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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
4章 吸血鬼&吸血姫
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Monster av förbittring<<恨み>>

――Monster(モンスター) av(オブ)rbittring(フォビティング)――


「ここが、あいつが言っていた酒場かな?」

真っ赤な燃えるようなローブをかぶったそれがつぶやく。



来店者に気が付いたヴィットとビローアは店に出て行く。

「いらっしゃいませ。空いている席にどうぞ。」

カウンターに腰掛ける。

「赤い髪の男はまだ帰ってこないか?」

「イロードでしたら、もうすぐ帰ってくるかと思います。」

「待たせてもらう。一番強い酒をくれるか?」

「わかりました。少々お待ちください。」



お酒をとりにビローアは酒蔵へ移動する。

(ビローア?あのお客さんは…)

「リームシュークさんは気がつきましたか。ヴィットさんも気が付いているみたいですが、人では無いですね。人の形はしていますが、違うみたいです。」

(亜人だよ。多分…龍人かな?)

「亜人ですか。書物でしか見たことなかったですね。龍人ですか。マスターからの依頼に関係あるのでしょうか。」

「…ビロ…私は…ルンとイロの所…行ってくる…」

「そうですね。今のところは問題なさそうなので、2人の安否を確認してきてください。」


ヴィットは頷き急ぎで装備を整える。

「…シュー…いくよ…」

肩にリームシュークを乗せ、影に潜る。


何度か繰り返したおかげでどれがゲルン達の影かわかるようになった。

(…よかった…魔力はあるから…生きてる…けど…なんか沢山の魔力…?…)


ゲルンの影からヴィットは素早く飛び出る。

周囲を確認すると沼地だった。


(ヴィット!囲まれてる!)


どうやら、2人は何かに巻き込まれているようだった。

明らかに疲弊している。現に影から出たヴィットに気が付いていない。

2人の周りには大量の骸骨、ゾンビ、マミー、ワイト、ゴースト… 死霊系のモンスターに囲まれていた。


一体一体を見れば彼らが遅れを取ることは無い。

ただ、物量が違う。加えて、仕留めても仕留めても復活する。

イロードの火の魔法を使えば、なんとかできそうだが…この状況を考えれば何かあったと考えるしか無い。


ゲルンの後ろから一体の骸骨が剣を振り下ろす。

投げナイフを骸骨の腕に投擲し防ぐ。


「ヴィットちゃん♪ありがと。今のは助かった。」

「シロ!いいところに来た!」

「…イロ…何してるの…?…竜は…?…」

周囲にいる魔物に対してナイフを投げ距離を離す。


「説明してる時間は無い!」

「…みたいだね…」


一度退けても不死な為、すぐに距離を縮めてくる。

(ボクに魔力を注いで!これじゃ、きりが無い。)

「…わかった…」

(そこの2人は援護を!)


「あら♪可愛い猫!」

「なんだ?この生意気な。」

笑いながら2人は言う。


(いいから!)

ヴィットは魔力をリームシュークに注ぐ。


ー終焉を告げる極なる使者よ、我らの敵に終焉をー


リームシュークは詠唱と共にヴィットが注いだ魔力を用いて魔法を使う。

ヴィットから流れる魔力量に比例して、強烈な冷気が空間を支配する。


ー現世の迷いし不死者達に救いの導きをー


リームシュークが白く輝くと光の輪が空間に広がる。

それに触れた実体のあるモンスターは凍結して粉々に崩れ落ちる。霊体のモンスターは光に当たり浄化される。


周囲に残ったのは生のあるヴィット、ゲルン、イロード、リームシュークだけである。


「…イロ…酒場にお客様…」

「客??ああ!赤いローブ被った奴か?」

「あら♪ボクらのほうが後になっちゃったね」

「とりあえず、急いで帰るか…待たせのもわりーし」


ヴィットは一度戻り、ビローアに現状を報告して戻る。

ここは危険だからと足早に離れる。


沼地を抜け平原に出る。この平原を抜ければブレリュだ。

「…ところで…イロ…」

「なんだシロ?」

「…なんで…さっき…魔法…」

「ああ、今使えなくてな。」

「…使えない…?…」

「うん♪ちょっとイロードへましてね。」

「…へぇ…」


じとっとヴィットはイロードを睨む。

「わりぃ、わりぃ!ゲルンを危ない目に合わせたのは謝る。」

「…ま…いいけど…。…ね…?…何があったの…?…」

「依頼はちゃんとこなせそうなんだけどね♪」

「俺の魔力は炎龍に貸し出した。」

「…貸した…?…お客さん…関係…あるの…?…」

「ああ。あるある。」

「…さっきのは…?…」

「あれは、恨みだな。怨恨ってやつだ。前に討伐し損ねた化け物の反撃だ。」

「…そんなの…あったんだ…イロ…そんなミス…するんだね…」


件の詳細を聞き出す。

死霊系のモンスターの元締めはドラキュラとドラキュリーナの組み。

もともと逃したのはドラキュラの一体だったが、それが大量の配下を加え、力も増大させていた。

普段のイロードであれば、簡単に焼き払うことができただろう。


それが、ちょっとした取引の結果、追い込まれていた。

本気を出せば何とかなったといっていたが…


本当のところはわからない。

平原を無事に抜け、ブレリュにたどり着く。


「まず、酒場行くか!来てるんだろ。あいつ。」

「…うん…まぁ…酒場で飲んでる…じゃない…?…」

「それより、シロ達のは大丈夫だったのか?」

「…私達…簡単に…マスターに…報告も…終わってる…」


沼地でいろいろあったが、とりあえずそれは後で全員で話そうと決めて全員で酒場に向かう。


二人は声をそろえて、一人は俯いて赤くなって口にする。

「今帰ったぜ!」

「ただいま♪」

「…ただいま…」


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