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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
4章 吸血鬼&吸血姫
30/116

akut mission<<緊急ミッション>>

――akut(アクート) mission(ミッション)――


ゴゴゴゴゴ…

大きな地響きが領内に響き渡る。そして同時に大きな揺れが発生する。


ブレリュでは大騒ぎだ。

被害は大きくないが、けが人が何名か出ているようだ。


詰所には被害状況の確認に追われていた。

「ったく…ここら辺はそんなに地震が発生することはあまりなかったと思うが。なんだろうな?」


憂さ晴らしは、イロードの所で飲もう。あの気のいい店長のもとで。頼んでいた仕事も即日解決してくれた。

彼らの腕、そして手際の良さ。完璧としか言いようがない。お礼に何か差し入れを持っていこう。報酬も含めて。


さて、もう少しで領内の被害状況がまとまる。

特に対処しなきゃいけない問題もなさそうだ。


定刻になれば交代の相手も来る。それと話を引き継いで今日の仕事は終了。

何もやらない。残業なんてしてたまるか…。そうデプロは心で叫ぶ。


そう心に決めて、引き継ぐ資料をまとめる。

「こんな、忙しいときに、キライの奴…怪我で欠勤とか、ありえないな。戻ってきたらどうしてやろう…」

「おやっさんが鍛えてやれよ。あいつ腕は確かなんだろ?」

「ああ。あいつの腕は確かだ。あのおどおどした性格がなければ、俺よりも強い。性格がなぁ…経験を積めば、ましになってくれると踏んではいるんだが」

「まてまて、おやっさん。俺よりキライの奴が強いってか?それは無いぜ?」

「だから、あの性格がなければって言っているだろ?」


ダッダッダッダ…ガタン!


一人の商人が駆け込んでくる。

「デプロ!!大変だ!!モカ沼地が!」

「なんだ?沼地がどうした?沼の水が干上がっちまったとかか?それともさっきの地震で被害か?どうでもいいぜ。あんな陰気な場所。」

「ち…違う!あの沼地に化け物の大群だ!」

「化け物の大軍?リザードマンでも大量発生か?地震といい、爬虫類の大量発生も天変地異の前触れなのかね?いいよ。もう飲もう。」

「ちゃんと話を聞いてくれ!デプロ!リザードマンならいいが、アンデットの大群だ。」


一瞬彼の思考が停止する。そして停止した時間を取り戻すかのように動き、しゃべり始める。

「…まて。まてまて。アンデットだ?それが本当ならまずいぞ。」



デプロはあわてて、周辺の地図を開きいろいろな情報をまとめる。

大群を目撃した位置、目撃されたアンデットの種類…まとめなければいけない情報が膨大にあふれる。


配下の人間に命じて領内にいる聖職者を集合させるように要請する。

加えて、冒険者や傭兵、旅人、宿舎にいる兵士を訓練場に集める。


そして状況を説明する。

敵はアンデット。力を持たない人間を連れて行けば、逆に仲間入りさせられるだろう。

困った…

集めた戦力を確認しても太刀打ちできる人間は集まった人間の半分だ。

ただ…大群と戦って無事でいられるか。失った場合の被害は甚大…


デプロは詳細を説明している途中に気が付く。自分の知っている最大の戦力がここに居ないことに。

「おい、イロード達は!?」

「店には誰もいませんでした。キライは二階の宿で眠っているのを見ました。」

「俺がもう一度いってくる!あいつら以外、任せられる奴らはいない。一度隠密行動に長けている奴らを集めて、沼地を調査してくるように伝えてくれ!知りたいのは全体数の把握と、沼地のアンデットが沼地の外に出てくる可能性だ。とりあえず、沼地から出てくる気配がなければ、領内の人間には被害は出ない。もし、外に出てくる可能性があるのであれば、領内の人間を外に逃がす準備をしなければいけない。」

