺さないけど…」

それを聞いた一人は自決をする。それを彼女は止めようとするが仲間に阻まれる。

「全部をお前の思い通りなんかにさせねーからな!弱くとも立派な海賊なんだよ!」

「…だから…?…私だって…見せ場くらい…作ってあげたりするの…」

「何を言っている!?」

 彼女はどうやらアビンザに残しているようだ。それもそうだ。ラマテガとラップがやる気満々という状態。彼の見せ場くらい少しでもないと……と思ったのだ。5人の海賊は逃げることも許されず、進むことも許されない。それでも彼等は必死になりふり構わず戦う。彼女が攻めてこないのをいい事に全員で囲み剣を振り下ろす。それを少女は右手で武器の軌道をそらし、同時に左手のナイフでも剣の軌道をそらす。目にも留まらないとはこの事だろう。彼等の武器は空を切り、甲板に突き刺さる。

「…残念だったね…アビンザ…あとはこれしか残ってない…」

「……仕方ない事だ。親父が、いや族長がやる気満々だったんだ。あの人は前線で活躍しているのだろ?」

「…まぁ…ラマテガと…ラップが…張り切り過ぎ…」

 まあいいとつぶやき5人の前に狼男が立ち、そのまま甲板に突き刺さった剣を引き抜き海賊に渡す。

「全員でかかってこい!先手くらい取らせてやる。が、俺の命を初撃で盗れなかったらお前らの命、喰らってやろう!!」

 1人のライカンロープが咆哮を上げる。恐怖に駆られた海賊は竦み、その場から動けない。

「……?なんだ、海賊って言うものは蛮勇を好むのではないのか?期待外れだな。こんな臆病者だったとは!!お前らなど腕を使う必要もない!……なんだ?これでもハンデは足りないのか?ククク……。」

 罵り蔑み挑発し笑い声をあげる。そしてそれでようやく海賊たちは攻撃を仕掛ける。全員で手を出す間も……いや、足を出すことすらなかった。彼は攻撃を避け、尾で武器を持つ手を弾く。悲鳴とも聞こえるうめき声をあげる。武器を弾いたのち鳩尾に尾が突き刺さる。……尾は鋭く五人の人間が串刺しになる。

「手ごたえのないやつらだな。尾応え……か?」

 後ろでNo.22(チュブトーヴァ)が拍手している。

「…アビンザ…そんなこと言うんだね…」

 煩いと言って彼は尾から突き刺した海賊を引き抜く。元々、赤黒い尾は血の色でさらに色濃くなっている。そして船のほうに向かい族長であるラマテガが戻ってくるのを跪いて待つ。こちらの船にいる敵はもう船長のみになっているため危険はない。それに追従してほかのライカンロープ達が列を作り同じように跪く。

「おお、すげぇな。コレ。」

「本当にすごいね!まるで軍隊だね!そして、すごい海賊船だ!」

 No.18(アートン)はそれを見て目を丸くする。ウヴァは船酔いが収まったのか船室から出てきてラマテガ達の物となる船を見る。そこへ彼が船の奥から出てくる。

「おお、ウヴァ殿。血なまぐさいと事をお見せしてしまって。」

「ラマテガさん。言葉遣いが目茶目茶。」

「うむ。一応目上になる相手だからな一応考えてみようかと。」

「いや、いいよ。私としてもね。」

「それは助かる。俺もそういうの苦手だからな。いや、俺らか。」

 話半分にウヴァは船長を探す。探すといっても彼女が見たことない相手は一人しか生き残っていない。ガチガチと歯を鳴らしている。俺をどうするとか、俺の命だけはたすけてくれとか、喚いている。

「ふふふ。どうしようもないね。あなた喚いていることと考えていることは全然違うもの。元王国騎士は違うね。まだ私を殺すことを考えてるのね。」



お楽しみいただけましたか?


過去編はあと少しです♪


次は月曜!お楽しみに


ノシ

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