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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
4章 吸血鬼&吸血姫
51/116

intresse<<興味>>

intresse(インテッセ)


まさかの客で若干動揺するヴィットだが、腰に隠しているナイフに手をゆっくりと伸ばす。

が、ダナエはその手をとめ今日は飲みに来ただけとヴィットに伝える。

今回は旧知の仲のクラップスに言われたから仕方なく参戦していたが、乗り気ではなかったと彼女は言う。

本来彼女らアンデットは大々的に人を襲うことは少なく、陰でゆっくりと死後の世界を謳歌している…と。

「とは言ったものの、今回の件は驚かせてしまったね。あ、でも君に興味が出たから私だけあの沼地に残ったってわけ。まぁ、本来の仕事もあるんだけどそれはね?」

「…仕事…?…」

「あれ?私が君に興味を示したことはスルー?寂しいなぁ…。デュラハンってさなんだか知ってる?」

「…首のない…騎士…?…」

「間違ってないんだけどねー、死の宣告者だよ。死を伝える妖精だよ。こんな形でもね?でもねぇ伝えたらその人は持って2日。なるべくなら仕事なんかしたくないのさ。でも会わなければまだ死なない。今回の仕事は気乗りしなくてさぁ。」

酒に酔っているのか、素なのかはわからないが口が軽い。

「…もしかして…相手って…」

「うん。君の知り合い。さっきも言ったけど気乗りしないの。強い結界が張ってるから来たけど諦めた。」

「…で…のんでるの…?…」

「まぁね。そんなところに君が働いてるしねぇ。ちょーっと話ししてみたってわけ。」

「…今の私には…あなたと…戦う力なんて…」

「ああ。魔力使えなくなってるの?どうりで。」

「…ごめん…」

「ははは、なぜ謝る?」

ダナエはお腹を抱えて笑い出す。

「…本気で…闘わなかった…」

「ああ、あれか。気にしないで。あんなの相手に私じゃ敵わないし。」

ヴィットは彼女に笑われた事を理解できず首をかしげる。

そこへイロードが差し入れを持ってくる。

「シロの友達か?俺も混ぜろよ。」

「やっ♪君はウルヴァの親友だね。いろいろ聞いたよ。」

「…お前、誰だ?」

「あ、私はダナエ。昨日、この子に負けたデュラハンだよ。…?あ、安心して!私は別に報復とかに来たわけじゃないから。」

「何の用だ?」

「ん?この子に興味が出たから遊びに。あ!怖い顔しないで!別に向こうへ勧誘とかじゃないから安心して。お話ししたいだけだから。」

「あと、ウルヴァはダナエに俺の事なんか言ってたか?」

「…まぁ、いろいろね。吸血鬼になりたての時から世話したからね。」

「そか。まぁいいや。今度またいろいろ聞かせてくれるか?聞かせてくれるなら今回は大目に見よう。」

「いいよ。まぁ、彼のプライバシーに関することは言わないけどね?」

「んじゃ、たくさん飲んでってくれな。」

イロードはつまみを置いてバーカウンターに戻る。

「いい奴だね。だからこそ、あの子は彼に嫉妬したか。」

「…イロとあの吸血鬼に…なんかあったの…?…」

「ん?まぁ、見て、聞いての通り色々だよ。あの子とあの子は同じとこの出身って言ってたなぁ。…って、彼が話してないならこれ以上は言えないなぁ。」

…同じところの出身…じゃ…あの孤児院の…

ヴィットは思考する。ウルヴァという吸血鬼の事…そして、新たに吸血鬼となった、あいつのこと…

「…ット、ヴィット!!」

考え事をしていると両頬が横に引っ張られる。

「…っ…」

「考え事はいいから、君のことを聞かせてよ!私は君に興味があるって言ったでしょ?」

「…やだ…」

「…えーっ?拒否権はありません。拒否するたびにコレ一個ね。」

彼女は懐から赤くて細長い木の実みたいなものヴィットの前に出す。


ダナエはバーカウンターにいるイロードの元へ行き同じものを袋でイロードに渡して

「ね。ここって、宿もやってるんだよね。一部屋借りたいんだけど…」

「いいけど、街の人間に迷惑かけるなよ。」

「ん。」

「あと、ヴィットちゃん借りるね♪忙しくなったら解放するから!」

イロードは親指を立ててぐっと拳を出す。


「…なんで…そんな…私…仕事に…」

「お客さんもあんまり多くないし、あの子だけで回ってるよ?」

シロフォンはテキパキと仕事をこなしている。

ビローアの仕事すら無くなり、デプロと談笑している。

「…私に…得がない…」

「君の好きな物を奢ってあげよう。」

「…そんな…私を食べ物で…釣る気…?…」

「そっ。なんでも奢ってあげる。」

「…わかった…」


リームシュークが、足元に擦り寄ってきたので膝の上に乗せる。

「きみは人間じゃないんだよね?何なんだい?」

彼女の持ってきた木の実を手に取り口に入れようとするとダナエは手を止めて首を横に振る。

ヴィットは俯いて答える。

「…しらない…」

「そか。知らないのは仕方ない。食べなくてもいいよ。」

ダナエはヴィットに色々質問を繰り返し、最後以外は木の実を食べることは無かった。

「じゃ、最後の質問。…君はなぜ本気を出すのを拒むんだい?」

木の実を口に入れる…とヴィットの顔は真っ赤になり、その後血の気がサーっと引いていった。


気が付けば酒場に残っているのはデプロと数人とダナエだけになっていた。

デプロは酒場の中央にシロフォンを連れて立つ。

「デプロ!新しい新しい面子を紹介するぜ!ゲルンはちょっと体を壊したからその穴埋めだ。」

「えーと…先ほどまでは『シロフォン』と名乗っていましたが、改めてカザリス=サーンスです。」

「…カザリス…?…」

「そ。ヴィット改めてよろしく。」

「サーンス…ねぇ。」

…どこかで聞いた名前…どこだ。

デプロは少し俯き、あごに手を当て思い出そうとする。

そしてデプロは別件を思い出す。デプロの連れを返す。

「んで、作戦前に言った約束は覚えているか?イロード!」

「ん?…なんだっけ?」

イロードはデプロに睨まれる。

「冗談だよ。まぁ、余分なのが混じってるけど…お前は知っているみたいだしいいか。」

はぁ…言わなきゃだめだよな。どこまで伝えていいんだ…?面倒だな…全部…伝えればいいか。

吸血姫編終わりです!!


長くなってしまいました。


次話月曜日になるかもです。

※仕事次第で金曜日です

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