「わかった!急いで準備する!」



「この中で隠密行動ができる人!いますか!?さっきデプロから説明があったと思うけど!敵はアンデットの大群だ!見つからないで動ける自信のあるやつ!」


黒ずくめの男女の二人が前に出る。

「報酬次第で俺たちやってもいい。」

「わかった。状況が状況だ。いくらだ!?」

「25万ルチロ?でどう?」

「25!?…」

困惑した表情を浮かべる。

「わかった。15万ルチロでいいよ。」

「あ…いや。わかった。それでお願いしよう。」


男は音もなく走り始める。

女はそのあとを追いかける。


「…25万ルチロでも安いと思ってたのに…安くしてもらったな…」

デプロの部下はそう呟いた。


ーーーーーーーーーーーーー


「ね?15万ルチロって安すぎない?」

「うん。でも簡単な仕事でしょ?じゃ。調べて戻ったら交渉してくれ。お前のほうが適任だろ?討伐も含めにしてな?」

「でも、あのデプロっていう人。誰かを呼びに行ったんでしょ?私たちにここでアンデットに勝てる奴らいるのかな?」

「少なくとも、孤児院のメンバーならいけるだろ。孤児院から抜けたメンバーいたろ?えーと、」

「元、2番と7番、18番と22番かな?」

「あー…22番がいるの?俺、あいつ苦手なんだよね。」

「苦手、じゃなくて無理なんだろ?現在の22番としては。」

何かいろいろ言いたげな女。

「うるさいな。あんな欠陥だらけの奴よりも劣っているって思われていたんだぜ?」

「まぁ。いるとは限らないだろ?」

「居たらどうする?始末?でも1番の命令は偵察だろ?」

「いや。今日は吸血鬼退治でしょ?最悪手を組んでもいいと思ってるよ。今の組織の売名が一番の目的だし?」

「そか。でも22番にあったら?」

「え?1番からの伝言あるし伝えて、そのあとは処分かな?欠陥品の処分!」


と、高速で移動しながら話しているうちに沼地に到着する。

やかましいくらいに話していたが、偵察が今回依頼された内容なので口を閉じ、ハンドシグナルでお互いの意思疎通を図る。

目的は沼地の化物たちの総数、行動範囲、種類などの偵察。

そして、吸血鬼の居場所を探り出す。


ーーーーーーーーーー




急いでデプロは駈けこむ。

「イロード!いるか!?イロード!!」


キョロキョロと酒場内を探す。

…いないか。どうする?あいつらじゃないと…


ガチャ…

「どうした?デプロ?俺に用?開店にはまだ早いよ?それにまだ仕事の時間だろ?」

「依頼だ…さっきこなしてもらった直後で悪い。頼める相手が今回お前らしかいない!」

「依頼だ?オーガの件はこなしたろ?」

「沼地に…化け物が大量発生した。すでに腕の立ちそうな奴らに声をかけてある。」

「…死霊系か…」

「ん?なんだ?知っているのか!?」

「ああ。依頼だが、悪ぃ。今回は引き受けない。」

「なんだと!?おまえ!」

「俺が自分の意志で出ていく。そして頼みがある。頼んだ人たちは領周辺で待機させてくれ。」

「なんでだ?」

「俺ら全員で全力を出す。巻き込む可能性が高い。」

「んな…どれだけすごいんだお前ら…」

「デプロ。お前になら本当の力を教えてもいいと思う。ほかの奴らに言わないと約束できるか?」


デプロは頷く。

「俺ら全員魔法が使える。しかもこの前見せているのは比じゃなく、一人でこの領を崩壊させることができる。」

デプロは思わず腰を抜かす。

「もし…俺がばらしたら?」

「いや。なんもねぇよ?俺ら全員で領から出ていくだけだ。安心しろ。口封じに殺したりとかそういうのは無い。」

「にわかに信じられないが…」

「デプロさん♪こっちに来てください。」

デプロの腕を引いてキライのいる部屋に入る。

「キライか、こいつも戦力になるはずなんだが…」

「とりあえず、みてて。」


ゲルンが人差し指に嵌めた指輪に力を籠める

<<<Behandling(ベハーンリィグ) Incantation(カンターフォン)(治療呪文)>>>

「これで肩慣らし。」

「…な。」

「まぁ、今見てもらったのは回復だけど、攻撃魔法はこんなもんじゃない。」



驚愕したデプロは文字通り開いた口が閉じなかった。


「…わかった。秘密にしよう。こんなすごい能力があれば、それだけで儲けられるんだろうがな?…条件次第だ。お前らが何者か、それは説明してもらえるか?」


若干めんどくさそうに頭を掻き毟りイロードは答える。

「いいよ。一仕事終わらせたらな?」

「とりあえず、沼地の状態を見に行ってもらってる。偵察だ。そいつらが帰ってきたら、お前の指示を伝えよう。」

「偵察だ?誰に行かせたんだ?」

「悪い。部下に任せたから、俺は見ていないんだ。兵舎に沼地の地図とかあるからとりあえず、兵舎まで来てくれないか?偵察に送ったやつの話も聞ける。」


イロードは先にデプロを見送る。

彼はとりあえず想定される情報と、宿にいる全員に沼地に何がいるかを説明する。

ようやく少し物語を進められました。


…まだ戦闘ではないですが…


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