Kommer ut<<カミングアウト>>
―Kommer ut―
しゃあない…こいつは誤魔化してもバレるしな。
「他言無用で頼む。いいな?…ていうか、もし言いふらした場合、俺らを恨むなよ。命を狙われても知らんからな。ダナエはまぁ、知ってることだと思うが言うなよ?」
デプロは頷きダナエは笑顔で手を振っている。
「俺らはある孤児院で育った。孤児院で言っても孤児は少ない。多くは誘拐された子供だ。誘拐されてきた子供の多くは魔力を膨大に持っているものだ。そして全員が過酷な戦闘訓練を受けた。一部人体実験とか訳のわからん儀式すら受けたやつもいる。」
ヴィットはびくっと反応する。
「多くの奴がまぁ、訓練の過程で死んだり再起不能になったりだ。俺らはその耐えられた結果だ。」
「まだ隠しているだろ。その孤児院は…」
「まぁ、最後まで聞けよ。孤児院は国営の施設だった。もちろん、そんな事をやっていたって国民は勿論知る由も無いし知っているのは一部の大臣と王族だけだ。目的は国に忠実で強力な兵士の確保。現にあそこにいる奴らの実力はそこら辺の兵士じゃ討ちとることはできないし、対抗できるのは国の騎士団長とかそういったクラスだな。デプロのおっさんはまぁ、実力を相当隠してるからどうなるかわからんが?まぁ、そんなこんなだったが、この春先王が死んで今の王になったおかげで孤児院は閉鎖。んで、俺らは孤児院をぬけてきたってわけだ。」
「ああ、新しい王は科学と兵器で戦争を変化させるって言ってたからな。」
「俺らからも聞いておきたいが、デプロのおっさんは何もんだ?本来ならこんな寂れた領の兵長やる人間じゃ無いだろ?」
「…。」
「孤児院の話を知らないにしても、現王の方針を知っている人間がこんな小さい領に居るのは不自然だ。」
「いや、現に軍備を見ればだな…」
「孤児院がそうなったのはほんと最近だぜ?」
「……。」
「はっきりさせたいのは、孤児院のことを知っていたかどうかだな。」
溜息をつき、その後重たい口を開く。
「………。わかった。噂程度に聞いたことがあった。実際にどこで何をやっているかなんてことは知らなかった。」
「とりあえずはその答でいいぜ。直接関係してたわけじゃなさそうだしな。」
「もし、直接関係していたのならばどうしてた?」
「この領から出て行くかな。俺は直接何かを受けたわけじゃ無いが、被害者がいるからな。」
「…いつか話す時が来るが、それまでは待ってくれ。」
「さっきのが聞ければとりあえずは充分だ。」
「感謝する。さっきの答えに嘘偽りは無い。」
「ねえ。質問してもいい?」
ダナエが横から割り込む。
「なんだよ?」
「君たちのメンバーで、一番の古株は誰なの?」
「俺とゲルンだな。」
「ふーん。じゃ、あとで別に質問するよ。ヴィットちゃんと一緒にね。」
「ん…?シロとか?」
「そ。シロちゃんと。まぁ、シロちゃんが必要無いって言ったらそこまで。聞かないし、私に聞かれたく無いなら」
…え…?…私…?…
ダナエはヴィットに耳打ちする
「君の過去は知りたく無い?自分が何者なのか…とかさ?彼なら来た時のことを覚えていれば何かわかるかもよ?私の知識と組み合わせれば君を故郷に連れて行けるかもしれないし。」
…自分の故郷…それは気になる…でもそれを言うってことは…ダナエは何らかの検討がついているんじゃ…
…でも…連れて行ける…ダナエが…?…何のため…?…この人…行動原理が…意味不明…理解できない…
難しい顔をしながらダナエを見る。
「ん?いったろ?興味があるって♪嫌なら私は聞かないし、」
疑問に思ったことの答えは返ってこない。
「ま、そんなところだ。デプロのおっさん、納得したか?」
「ああ。納得したよ。敵じゃなくてよかったと思うわ。ホント。じゃ、俺は帰るわ。とりあえず明日今日の報酬持ってくる。カザリスの偵察分は別にして持ってくるな。」
「え?ああ。そういう契約だっけ…まとめてで構わないよ。ここで世話になることにしたから。」
「ん、ああ。わかった。じゃあ少し色をつけておく。あまり気の進まないことを聞かせてもらったしな。」
「おう。気にすんな!増える分には問題ないか…。」
デプロは相当飲んでいたのかおぼつかない足取りで兵舎に帰ろうとする。
するとイロードがカザリスを見送りとしてつけた。
店内は彼の計らいとビローアの気遣いでイロード、ヴィット、ダナエの三人になり、イロードは飲み物とツマミをもってダナエ達の近くの机に腰掛ける。
「聞きたいことってなんだ?まぁ俺の知ってることは少ないからな…ゲルンがいればあいつのが詳しそうなんだが…」
「えーとシロちゃん。私も聞いていい?ダメなら借りた部屋に入ってるけど?」
「…別に…いいよ…ダナエは信用できる…」
「じゃ、私も同席させてもらうね。イロード。あとは私のおごりだよ。君も飲めのめ。君の聞きたい話も話してやるから。」
「まじで?じゃー酒とってくるわ。」
彼はバーカウンターから高級なエールをダナエ分を含めてヴィットには高級な果実の飲み物を持ちと自分用に隠していたチーズを待ってくる。
「よし、準備できたな。んで、シロ聞きたいことって何だ?」
「…私は…人間じゃ無いの…?…」
「あー…気がついたのか…まぁ、純粋な人間じゃない。インスと同じで亜人だ。」
…亜人…人の形をしているけど人じゃない…。
「シロ…何で気がついた?」
「…それは…ユキトの力を借りたときに…耳が…」
嘘はついていない。他にも色々な変化はあったがそれはそれだ。
新章突入です!
お楽しみいただければ感謝感激です!
次は月曜日です!




