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dans<<舞>>

dans(ダンス)


 パシャッ…パシャパシャ…。

(…ん?…何の音?…ルンは?…)


 契約を済ませ、何かの物音で目が覚める。一緒に寝ていたゲルンがいなくなっていた為、付近の気配を探る。

 外に気配を感じる。ゲルンと、他の気配が四体。

 ゲルンの加勢に出ようとログハウスから出ようとするが、扉は開かない外の様子を窺う。


「人間の言葉が通じるかわからないけど、ボクは今とっても不機嫌だよ?今すぐ消えなさい」

 ヴィットに腕枕をして寝顔を堪能していたゲルンはとても不機嫌になっている。


 ゲルンは四体のリザードマンと向き合っている。


 大きなトカゲが二足歩行し、内の二体の手には二股の矛と盾を、残りの二体は両手で大剣を装備しゲルンを囲みかかっている。

 ヴィットは見てることしかできない。


 ゲルンは構えをとる。

 左手には二つの指輪。薬指の指輪が輝くと利き腕に土がまとわりつきいて手甲が出来上がり、利き足にも同じく土が装備される。

 そして人差し指の指輪が輝くと片腕片足に植物が巻き付きコーティングされる。

 左手と右足は攻撃の為に武装され、右手と左足は守備の為に武装される。



 リザードマンはそれなりに知性の発達した亜人で、魔法という存在を認識している。彼らは目の前にいる人間が魔法を使えると警戒する。


「なにかかってこないの?じゃボクからいくよ♪」


 リザードマンはゲルンの周りを一定の距離を保ち、旋回する。

 相当練度の高い動作で統率がとれ一斉に行動をとる。


 一斉の攻撃、前後から突きが、突きの軌道に合わせてゲルンは回転し、左右から大剣が振り下ろされる。

 が、ゲルンにいなされて加速した大剣は空を斬り水面に直撃して水しぶきが上がる。


 牽制と一斉攻撃は続くがなかなかゲルン自ら攻撃には転じない。

「ボクには当たらないね♪なんでかな?」

 ゲルンは多数の魔法を使いこなし、それに拳法を組み合わせて戦う。


 ゲルンは花を用いて戦闘を煌びやかに飾ろうと心掛けている。

 彼女は相手の攻撃に合わせて楽しそうに舞う。


 相手の攻撃を見切り、相手の武器が掠るか、掠らないかすれすれの間合いで避け続ける。


 ゲルンは戦いの計画を立てる。

(さて♪ヴィットも目を覚ましたみたいだから、片付けようか♪ヴィットに見てもらうのは嬉しいもんね)


 赤い花弁を、次に緑色の花弁を、次に青い花弁を、そして真っ白な花弁を、最後はきれいに飾ろう。

 そう計画を立てた後、行動を開始する。


 右からリザードマンが飛掛かってくる。

 頭上に大剣を構え、振り下ろすのみにする。目の前の敵は簡単に攻撃をかわしてくる。

 この回避能力にはそれを超える攻撃速度だと考慮した。

 すると目の前の人間が今までと異なる力を行使する。

<<Papaver(パヴァ) rhoeas(ロイズ)(雛芥子)>>

 人差し指の指輪が赤く輝く。すると赤い花が掌に咲く。

 すると大剣が水平に薙がれるのに合わせてクルリと弧を描いて回る。

 同時に花弁が舞う。その瞬間ゲルンの遠心力の乗った蹴りが大剣を持っていたリザードマンが吹き飛ぶ。

「まず、一匹目♪」


「つぎは誰かな♪だれでもいいんだよ?」

 一匹の仲間が吹き飛ばされたことに激昂する一体が襲い掛かる。

 長い腕を最大限に生かした突きが飛ぶ。その突きはゲルンの右手が受け流し加速させる。

<<Campanula(カンパニュラ) rotundifolia(ルートディフォラ)(糸沙参)>>

 そして指輪が青く輝き体に掌底が入る。掌底には魔力が籠って体に衝撃が走る。衝撃が駆け抜けた所に緑色の小さな蕾が生える。

 リザードマンは必死に払うが、効果はなく、リザードマンの水分を吸い取り蕾は少しずつ大きくり、次第にリザードマンが衰弱していく。

「うし、二匹目♪何体いても君たちには負けないよ」


 ゲルンは祈るように屈む。

 隙だらけなゲルンに向かって正面に立っていたリザードマンは前に出る、が。

<<cikoria(チコリア)(菊苦菜)>>

 大きな青い花が前に出てきた彼を包み込み、花弁が散り姿を現した、リザードマンが真っ赤に染まり膝をついている。

「三匹目だね♪」


 ダウンしていない最後の一匹を見つめ笑みを浮かべる。

「きみが最後だね♪まぁみんな死んではいないけど、逃げる?逃がしてあげるつもりは一切無いから安心してね♪」

 ダウンしていない最後のリザードマンは態勢を低くとり、警戒しながらも飛び込む。

 魔法を使用してるのは気が付いている。距離をとっていてもあまり意味をなさないことまで理解している。

<<Liljekonvalj(リリーコヴァン) (鈴蘭)>>

 左手を前に伸ばし、大きく右に回る。一面に真っ白で小さな蕾が咲く。

 小さな蕾は強力な毒を持ち、周囲にいたリザードマンの体力を奪っい彼の全身は麻痺していく。


 追い込まれたリザードマンは決死の特攻をかける。

 最後の力を振り絞り、彼らの最大速度で…


 ゲルンは重心を後ろへ移動され攻撃に合わせて舞い始める。そして…全てのリザードマンを引き寄せると。

<<Blomma(ブロマ) begravning(ビローヴィン)(花葬)>>

 ゲルンは高く宙を舞う。今まで敵に攻撃していた花弁が同時に宙を舞う。


 辺りは花の香りに包まれ、ゲルンは跳んだ勢いをつけリザードマンを片付ける。踵落とし、回し蹴り、手刀、掌底打ち。みるみるうちにリザードマンは屠られ、一箇所に飛ばされていく。



 辺りは花弁が宙を舞い、ゲルンの武装もいつの間にか解除される。


 同時にログハウスの扉も開くようになり、ヴィットはゲルンに近寄る。

「…ルン…お疲れ…気がつかなくて…その…ごめん…」

「いいんだよ〜♪ボクはヴィットが起きないように動いただけだからさ♪疲れも取れて日も暮れた。先に進もっか♪」


 ゲルンはニコニコと笑いヴィットを抱き寄せ旅の続きを始める。

戦闘シーン難しいですね。


経験値が溜まって書けるようになったら改稿したいです。

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