Testa<<腕試し>>
―Testa―
少女の名前は『ウヴァ=アイスレビー』という。
彼女はエフトレット国、第三皇女。
彼らの護衛対象だった。
孤児院での仕事の主は暗殺、破壊工作が多く、護衛の仕事は少なかった。
しかも王国の要人の警護なんて仕事が回ってくるなんてことはまずなかった。
普段からいろいろな任務をこなしていた彼らだったが…やはり簡単ではない。
四人は町を目指して歩きながら話をする。
「No.18、なんかボクはこの仕事あんまり気が乗らないんだけど。」
少女は大人の目がないため正直に思ったことを言う。
「んあ?気が乗る仕事なんてあるのか?」
気怠そうに青年は応える。
「…たしかに…私…護衛なんて…したことない…」
自身なさげに少女は呟く。
「No.22さん。安心してください。ここにいる全員したことないですよ。」
「No.2でも?」
「そうです。普段僕らに回ってくる仕事は概ね暗殺等の血なまぐさいことです。命令なのでやります。」
無表情に少年は意見を言う。
「違和感があるのは俺もNo.7と同意だな。No.2はどう思う?」
「僕は別に何も思いません。いつも通り言われたことをやるだけです。」
「クールだね。いつも通り。」
やれやれと青年はため息をつく。
「さて、そろそろ待ち合わせの場所だな。任務開始前に任務内容の確認だ。優等生!行ってみろ。」
「…?僕のことですか?護衛です。王国まである方を送り届けることです。」
「…狙われてるの…?…」
「いや。別にそういう情報は無いな。」
「じゃ、なんで?やっぱり怪しいよ。」
「とりあえず僕らは言われた仕事をこなすだけですよ。」
四名は町中央の豪華な宿の最上階へ向い命令のあった部屋の前に到着する。
「No.7、No.22任せた。相手は女だしな。お前らが入った方がいいだろ?」
「…なんで…?…」
「同性のほうが色々とな。」
No.22はNo.7に腕を引いて部屋をノックする。
「空いている。入れ。」
中から老人の声がする。
「失礼します。えと、ボクらが…」
「知っている。」
室内には少女が一人、それに老いた騎士が二人。
「えっと…あれ?護衛がいる?」
「新人が逃げ出してな。まぁ…それの追加要員じゃ。この町に来る途中に盗賊に襲われてな。それで若い衆はビビッて逃げ出しだのじゃ。」
「だが…こんな子供に代理が務まるのか?」
「…できる…」
「あ?もっとはっきり喋ってくれないか!?聞き取りにくいわ。」
威圧的な一人をNo.22は思わず相手を睨み付ける。それをNo.7(スー)が手で静止する。
「喧嘩をするつもりはないよ。ボクらは、言われた仕事をするだけだよ。」
「子供ごときにこの方を護衛できるのかと言っているのだ。いい…。一度表に出ろ。新人よりも使えるか確認してやる。」
「…わかった…」
No.22は窓を開けてそのまま飛び降りる。
「まって…そんな急がなくても…ったく…」
No.7もそれを追って飛び降りる。
老騎士達は呆気にとられながら見送り、一歩遅れてからあわてて窓の外を見る。
「…ここを何階だと思っているんだ!?」
そこには無事着地してこちらを見ている彼女らがいる。
「…わし等に勝ち目はないな…。だが、実力の確認はしておかねばな。」
勝ち目がないとわかっていながらも二人は部屋から出る。
「ん?おっさんたちなんだ?先に中に入った二人は?」
「なんじゃ?あと二人仲間がいたのか…手合せだ。とりあえずお前らの腕を見たい。」
「いいけど…あんたらじゃ、二人でかかってもちっこいほうにもかなわないと思うぜ?」
「…わかった。とりあえず二人でこの部屋を守ってもらっていいか?」
「うかつですね。もし二人が殺し屋とか考えないんですか?」
「…もっともだが、これだけ腕に差があれば関係ないだろ?お前らの実力の一端でも触れられればいいと思ってるからな。」
「まったくじゃ。わしらに勝ち目がないとわかっていてもあの方の安全のためじゃ。」
二人の老騎士は表にでて剣を構えると窓から大声が聞こえる。
「おーい!No.7お前は手をだすな!じゃないとこっちの腕前を確認してもらう前に終わっちまう!」
No.7は頷きNo.22はナイフを両手に構える。
「No.22!お前は最初攻撃禁止。ナイフも右手のみな!」
「…了解…」
左手のナイフをしまう。
しまったと同時に老騎士は彼女を前後から挟み、斬りかかる。見事なコンビネーションで攻撃を仕掛けてくる。まったくの同タイミングで攻撃を加える。
前方からの攻撃はすれすれで回避して後方からの攻撃は後頭部に目が付いているのかと思うほど、的確にナイフで受け流す。
およそ五分近く少女は攻撃を回避し続ける。上の窓を見て攻撃の許可が出るのを待つ。
なかなか攻撃の許可は下りない。
「…No.18…いつまで…」
無意識に宿の窓を睨む。攻撃のペースが上がるが難なく回避する。
「…もう…やめない…?…そんな攻撃…当たらない…よ…?…」
後方から切り上げられた剣に両足をのせその勢いを使って飛び降りた窓に上る。
「…なんで…許可しない…?…」
「ん?だって、お前手加減できないじゃん。」
彼女は納得して再度窓から飛び降りる。
「…まだ…続ける…?…」
「いや…やめておく。これだけ攻撃しても全部よけられるなんてな…勝ち目がない。実力の底すら計れない。疑って悪かったよ。」
No.18の横から知らない少女の声がする。
「おい!私のことをわすれてない!?」
ナンバリングにルビを振りました!
投稿済み分には後々入れていきます♪
次回は金曜です
お楽しみに




