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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
5章 過去
61/116

Lamategua och No.22<<ラマテガとNo.22>>

Lamategua(ラマテガ) och(オフ) No.22(チュブトーヴァ)


「安心しろ。別に礼がほしいわけではない。が、お前命が入らんのか?」

「…べつに…そんなことない…」

目を伏せて少女は答える。

…別に命なんて…。…今は…ウヴァを守れれば…。

彼女は命なんて喜んで捨てるだろう。どうせ悲しむ人間な

んていない。それなら未練の少ないうちに死んだほうが楽なのかもしれない。

そう悲しい事を考えている。そもそも孤児院での生活で命に執着しないよう洗脳に近いものを施している。孤児院での生活が長ければ長いほど……。


「そうか。命が入らないか。今すぐに奪ってやってもいい。ただな?お前が死んだらどうなる?護衛が任務なんだろ?ここでお前が死んだら、ウヴァ殿の命は誰が守る?任務失敗だ。いいか?お前はまず相手との力量差を計れるようになれ。無駄に傷つく必要はない。逃げるというのは敗北とは別だ。」

少女は首をかしげて難しい顔をする。

「簡単に言おう。好戦的なのは結構だが、相手と自分どちらが強いかそれをわかるようになれ。……あとは、目に頼りすぎだ。アビンザの最後の奴は目で捉えるのは厳しいぞ?あれは条件次第では音を超える。今回のように天井から落下してくるときなんかはな。」

少し考える顔をするがそれであれば自分を難なくその場から助けたのは?

「…質問…族長の…貴方は…どれだけ速いの…?…」

じっと少女はライカンロープの族長の目を見つめる。

「あいつよりは数段速いだろうよ。……まぁ、柄じゃないが稽古でもつけてやろう。やる気があれば向こうの壁際に立て。」

少女を壁際に立たせて五メートルほど離れる。そして側近から木の実の入った籠を受け取る。

「避けてみろ。目で捉えてたら避けれなんかしないぞ?」

握った拳に木の実を乗せて親指で弾く。

すると弾かれた木の実は少女の額を撃ち抜かれ壁に後頭部をぶつける。

「……っ!?……」

彼女の額からは赤い果汁が垂れる。

「目で追うだけじゃ避けれないぞ?」

再度指で木の実を弾く。再度額を撃ち抜かれる。

「…これ…無理…」

弩で放たれた矢よりも明らかに速く、先ほど戦ったアビンザをも軽く凌駕している。現在見たことのあるものの中で一番速く回避以前の問題だ。

「まぁ、コレだけは一朝一夕でなんとかできるもんじゃないからな。目で追っているうちは避けられない。アビンザもまだ避けられないしな。」

少女は悔しそうに俯く。

「…もっかい…」

「根性はありそうだな…。木の実がなくなるまでだ…。」


族長自ら誰かを鍛えるなんて事は中々あることではない。第一条件として族長に気に入られること。その次に彼が出来ると思うこと。それで始めて鍛えられる。

彼女は認められた訳だ。

周りからは羨望の眼差しが向けられる。

彼女自身、そんな眼差しを向けられることは珍しくは無い。ただし、孤児院で向けられるのは嫉妬の念が大きく占められる。

「…ナイフ…持っていい…?…」

「いいけど、ナイフで撃ち落とすか?出来るならやってみろよ」

「…違う…持つだけ…撃ち墜としたら…意味ない…」

室内にはラマテガの笑いが木霊する。

「なんのために持つ変わらんが、いいぞ?面白い!!」

少女はナイフを持ち、両手に構える。呼吸を整え族長の目を見る。その後彼女は目を瞑り、息を吐く……。

そのうちに容赦なく何度か木の実は少女の額を撃ち抜いていく。

息を吐き切り、彼女の集中力は研ぎ澄まされる。

何度か回避行動をとる。……最初は変わらず額の中央を撃ち抜かれるが、少しずつ中央からずれていく。

そして……。

「これがラストだ。避けられなければこれが最後だ。」

彼女の額ではなく、壁に木の実の跡が残る。

そして彼女は倒れてしまう。

極限の集中力、そして極度の緊張感からの解放。その結果回避はできたが意識を失う。

それを見て、ライカンロープの群れからは歓声が湧く。素直な賞賛が意識を失った少女に送られる。


彼女が知る由などない。


目が覚めたのは夜の闇が深まってから。

部屋には彼女とウヴァ、No.7(スー)あと何名かのライカンロープがいた。

「聞いたよ♪なんかすごいことやったって?ラマテガが驚いてたよ?あとアビンザだっけ?すごい悔しそうな顔してた。」

「…たまたまの…まぐれ…もう出来ないよ…」

「それでもすごかったよ!!」

ウヴァは同じ歳の少女に抱きついて激励する。

「あと、明日もやるなら朝屋敷に来いだってさ!ライカンロープの族長に認められてるんだよ!他の人達もすごい褒めてたよ!!」

「…ウヴァ…わかったから…」

頭に巻かれた包帯を煩わしそうに取る。

木の実とは言えかなりの速度のソレを額に受けた訳で外傷はなくとも腫れを抑える薬が塗られていた。

「ちょっと!何外してるの?だめだよ!?朝までつけてれば腫れないって言ってたんだから!」

「…だって…邪魔…痛くないし…腫れもない…」

外した包帯をウヴァは皺を綺麗に整えて再度包帯を巻く。

外そうと手を伸ばそうとするとウヴァは手を握ってくる。心を読めるのでゆっくりとした動きであれば止めることは容易だ。それをNo.7(スー)は微笑ましく眺める。

申し訳ないです!


寝坊しました。


ゴールデンウィークなんてそんなの関係無いので…


次回は月曜日!!


お楽しみに♪

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