kontringen<<反撃>>
――kontringen――
クラップスから出た何かにヴィットは吹き飛ばされた。
「あ、ごめんね?ちょーっとまちがちゃった!一緒にゴミも掃除しちゃった?」
ヴィットの背後から魔力を放出させてヴィットを弾き飛ばしたようだ。
「え…?ヴィット!?」
「油断したら駄目じゃない?」
クスクスと吸血姫は笑いながら襲い掛かるゲルンを軽くあしらう。
「いいの?何かするんでしょ?早くしないと…あの子、死んじゃうよ?」
指を鳴らすとヴィットが倒したグールナイトが復活する。
「なりそこないだけど、あいつらしぶといからね?」
「ヴィット!!おきて!すぐ起きて!!」
彼女は勢いよく吹き飛ばされ、受け身をとられなくて意識が飛んでしまっている。
(ヴィット!勝手に魔力を借りるよ!)
<Väggar av is(氷の城壁)>
リームシュークのが魔法陣を展開して氷の壁を作り、ヴィットを包み込み、頭を前足でカリカリと起こそうとする。
(これなら簡単には壊されないよ。だから早くヴィット早く起きて。)
「とりあえず、もう頭に来たからね!」
<groning(発芽)>
ゲルンは軽くあしらわれながら最初の攻撃時に仕込んだ物を使う。
「ん?なぁにこれ?」
「ボクからのプレゼント。吸血姫ってさ人間よりも全然強いけど…弱点ってあるでしょ。いろんなものがあげられてるけど…ボクはこんなことを思っているんだ。人間よりも血液が必要なんじゃないかなって。」
「血液?」
「そ♪だから種族的に近い人間から直接摂取しているんじゃないかなって。」
「…だから?」
「こんなプレゼントってどうかな?」
<Blodsugande blommor>
クラップスの体から発芽し、彼女の血を吸って赤い花を咲かせる。
「…気持ち悪い。なにこれ?」
「似合ってると思うよ♪君みたいな化け物にはね♪」
「これがお前の言っていた『諦めたわけじゃない』ってことなの?」
<bristning(破裂)>
赤い花は血を噴いて勢いよく破裂する。
「直接攻撃は苦手でもね、こういうのは得意なの♪」
「…小賢しい真似をするねぇ」
クラップスは直立したまま残っている花を無理矢理にむしり取る。
「そんなに毟っても無駄だよ♪」
毟っても毟っても次から次へと芽がでて花を咲かせる。そして花は血を吸うと破裂する。
「ふーん、これじゃきりがない…こうしたらどうなるかな?」
クラップスが魔力を自分に集め、怪しい光が体を包み込む。
<bostad Minimera(崩壊)>
光が強くなった直後に彼女の体が崩壊する。
粉々に。
そして崩壊した体に蝙蝠が集う。そして蝙蝠が人の形を模していく。
「これでどう?花は咲かなくなったかな?」
「…そうだね。」
「あっちも加勢してあげなきゃね。」
そういって一体の蝙蝠がデュラハンのもとへ飛んでいく。
「させると…」
「させてもらうよ?コレお返し。」
ゲルンのおなかをクラップスはなで、指をパチリと鳴らす。
「こう…かな?」
するとゲルンのおなかから大きな赤い花が咲き始める。
「残念だけど…ボクには聞かない。」
神樹の大鷹がゲルンの前を飛ぶとその瞬間赤くなった花は白くなり、その場にポトリと落ちる。
「自分の仕掛けたものでやられないよ♪」
――――――――――
(ヴィット!早く!目を覚まして!!早く!!)
「…ん…シュー…?…」
ヴィットの首を強めに咬みつき目を覚まさせる。
「…!?…っ…!!」
痛みでヴィットは覚醒する。
「…シュー…!…何があったの…?…」
(あの魔女の魔力でヴィットが吹き飛ばされたの!そしてボクが氷の壁を作って守ったの!)
「…そか…ありがと…」
ヴィットは周りを確認して冷静に考える。
敵の数は振り出しに戻ってグールナイトが15体、それにデュラハンが1体。
…魔法を…食らった背中が…痛い…
…でも…負けられない…。目の前の敵を倒して、ルンに加勢しなきゃ。
「…シュー…もう大丈夫…早くしないと…ルンが危ない…」
合図とともに氷の城壁が粉々になり、その瞬間に5体のグールナイトが地に伏せる。
「…どいて…!…」
<iskniv(氷ナイフ)>
魔法陣から氷のナイフを敵の数だけ形成して射出する。
…ルンの真似だけど…うまくいくかな…?…
氷のナイフへ魔力を送り、ナイフからワイスナイトを凍結させる。
…あとは…さっき倒し損ねたあいつ…!…
…さっきみたいには…いかない…。
「…シュー…!…吸血姫を警戒…」
(大丈夫、ゲルンがひきつけてくれてる。今のうちにあの首なしを!)
「…わかってる…」
デュラハンが大刀を振りかぶった瞬間、大刀に飛び乗る。
「…君には…悪いけど…もう…君に攻撃はさせない…」
ヴィットは頭のない怪物に微笑みかける。
そして魔力を大刀に流し込みデュラハンの大刀と右手を凍結させる。
そして持っていたナイフを右腕に振り下ろす。刀身ではなく持ち手部分を。
デュラハンの右腕は凍りついて脆くなっていたためか、デュラハンの右腕は砕ける。
「…左手だけで…勝てるかな?…」
もちろん彼に首は無いためこちらの言葉を聞くことも、もちろんしゃべる事もない。
「…次は…こっち…!…」
左ひじにナイフをねじ込み、魔力を流し込む。そして十分に魔力を流した後回し蹴りを入れ、左腕も砕く。
…これで…充分に勝機が生まれる…!…
ヴィットは油断せずにデュラハンにとどめを刺そうとするが、デュラハンの首に蝙蝠が止まる。
残業で遅くなりました。
次回は金曜日予定です!




