plunge<<突入>>
――plunge――
ビローアとインスの目の前をワイトの群れが壁となる。
壁はできるが、ビローアとインスの一撃で簡単に吹き飛ぶ。
…おかしいですね。
今のところ戦闘を行った相手だけですが、手ごたえがなさすぎます。
少なくとも、僕等の相手は存在しているだけであって、戦闘する意志は無いように見えます。
こちらの行動を制限はしてきますが、何か…
何か見落としている可能性があります…
「おい!青髪!」
「すいません。考え事をしていました。」
「随分余裕だな。まぁいい。おそらくだが、似たようなことを考えていると思う。」
「違和感があります。今のところ遭遇した相手に」
「手ごたえがない。」
「そうです。わざとでしょうか?マスターとヴィットさんの所では落雷がありました。」
「あっちは普通の相手ってことか?」
「そう考えられます。…が、マスターという人は敵に対して容赦とかは有りませんので、もし同じような相手でも気が付いていないかもしれません。ヴィットさんもですね。」
「なるほど。あの魔女であれば通常の相手でも、ただの壁だったとしても大差ないだろうな。」
再度目の前には再度ワイトの壁が構築される。
そしてワイトの壁の後ろにはスケルトンの壁、ゴーストの壁…。
二人はほぼ同時にため息を付く。
目を合わせて…
「とりあえず、向かうか。」
構築されていた三つの壁は瞬く間に消し飛ぶ。
二人が小島にたどり着くのは簡単なことだった。
――――――――――
ゲルンとイロードもビローア達と同じで敵の違和感に気が付いていた。
「ねぇ?なんかおかしくない?」
「ああ。おかしいな。なんでこいつらこんなに弱いんだ?シロが助けに来たときはもっと手ごたえあったよな?」
「まぁ誘い込まれているのかもね?」
「さそい?なんで?ボクたちを誘い込んであいつ等にメリットがあるのかな?」
「わかんないな。あいつらの考えなんか。とりあえずは俺に復讐するって言っていたのはわかった。」
「それって最後に言ってた一言だけじゃない。」
ゲルンはイロードを笑ってしまう。
「まぁ、おかげで簡単に目的地だね。」
南からの突入ルートは目的地に一番最短距離のため予定通りに到着する。
そして小島周辺の敵を掃討する。
「さてと、作戦を改めましょうか。」
ゲルンはイロードが小島周辺の敵を掃討する間に思考する。
思考に集中していると心配そうな顔をした少女がゲルンに飛びつく。
「…ルン…!…」
「ヴィット!二時間ぶり♪」
「…珍しいね…?…隙だらけなの…なんか…あった…?…」
「考え事♪…ちょっとおかしなことがあってね。」
「…おかしな…?…」
「うん♪まぁいいや!全員集合!作戦をすこし変更する!」
――――――――――
ゲルンとイロード、ヴィット、マスターは顔を合わせて
「たぶんだけど、中には外とはレベルの違う奴らがいると思う。本命は中にいる。たぶんだけど、シロフォン達は偽の情報に踊らされたんだと思う。ここまでボクらは来たけど、報告にあった6千なんて敵はいなかったと思うんだ♪…幻惑…か何かを使ったんだと思う。吸血鬼ってそもそも魅了っていう力を持ってるからそれの応用でどうにかされたんだね。これからの予定なんだけど、イロードは先ず、合図の火柱を立てて。出来れば小島を包む結界にしてほしい。イロード、ボク、ヴィットの三人で結界内に突入。マスターはビローア達が来るのを待ってほしい。突入後ヴィットはシューちゃんとこの前使った浄化魔法を使ってほしい。中にもいるって考えたほうがいい。んで、イロードは吸血鬼を、ボクは吸血姫を、ヴィットちゃんは、わまりにいるだろう雑魚を。雑魚がいなくなったらボクの援護を。わかったね♪」
全員が頷き、準備をそろえる。
「準備できたか?結界に突入したら先ず全力を出せ。ゲルンの考え通りだ。ここらにいる奴らは雑魚だ!だけど中にいる奴らは違う。前に戦闘したときは吸血鬼になりたての雑魚だったわけだが今はおそらく伯爵クラスだ。」
「…伯爵…?…私よくわからない…」
「あとで教えてやる。ったく、孤児院で教え込まれなかったか?」
リームシュークがヴィットに直接伝える。
(ボクの知っている知識だけど、吸血鬼は王、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順番でランク付けされているんだよ。伯爵だったら吸血鬼のランクでも高いほうなんだって。子爵、男爵は結構ごろごろいるんだけど、それ以上の位はなかなかいないんだよ。あとは吸血鬼に噛まれたら、吸血鬼になるっていうけど、その件はここにいるメンバーは心配ないよ。魔力があればそうならない。)
なるほどとヴィットは頷く。マスターは二人の会話を聞いていたようだ。
「わかりやすいたとえだと、今日、戦ったオーガロードがいたでしょ?あれが成長したとして子爵どまりの強さ。あれよりも強いって思ってね。ヴィットちゃん」
「…ふーん…あれで…子爵止まり…」
「じゃ!合図だしたら突入。直後俺とヴィットは召喚を行う。」
「いくぞ!!」
ヴィット、ゲルン、イロードの順番で結界に突入し、イロードは突入直前に唱える。
<<eLDSTOD(焔柱)>>
轟音と共に豪炎の火柱が立ち、小島を覆う。
結界の中は大きな舞踏会会場になっていた。
会場の真ん中では吸血鬼と吸血姫が優雅にステップを踏んでいる。
「ようこそ、我らの宴へ。今夜は満月…」
そして周囲には複数のアンデットがいた。ざっと目算で500体。
…外にいた下級のアンデットではなく、上級なアンデットが。
―終焉を告げる極なる使者よ、我らの敵に終焉を―
―現世の迷いし不死者達に救いの導きを―
―場、空間に聖なる光を満たせ―
リームシュークが光り輝く。室内はリームシュークの発した光に包まれる。
光に包まれたアンデットの六割が消滅する。
「クスクス…お子様は礼儀を知らないようね。」
「化物に対して礼儀も何も必要ないだろ?無礼講ってことでな。さっさと片を付けさせてもらう!」
イロードは槍を地面に突き刺して手を前に翳し槍に対して魔力を籠めて唱える。
Ilsken Eld Wolf<<怒焔狼>>!!
―黒紅の炎、神話時代より全能の独裁者を狩る紅蓮の狩人よ―
Svart röd av eld, jaga diktatorn den Allsmäktiges än mytologi era,Karmosin jägare.
―契約に基づき我の魔力を用いて顕現せよ―
Om manifestationen genom att använda magi oss på grundval av kontraktet
ゲルンは祈るようにかがみ、指輪に魔力を注ぎそして唱える。
Heliga Träd Hawk<<神樹鷹>>!!
―元始の森、我らよりもこの地上を覆い尽くす翠蓋の住人よ―
Gammelskog Än oss helt täcker marken Invånare i Gröna invånare
―契約に基づき我の魔力を用いて顕現せよ―
Om manifestationen genom att använda magi oss på grundval av kontraktet
そして…二人の詠唱により二体の召喚獣が顕現する…
なかなか戦闘シーンって難しいですね。
まだまだです…




