mötet med läraren<<師との出会い>>
―mötet med läraren―
雪吐豹は群れの個体が目を覚ました後に塒へ帰る。
塒にある人物が訪れていた。
群れの皆々は警戒しているが、雪吐豹は気配で相手が、わかった為堂々と塒へ入る。
「お疲れさま♪ユッキーちゃん。どうだった?あの子は?すごいでしょ?君が手加減をしてたのはわかるけど、あんな一方的にやられるとはねー?」
(魔女か 久しいな。いつぶりか…まぁそんなことお前には些細なことか… 彼奴は何者なんだ?我の環境に入れ替えた瞬間に人が変わったぞ?)
「何者かぁ…?わかんないかな??キミと同じだよ♪」
(我と…だと?)
「そ♪キミと同じ」
(で…?我のところに来た理由は?)
「君にあの子を鍛えてもらいたい かな♪」
(ふん…気に食わん…何を考えている)
「あの子が気に入ったのさ♪君もだから爪を渡したんだろ?あの子は何も知らないけどさ」
雪吐豹は魔力を通し魔女と会話をする。
魔獣にも喋れる個体は存在し、人とコミュニケーションを取る物も少なくはない。ただ、この雪吐豹の様に魔力を通じて話す個体は稀であろう。
(どうなっても知らないが…よいのか?)
「まぁ…賭けだよね?でもあの子なら大丈夫だよー?なんたって私が認めている子だもの♪」
(面倒だか…承知した。鍛えてやろう…彼奴が拒んだ場合は?)
「好きにしていいよ♪面倒とか言っちゃって、楽しみなのが見え見えだよ?」
村を出て、歩みを進めヴィットとゲルンは森を抜けて川に到着する。
天候のせいかヴィットの体力は極限まで減らされてしまう。ゲルンはヴィットの様子を見て休憩を取る事にする。
この先は岩場になっていて日陰はない。
ヴィットにとって最悪と言ってもいい。その為今休みを取り、夜間に岩場を超えてしまおうという事になった。
「それじゃっ♪ ヴィット ボクから少し離れててね?」
はめている二つの指輪が輝き、地面から複数木が生えてくる。簡易ログハウスが作成される。
「…ルン…ほんと便利…」
「まぁ、ボクはこう言うのは不得意なんだけどね♪これで安心して休憩できるよ♪」
「…ルン…ベッド…一つしかない…」
「だってー別々だと寂しいじゃない♪」
ヴィットはため息をつきながらも横になり、腕枕をされながら戦闘後に雪吐豹から貰った爪を眺めていた。
(…冷たい…でも…なんで…あの子は…くれたんだろ?…)
うとうとして眠りについた瞬間爪が輝きだす。
狸寝入りしていたゲルンはヴィットをぎゅっと抱きしめ頭を撫でる。
ヴィットは夢を見た。
夢の中で不思議な体験をする事になる。
「…朝の…雪吐豹?…なに…ここは…」
(よくきた、人間。ここは我の作り出した空間。まぁ精神世界だ。)
(…えっ?…雪吐豹と…会話している?…なぜ?…精神世界?…)
(わかりやすく言うと夢の世界だが、眠ったお前の精神を触媒を通して我の空間に呼んだのだ)
「…触媒…?…爪か…私に用?…」
(我と契約しろ。人間は力を求めている…違うか?)
「…契約すると…どうなる…?…なぜ…私だ?…」
(一度契約を交わせば、我が許可するまで人間が眠るとここにきて、修行してもらう。人間を選んだ理由か?単純な話だ。人間が気に入った。我が本気でなかったにしろあそこまで追いつめてくれたのだからな。)
「…本気…じゃない?…私に負けた…猫と…契約しろと?…」
(本気の我に負けたら従うか?)
「…完敗…したら…考えて…やる…」
(益々、気に入った。先に言っておくが、お互い本気。お互いハンデは抜きだ。いいか?)
空間が黒くなる。明るさは落ち、ヴィットの考える呪いから解放される。
(ローブを脱げ、人間!!)
白吐豹が頭に直接叫ぶ。ヴィットがローブを脱ぎ捨てたその直後世界が変化する。
朝戦った時とは違う。
大地は凍てつき、空気が凍てつく。そして雪吐豹以外の全てが凍てつく。
「…ふふふ…あははは!…なにこれ!…これが本気!?じゃぁ…」
宣戦布告しようとした直後、ヴィットは何もしゃべられなくなる。何もできないまま凍らされてしまう。
一瞬でヴィットが氷漬けにされてしまう。
(…え…?…何が…)
(人間、お前の負けだ。我はまだ力を見せたわけではない。力を見せる以前の差という事だ。)
雪吐豹が勝利宣言する。直後氷の世界は崩壊する。
「…はぁ…はぁ…なんで…」
ヴィットの疑問点は一つ。なぜ、あの時本気でかかってこなかったのか?
手抜きされていたと睨み付ける
(違うぞ人間。あの時は我の仲間を巻き込まないためだ。あの状況ではあれが最大限だった。)
「…もし…自分が…殺される可能性が…あってもか…?…」
(仲間がすべてだ。それに、その可能性はなかった。人間は最初に武器を持っていなかったからな。)
「…人間…ってよびかた…やめろ…ヴィット…私の名前…」
(ヴィットか。ふむ、ではヴィット。どうするか決めたか?)
「…修行…すると…どうなる?…」
(ヴィット、まずお前は魔法を使ってみないか?)
「…私が…魔法を?…無理…才能ない…」
(それは違う。まだきっかけがなかっただけだ。)
「…きっかけ…みんなある…もの…なのか?…」
(みんなでは無い、魔法使いは三種存在する。一つは自分自身の魔力を使用して色々な魔力を使うもの。これが魔法使いの八割を占める。二つは何らかの精霊と契約を交わし魔力を行使するもの。残りの一割がこれだな。三つは希少だが一つ目と二つ目、両方により魔力を行使するもの。世に賢者と言われるものだ。)
「…契約…するには?…」
(実は既に半分は済んでおる。我の爪を授けてある。それとお主の了承だ。どうする?)
ヴィットは沈黙する。
「…わかった…契約する…雪吐豹…お前の名前は?…」
(我の名は――――)
本日の投稿は短めです。
もっと面白く書きたいですね。