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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
5章 過去
60/116

Abimza och No.22<<アビンザとNo.22>>

Abimza(アビンザ) och(オフ) No.22(チュブトーヴァ)


俺らライカンロープは元々気性の荒い性格で人間を襲うことが多い。それは普通の獣を狩って食べるよりも容易だからだ。だが、ここらにいるライカンロープには基本的に人間を襲うのは禁止させている。非力だが人間には知恵がある。自分らには力では敵わないにしても知恵を絞り何らかの策を講じるだろう。少数部族であれば簡単に戦況はひっくりがえる。縄張りに入ってもなるべく無傷で帰す。それがここの掟だ。

だが、今回は違う。

ただ無傷で帰すのではない。相手は隣国の皇族。それと交渉できれば自分らの部族に安定した生活をおくらせることが出来る。

第三皇女と言ったか……どこまで我らを理解するか。

護衛の少女。先ほど来た少年とは違い魔力は少ない。…足音からは相当の腕前と予想できる。目の前にいるが、歩いている音はしない。

部族一の息子とどちらが強いか…気になるところだ。

そして護衛ということもあるが、堂々としている。何も考え無しなのか、気になるがな。


「威勢のいい娘だな。俺は話があるだけだ。そこで俺の息子と戦ってろ。名乗り遅れた。俺がここの族長ラマテガだ。息子が失礼を。」


とりあえず、これで皇女が闘いを遮らなければ戦うはずだ。

と考えながら皇女の目を見る。すると彼女はニコリと微笑む。


No.22(チュブトーヴァ)大丈夫。ラマテガ様の言うとおりあちら様と遊んでて問題ないよ。私の言うことなら信じられるでしょ?」


ふむ?こちらの誘いに乗るか。もとより危害を与えるつもりはないし、こちらとしては有難いが……無用心ではないか?護衛なのだろ?何を考えている……この女。笑う余裕すらあると?


「面白いな。少し無用心ではないか?ウヴァ殿。俺がもしお前を襲うとかそういった事を考えないのか?」

「ええ。少し無用心とは思いますが、どうやらそのつもりはなさそうなので。彼女の実力を見てみたい。それが正直なところなのでしょ?」

「ふん。そうではない。息子が最近鈍ってるからな。いい相手と思ったんだよ。」

こちらの考えはお見通し……。そんなところか。まぁいい。交渉に入ろう。

「エストレット王国に我ら部族を加えてもらいたい。……第三皇女と言う立場であればそれは可能か?」

「正直なところ、難しいです。」

そうか……それもそうか。王族とは言え女。政治には口出しをできないのか。どの国も大変だな。

「……ですが、私直下の私設部隊であれば可能です。私個人的にはお勧めしません。私には敵が多すぎます。加えて信頼できる部下は少ない。……それで結果を出せば可能性は高いです。」

「敵が多い?どういう事だ?一国の皇女だろ?」

「交渉事は私の領分ではないので、全て正直に話します。信じる信じないは族長の貴方にお任せします。」

「ふむ。我らもかまの掛け合いは苦手でな。」

本当に嘘無く話すかはわからぬが、策を巡らすやつより信頼はできるか……問題はこれから皇女が言うことが嘘偽りないかの判断か……。

「私は、話ししている相手の考えている事がわかります。」

「……考えている事だ?何を言っている。心の中を読めるという事か?」

「そうです。その通りです。」

ニコリと微笑み、族長の目を見つめる。

「ええ。例えば、先程私に無用心と言いましたが、貴方はあの子の腕前を見たかった。私に危害を加える気は無かった。あと付け加えると、笑う余裕はないですよ。内心震えを抑えるので精一杯です。今手を出すつもりはないにしても、いつ気が変わるかわかりませんから。」

「ふむ……」

さて、言っている事は本当の事か……否か…。

「疑うのは仕方ありません。」

「俺の家族の数は?これを答えられるか?」

…家族血の繋がったのは五人のみ、だが、俺は族長だ。部族全てが家族だ。百二十八人それが俺らの家族だ。

「さすがは族長です。大家族ですね。部族全員かぁ……いいな。父様に見習わせたいです。」

「……わかった。信じよう。」

彼女をじっと観察しながらラマテガは問う。

「エストレット王国は亜人をどう考える?」

「我が国では亜人も人間も何もないですよ。差別はしていないです。」

「では私設部隊に亜人がいても?」

「私は大歓迎ですよ」

ラマテガの目を見つめ、微笑む。

「わかった。1日待ってくれ。一族に周知する。」

ありがとうとウヴァはラマテガの手を取り握手をする。

「一つだけ、ウヴァ殿は少し警戒心を持った方がいい。」

「気をつけましょう♪」


ラマテガは息子と少女の手合わせを見る。すると剣ではなくグローブを嵌め全力で戦っている息子の姿があった。

少し好戦的すぎるが息子と手合わせをしている少女はとても面白い。贔屓目もあるだろうが通常ならば武器を変えることすら無く息子が梃子摺らずに勝負はついていたはずだ。あいつの速度は一族で二、三を争う。それを少女はナイフでさばき切っている。少しずつ押され始めているが…しかも一瞬だけ笑った……?面白い……鍛えてやりたいところだな。


天井まで跳んだ息子をよく見ると、脚の筋肉がありえないくらい膨らんでいる。

…アビンザの奴、相手を殺すつもりか!?

ふらっとラマテガは立ち上がり天井から跳ねる瞬間に少女を抱えて壁際まで跳ぶ。

寸前で間に合い、土煙のみが巻き上がる。


……たく、俺らの性分とは言え少し冷静になってほしいものだ。

お楽しみいただけましたか?

次は金曜日です!!


お楽しみに♪


ノシ

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