Ersättning för betalda<<支払った代償>>
―Ersättning för betalda―
自分の家にたどり着き、急いで地下に急ぐ。
「…マスター…!…」
「おや、やっぱりヴィットが一番乗りか。インスよりも早いとは流石だね。あの腕輪を渡すのはナイスだった。イロードは無事。戦闘はまだまだ無理だけど、ゲルンのおかげで日常生活なら大丈夫。」
「…ルンは…ルンは…?…」
「ゲルンは、まだ意識も戻らない。…いつ戻るかもわからない。体の怪我は何とかした。けど…あの子の魔力は暴走してる。体の中で樹の精霊の力がめちゃくちゃになっている。あの子…珍しく無理をしたんだね。当分は私があの子の看病するよ。」
「…ルンは…イロを助けるために…」
「大体のことはイロードから聞いた。相手が悪すぎた。吸血姫クラップスなんて…私じゃなきゃ対等には戦えない。よく君は無事に帰ってきたね。嬉しいよ。あの腕輪がこんなにうまく使えると思わなかったよ。」
「…マスター…クラップス知っているの…?…闘ったこともあるんだ…?…」
「昔に何度かね。結界には私が入れなくなってたし…。」
「…マスターって…いくつなの…?…」
「さぁ?私も忘れちゃったよ。ゲルンは彼女の部屋にいる。顔だけでも見ていく?」
ヴィットは頷きマスターにゲルンの元へ案内される。
室内はまるで熱帯雨林のように植物が生い茂っている。
元々ゲルンの趣味で若干おいていた植物があるが、ゲルンの魔力が暴走している影響が出ている。
「…マスター…この暴走止めれないの…?…」
「現状は魔力の補給してあげるくらいしかない…かな。イロードの顔は見てく?」
「…いや…いい…」
「あらあら。いいの?」
「…うん…かわりに…イロとルンあわせてあげて…」
「やさしいね。ヴィットは。よし。とりあえずはこの吸血姫騒動は終わりだね。まぁ。いろいろ調査しなきゃいけないことはあるけど、それは明日、私とビローアでやるよ。ヴィットは…そうだね。インスとシロフォンの相手をお願いね。」
「…わかった。…とりあえず…私もつかれた…から…休む…」
そういってヴィットは自室へ向かい。長い夜は終わりを迎える。
その夜、ヴィットはユキトと契約をしてから初めてユキトの空間に呼ばれなかった。
朝になり疲れのせいかヴィットは太陽がかなりの位置まで上るまで自室で寝ていた。
カリカリカリ…
「…ん…シュー…?…」
(ヴィットおきて!もうお昼だよー。もうボク暇なんだよ…。)
「…わかった…」
無理矢理にヴィットは叩き起こされる。リームシュークの頭をなで部屋から出る。
「あ、おはようございます。ヴィットさん。起きたらイロードさんが呼んでいました。」
「…イロ…が…?…んー…めんどくさそう…。」
「そんなこと言わないでください。あとで必ず行ってくださいね。」
「…考えておく…」
ヴィットは手を振って修練場に向かう。
「よう。白髪の。」
「…インス…さん…こんにちは…」
「ゆっくり休めたか?」
「…うん…」
「せっかく起きたのであれば体動かさないか?あいつはあそこでもう潰れているからな。」
「…あいつ…?…」
インスが指差した方向を見るとシロフォンが息を切らせて仰向けに倒れている。
倒れているシロフォンに近寄る。
「…なにしてるの…?…」
「なんなの…あのひと!…いや…龍人なのは知ったんだけどさ…。」
「…そうじゃなくて…」
「ん?…ああ。私、あの孤児院を抜けるから。ここでイロードとビローアに頼んだ。」
「…抜ける…?…大丈夫なの…?…」
「さぁ?あいつにはついていけない。それならこっちにつきたいかな。ビローアもいるしさ。」
「…ふーん…ビロ…ね…」
「なに…?駄目なの?」
「…いや…私は別に…」
「雑談はもういいだろ?白髪の。少し体を動かしてすっきりしたほうがいいんじゃないのか?二人でかかってくれば少しは戦えるだろ?」
「…でも…私…今…」
「魔力を使えないんだろ?リームシュークに聞いた。魔力使えない状態になれておいたほうがいいだろ?」
ヴィットはナイフを構える。
「…とりあえず…一人で…やる…」
インスが構えた瞬間にとびかかる。彼は軽々とナイフを回避する。
「踏み込みが甘い。あともう半歩踏み込めばいい一撃になる。」
インスは流れるような動作でナイフを受け流してヴィットのナイフを余裕で回避する。
「筋はそこそこいいと思うんだが、もう少し相手の挙動を観察できるようにならないとな?今俺は反撃しないが、本当の敵であれば反撃してくるんだからな。」
インスはナイフを回避して急所を指をさす。何度もナイフを回避しそのまま急所を指差していく。
「…インス…ほんと…強いね…楽しくなってくる…」
ナイフの握り方を逆手持ちに変更して攻め方を変える。先ほどまでは単純に体全体を狙っていたが、手首を狙う。
(…速く…速く…速く…もっと…速く…!!)
ヴィットは呼吸止めて無呼吸でインスを攻める。無呼吸運動でヴィットは加速していく。
「お…踏み込みは甘いが、その分攻撃の手を速めるか…こうされたらどうする?」
ナイフをいなして遠心力を加えてナイフの進行方向に力を加える。
ヴィットは加えられた力を利用してさらに自分加速させる。
そうしてヴィットとインスは夕方まで訓練を続けた。
「…と…私…イロのとこ…行かなきゃ…」
「おや?まだ行っていなかったのか?じゃ、行って来い。おい、そろそろ魔力は回復したろ?」
「わかっているよ…」
シロフォンはインスから距離をとり、光の弓をだして構える。
…コンコン
「…イロ…いる…?…」
「シロか。入れ!聞きたいことはあるんだけどいいか?」
「…いいよ…って言っても…私も…あまり覚えていない部分あるけど…」
(大丈夫。ボク大体は覚えているから。)
ヴィットは知られたくなことがあるためキッと睨み付ける。リームシュークが睨まれて頷いたので大丈夫と安心しつつイロードに事の顛末を伝える。
ヴィットが切れたこと。奥の手があってそれで何とかクラップスを追い払えたということをヴィットの隠している事をうまく隠して伝えた。
「そうか。昨日は助かった。あとでマスターに聞いた好物買ってきてやる!さて…酒場は今日から再開するからな。」
「…イロ…動けるの…?…」
「酒場の店主をやるくらいならできる。一人従業員を雇ったしな。」
「…シロフォン…?…」
「そう。あいつだ。まぁ、何とかなるだろ。」
…彼女…ばてていなければ…いいけどね…
時間になり酒場はオープンした。今晩も大盛況。
新人のシロフォンもよく働いている。
イロードは怪我していることもありバーカウンタからなるべく動かず、酒場の亭主をする。夜も更けお客さんが減り、ヴィットは少し疲れ休憩する。空いた席に腰掛け机に突っ伏す。
「や、お疲れ様。」
「…だれ…?…」
…この声…最近聞いた気がするけど…どこだっけ…
「あれ?私の名前覚えていないの?」
「…えーっと…」
「私の名前はダナエ。ダナエだよ。覚えていないの?」
…ダナエ…ダナエ…?…え…?…ダナエ…!?
ちょっとの間、戦闘はない…予定です!
お楽しみいただけましたか?
次回は水曜日です。
では。




