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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
5章 過去
53/116

Folk sagor vet inte<<知らない昔話>>

Folk(フォーク) sagor(ソーグ) vet(ヴィト) inte(インテ)


幼い頃にヴィットは孤児院に誘拐されてきた。

孤児院に来た当初は今のような性格ではなく非常に活発な少女だった。そして容姿も白い髪、白い瞳ではなく、夜のように黒い髪、瞳をしていた。

彼女自身が今のように無口であれば誰も気がつくことはできないくらい音も無く動き、気が付けばそこに居るといった存在。

ただ、彼女の存在は極秘事項だったため、その当時世話役に当たっていたゲルン、あとヴィットの訓練用に数人のメンバー。イロードやその他実力のある数名。

訓練と言っても主に組手の相手だった。

最初は魔法の使用は禁止されていたが魔法無しではヴィットの相手にならず途中からは魔法の使用制限が解除された。


当時の孤児院で一番強かった女性に次ぐ実力を持っていた。

今のトップはNo.1と呼ばれる青年だがそれすらを凌ぐ実力だった。

当時のヴィットは何かの言語を喋っていたが、異国の言語を喋っており、意思疎通は困難だった。無論大人の中には彼女と話せるものは少数いた。

彼女を誘拐するのには膨大な経費がかさんだことに加え、管理するのにも神経を使っていた。彼女自身かなりの実力がある事とばれた際の彼女の一族からの報復を心配していた。

ただ、管理している側の大人達はヴィットが魔力を有しているのに関わらず、魔法を使えないことにやきもきしていた。


そんな折、孤児院の上層部は痺れを切らし『ある儀式』を行う事を上層部は話し合った。

『精霊との強制的な契約』

どんな精霊と契約を結べるかは選べないが、膨大な魔力を有している希少な種族。もし、外れな精霊を引いたとしても期待できる。

反対派は少数。出来るのであれば彼女自身にあった精霊と契約させて最大限の力をふるえるようにしたほうがいい、ノーリスクでそんな契約ができるわけも無くリスクを考えていないのか?など意見は出たが全て棄却された。

決定が下ったその日儀式は異様な程早く行われた。

反対派からの情報漏洩を危惧した為だ。

孤児院の地下に彼女は連れて行かれ儀式場で眠らされた。


イロードとゲルンはその儀式に同行させられていた。ヴィットと仲が良かった二人を連れていくことで彼女が逃げ出したりするのを防ぐためだったと言う。

彼ら二人には何のためにその場所に連れてきたか等、詳細を語られることはなかったが、儀式場に連れてきたことで只ならぬ儀式場に二人は子供ながらに気がついた。

そして二人はヴィットを解放するために孤児院の大人達と一戦交える事となる。

大人達だけであればそんなに苦戦することはなかったが、彼らの行く手は同じく孤児院の子供達が立ちはだかる。子供達にとっては大人からの命令が一番。逆らった際の恐怖が植えつけられており、二人に賛同する子供は敵対した子供にはいなかった。

何とか二人は他の子供達を撃退したが、儀式に間に合わなかった。


儀式には沢山の生贄が必要とされ、それには任務に失敗したもの、怪我により再起不能とされたもの、違反を起こしたものを生贄とした。

儀式が始まり生贄として用意された子供達の意識は遠退く。儀式場の中央に置かれたヴィットは眠ったまま拘束される。彼女は自分の身に何が降りかかるかもわからないまま…

すべての生贄の生命が失われた瞬間…それは起こった。

『何か』が降臨したのだ。

一度あたりは暗闇に閉ざされ、儀式場に光が溢れる。

光は瞬く間に炎に変わり、儀式場は瓦礫の山に変わっていた。


儀式が終わってしまった頃にはヴィットの髪や瞳は今のように真っ白になり獣の耳は無くなり人間の者となっていた。拘束から解き放たれた彼女は、瓦礫の山になった儀式場の隅っこで震え無口になっていた。

言葉は通じないにしても活発な少女は真逆の、姿形も人間になっていた。

加えて、契約の儀式は失敗に終わっていた…。

魔力の総量は大幅に減少し、加えて臆病に…契約に関しても失敗した…。

儀式の失敗後は秘密事項であった彼女の存在も公になり、他の子供達と合流させられた。

その後通常の生活が出来るまでゲルンがヴィットの世話をし、イロードは少しずつ戦闘の訓練を行た。

元々身体は出来上がっており、戦闘の感はあったため、孤児院内でのそれなりの力になるまではそう時間はかからなかった。

言語や知識面に関しては年齢が近かった事や蓄積された知識量も鑑みてビローアが担当していた。


子供達の多くは幼い頃に誘拐されてきたためか自分の名前を覚えているものは少なく、お互いの事を孤児院でつけられた番号でお互いの事を呼ばされていた。

名前を持つ子供達はその名を名乗る事を禁止される。


孤児院の大人達は彼女のことを失敗作と呼ぶようになり、子供らはそれを真似て失敗作と呼ぶようになった。

ビローアは彼女がなぜ失敗作と呼ばれていたか知らない。

…多くの子供らも知らないが大人を真似る事をやめなかった。

たとえ彼女が実力をつけ、自分の力を追い抜かれたとしても嫉妬交じりに呼んでいた。

彼女自身もなぜ、『失敗作』と呼ばれるか理解出来ず、周りの子供達も魔法が使えないからと呼んでいた。


そして、ある任務で彼女は大切な物を得ることになる。

いや、彼女だけでは無く、一緒に任務に就いた四人。

ビローア、イロード、ゲルンそしてヴィット。


この四人に名前をつけたのはある国の少女だった。

難しい…


お楽しみいただけたでしょうか?


次は水曜日予定です!

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