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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
4章 吸血鬼&吸血姫
49/116

Settlement<<決着>>

Settlement(セッテレメント)


下にいた奴らは消し飛んだはず。

フフフ…これで終わり。さてと、踊り子はどこに逃げたのかな。

…足音?何処?

背後にはボロボロになりつつも氷で作られた階段を高速で駈け上るヴィットの姿があった。階段は登るたび落下していく

「…ったく…しぶといな!」

彼女は吸血姫の愚痴は無視する。…というよりも今の彼女には言葉が届いているかは定かではない。ヴィットは氷の爪で吸血姫に襲い掛かる。そのまま地面に叩きつける。

叩きつけられた地面は、先ほどと雰囲気は一変しており、雪原になっていた。

「ふふふ…困ったね。流石に困ったね。ここまでなんて…。」

「グルルルルル…」

クラップスはヴィットの攻撃を避けるために飛び退くが、飛び退いた方向からは大きな氷塊が降り注ぐ。

氷塊をそのまま直撃した彼女は右半身を欠損する。先ほどと同様で、半身はすぐには再生せず、傷ついた箇所が凍りついて再生しない。

「あら、またこの手?自分で切るの痛いんだよ?」

残った腕で体を切断しようと試みる。…が腕はヴィットが噛み付いて止める。

(もう一度同じ方法で助かれるとでも?)

「…この子は頭よくなさそうだからね。しかもキレちゃってるしね?」

(キレてはいるが、冷静だと思うが?)

薄ら笑みを浮かべながらクラップスは腕をかみちぎられる。

「あらら…痛いね。」

噛みちぎられた腕が浮きクラップスの胸から下を切断する。切断した胸から下が再生してヴィットから距離をとって伸びる。

「…ふぅ。あー痛かった。」

クラップスからは薄ら笑みが消えない。

それもそうだ。彼女のがどんなに攻めたとしても、クラップスを消し去ることはできない。

が、彼女を倒すこともできなさそうだ。

「今回は引き分けだね。今回はひかせてもらうよ。」

(まて、我が手を下せば、主を消し去ることができなくても、封印することはできるぞ?)

首輪からユキトが実体化する。ヴィットは膝を付きクラップスを睨む。

「ん?ああ。できるかもね?でも…こっちにも人質がいる。いいの?子猫がどうなるか知らないけど?」

(リームシュークめ…わかった。元のいるべき場所に帰れ。あと、あの残念な奴もつれていけ。)

「…まぁいらないけど…少しは鍛えればそこそこになるかもしね。いいの?あの子を狙うと思うよ?」

(問題ない。その残念のに負けるところは想像できん。)

「それはそうね。」

クスリと笑って結界を解いてウェンディゴの首元を持って空へ消える。

消えた空からリームシュークが降ってくる。

(マ、マスター!)

ため息を付くとリームシュークの下に氷の滑り台が作られユキトとヴィットの元へ運ぶ。

(ふぅ…見捨てられるかと思った…)

「見捨てないよ。ボクの…。大切な友達だもの。」

(加えてこれを解いたら当分の間、こやつは魔法を使えん。お前の助けがどうしても必要だ。)

(そかそか。たすかった。でもヴィットは亜人だったの?)

「らしいね。ここまで解放したのは初めてだけど…前に…やった時はすぐに…」

(ああ。魔法が使えなくなっては万が一があったのでな。常人と比較してはるかに強いが、最近は魔力に頼りすぎで心配だったからな。注意しても直る兆候すらない。)

「…う…気を付ける…」

(いい機会だ。強制的にな。)

ヴィットの髪色や瞳は徐々に白みを帯びていく。

(ねぇ。ヴィットは何の亜人なの?猫なのはわかったけど…。)

(さぁ…な。)

「…ユキト…?…何か知ってる…の…?…」

(さて、そろそろあの吸血姫の結界が崩壊する。我もそろそろ帰る。)

そういってユキトは結界の崩壊とともに消える。

(ちょ…ちょっと!マスター!)

彼女の風貌が普段通りになると彼女の口調も元に戻る。

(あれ?ヴィットはさっきのしゃべり方じゃないの?)

「…私は…これが…いつも…」

(ふーん?ボク向こうも好きだけどな。)

「…でも…これが…」

(ま、いいや。ボクが魔力が戻るまで守るよ。でもさっきのも好きだよ?)

「…うん…よろしく…」


結界が完全に崩壊すると沼地に戻される。

「ヴィットさん!お帰りなさい。よく御無事で!イロードさんとゲルンさんはマスターが大急ぎで酒場に連れて行きました。イロードさんは大丈夫ですが、ゲルンさんはまだわかりません。」

「おう。白髪の!」

「…インス…無事だったんだ…あと…シロフォン…」

「なに?無事だったら悪い?」

「…別に…あいつは…たぶん…吸血鬼になったよ…」

「え?あの時…私の前で死んだんじゃ」

「…死にかけのとこ…吸血姫に噛まれて…そのまま…」

「ふーん…あいつが…じゃ片付けたの?」

「…いや…連れてかれた…。」

ヴィットをちらっとシロフォンは見る。

「えーと…ヴィットでよかった?」

「…え…うん…。」

…番号で呼ばないでくれるんだ…この人は…。

彼女の中で相手の認識を変える。この人は思っていたような人じゃない。

自分が相手のことをちゃんと見ていなかったと反省する。

「たぶんだけど…あなた、狙われるよ?…あの人あなたに嫉妬してたし。」

「…そ…でも大丈夫…。…あんなのに…負けない…じゃ…急いでかえろ…?…私…ルンのとこ…行く…。」

クラップスが撤退したことで周辺で大量に湧いていたアンデットの集団はいなくなっていた。

ヴィット達は大急ぎで帰路に就く。

ひと段落つきました!


次話 月曜です!

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