表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
5章 過去
66/116

Störningar<<妨害>>

―störningar(ストーリガー)


森の中を探索するアビンザと一緒に一人同行する一人がいた。

それは黒いローブを被った白い少女。

アビンザは匂いでNo.7(スー)の足取りを追う。

追従している少女はとても不機嫌そうだ。

イライラしながらライカンロープの後を周りに捜索対象の仲間がいないか気を張っている。所々に戦闘の痕跡が残っている。囮になったNo.7(スー)を襲撃して返り討ちにされたであろう死体が何体も見つかっている。

今のところだが、彼女が怪我を追っているような痕跡も今のところ見つかっていない。

見つかればそのまますぐに戻ってウヴァの警護に当たりたいと焦っている。彼女が感情をあらわにするのは珍しいことだ。言われたことを単純にこなす。それが彼女のスタンスであり、見せたとしても心を許している一緒に行動をしている三人の前だけである。

そして彼女自身No.7(スー)の心配などしておらず、無事を確信している。

なんせ自分よりも強いと信じている相手だ。本気で戦ったとしても勝てないと思っている。

そんなNo.7(スー)が誰かに負けるわけがない。自身の力を過信している訳ではないが、そこら辺の兵士はもちろんだが化物や魔獣にも負けることは無いと信じている。そんな自分が信じている相手だ。そんな相手の捜索なんて無駄な話だ。今回待ち合わせにした場所にNo.7(スー)が来なかったのは追撃の手が想定よりも手練れだったからだろう。それを引き離すために待ち合わせの日時に来なかった。それを探し当てて自分たちが行ったと足を引っ張るだけが。せっかくの彼女の行為に叛くことになる。そんなことはしたくない。


「…アビンザ…」

「匂いは向こうに向かってる!大丈夫だ、今の所はあいつが怪我した様子もない。」

アビンザは少女の話も途中に匂いのする方へ走り出す。

彼女が苛立っているのにはコレもあった。一緒に行動しているライカンロープは独断専行している。彼女がなにを言おうが取り合うつもりはないようだ。

もし彼女に追いついたとすれば、逆に足を引っ張りかねない。彼が捜索と少女の同行を許したのはおそらく妨害をするためだろう。



3時間前……

No.22(チュブトーヴァ)!アビンザについていけ。」

「…いやだよ…」

「おまえな……。いいからついていけ。あいつの足についていけるのはお前くらいしかいないんだよ。」

「…ウヴァの…こと…」

「任せろ。俺を誰だと思ってんだよ?」

無言のまま少女は出発した。先に出た狼男を追って。


その30分後に彼女は時間をかけずに合流した。

「…追いついた…アビンザ…」

「あ?お前は……俺に追いついたのか。よく追いついたな。」

「…追いつけるのは…私くらい…」

「何しに来た?手伝いか?お前が俺より人探しが得意とは思えないんだがな?」

「…敵と…鉢合わせたら…守ったげるよ…」


 こうして今二人は行動を共にしている。

片方は捜索するため、そしてそれを妨害するため。

だが、彼女の努力はむなしく終わる。

匂いを辿っていたアビンザに銃弾が直撃して血を噴きだして倒れる。

「…だから言ったのに…」

殺気を一切感じることは無かった。依然狙撃してきた相手とは別格の敵と認識する。村で彼女が倒した相手は初弾を放つ瞬間に殺気が漏れ、それを目印に回避することができた。だが、今回の相手は少し違う。銃を放つ瞬間にも気取られず、しかも放ったのちにも油断して何かを感じ取らせることは無い。

No.7(スー)が待ち合わせの時刻になっても現れないのもうなずける。

相手の位置を把握することもできず、始末することができていないからだ。おそらくここまで到達する間に何体か見た死体に関しては村を襲撃した相手と同じく腕が未熟な相手だろう。

今、相手が銃口を向けてきているのは弾の飛んできた場所から予測するしかない。今回周りには回復を行う仲間もいない。彼女としてはアビンザには悪いが彼を囮にして相手の居場所を探るのがベストだろう。いつもならそうしていた。

今回は、それも違った。アビンザに死なれては困る。何せそこそこの腕前でウヴァの私兵だ。彼が死んでもNo.22(チュブトーヴァ)には何の得もない……でもウヴァが困る。

普段は何も考えることなかったが彼女のことを考えるとそうは行かない。

ため息をつきつつ彼と弾の飛んできた方向に集中して立つ。

「…アビンザ…伏せてて…私が…」

目を瞑り身体で感じる感覚を研ぎ澄ませていく。


……まだ……まだ……まだ……まだ……。


もちろん殺気なんて感じない。……その替わりに視線を感じる。

自分を観察する視線。しっかりと視線を感じるが場所までは特定できない。

必死に相手の情報を引き出そうと神経を研ぎ澄ます。

息をゆっくりと吸い、ゆっくりと吐き出す。

おそらく一発よけて敵に接近してもそのうちに移動されるか、接近を許したとしても何らかの攻撃を受けるだろう。


そして、視線を感じなくなる。それを察して彼女は覚悟を決める。

視線を感じなくなったということは相手からの観察は終えたのだろう。


……まだ……まだ……まだ……まだ……。


……まだ……まだ……まだ……まだ……。


そして背後で大きな音が鳴る。

まにあったか!?


次…月曜です

引っ越してようやくPCが届きました!


ノシ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