表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
3章 マスターの依頼
26/116

ersättning<<報酬>>

―――ers(イエス)ättning(タイング)―――



(…ビロも…先帰っちゃったし…マスターいつ来るかな…)

ヴィットはきょろきょろと周囲を見回しながら、オーガの死体しかないことにうんざりする。


(…天気…良過ぎて…気持ち悪い…)

坑道内に避難しようか迷うが、マスターが来るのを待つためにオーガロードを閉じ込めた氷塊の周囲にいることを決意する。


(…こないな…マスター…)

「や!ヴィットちゃん。ごめんね?遅くなって」

何処からともなく声が聞こえる。

明らかにマスターの声がする。


「…マスター…どこ…?…」

「ごめんごめん。ちょっと驚かそうと思ってさ!」

ヴィットの影からマスターは現れる。

「この前ヴィットちゃんが戦ってるところを見せてもらったからね。ちょっと研究してみたんだ。」

「…ちょっと…?…」


くすりと笑いながら、腕輪を取り出してヴィットにつける。

首をかしげて首輪を眺める。

「ちょっと作ってみたんだ♪影鬼の腕輪だ。魔力を込めると特定の人物の影に飛ぶことができる。」

「…影に…?…」

「そ♪影に。今、私がやったみたいにね。私はどうやったらできるか理解したから、もう腕輪なしでできるの。」

「…なんで…私に…?…」

「ん~。ご褒美かな?この前いろいろ見せてもらったしね~」


腕輪をよく観察し、邪魔にはならないと判断する。

「…ありがと…気に入った…」

「ちなみに、一つは君がユキトと呼んでいる子。あとは、ゲルン、イロード、ビローア。そして私。まぁ私のところは場所によってはこれないから気を付けてね♪あとは、たぶん場所によっては使えないから、逃げのあてにしちゃダメだよ。じゃお試しで使ってみなよ。私の影に移動してみて。」


言われたヴィットは魔力を腕輪に込める。

すると、腕輪は黒く発光し、体は影に沈んでいく。

(…これが影の中…マスターのは…これ…?…)

恐る恐る影から顔をだして周囲を確認する。



「ん?誰かの気配がする?誰だ!?ルゥ!警戒しろ!」

「ロー?なになに?炎龍の気配はまだしないけど…」

ゲルンは周りを警戒して、イロードの影を見て微笑む。

「どうやって来たの?ヴィットちゃん♪」

「んあ?シロ??どこにいんだよ…ルゥ。」

「…イロ…二人のとき…そうやって…よんでるんだ…?…」

「げっ…シロ!…どうやって!」

「…私は…マスターのところに…出たつもり…だったんだけど…」



じゃ…と伝えヴィットは再度影に潜り別の影から外の気配を窺う。

「…マスタ―の…見つけた…」

「おや?その言い方だと別の影から出ちゃった?」

「…うん…イロとルンのところに…出ちゃった…」

「魔力を感じ取るといいよ♪相手の魔力を感じ取れる?それを目当てに行けばいけるよ。」


などと、使用方法、使用上の注意。などなどを話すと、オーガロードの観察を始める。

「これは、本当に珍しい個体だね。魔力に対しての何らかの抵抗力を持っているんだ。ふむ。ビローアもいい個体を提供してくれる。実験するのに面白いね。まぁ何に使えるかはわからないけど。使えるかな。とりあえず、ヴィットちゃんの魔力解いてもらっていい?」


ヴィットは魔力を解除すると氷は溶ける。

するとオーガロードは息を吹き返す。

『…っ…貴様ら…』

「とりあえず、黙っててね♪」

『ふざけ…』

マスターは指をパチンと鳴らすと、オーガロードはしゃべれなくなる。

「いいこだね。じゃ、そのまま小さくなってね。」

再度指を鳴らす。

オーガロードが小さくなる。マスターの手の平サイズに小さくなり、ポケットに入れる。


「じゃ…この子もらって帰るね。ビローアによろしく♪」

「…じゃ…またね…」


マスターは影に潜っていく。

(…マスター…何でもで…きるんだ…)


マスターのことだ。もう何ができでも驚きはしない。そう彼女は何でもできるんだ。

ビローアを追うか、ゲルンとイロードに合流するかを選択する。


腕輪に魔力を籠めると影に体が潜っていく。

(…さて…ビロの魔力…は…)

ビローアの魔力を感じ取って影から飛び出す。


「…ビロ…お待たせ…」

「…え、ヴィットさん!?…どこにいらっしゃるんですか!?」

「…マスターに…これ…もらった…」


もらった腕輪を見せる。

「何でしょうか?その真っ黒な腕輪…?魔法装備みたいですね。マスターから頂いたのですか?」

「…うん…昨日の…ご褒美…だって…」

「それで、魔法装備ですか。一日でこんなものを作成するなんて、さすがとしか言えませんね。」

「…で…どうしよう…?…すぐに…陰で…いけるよ?…」

「あの二人のことでしたら、心配ないでしょう。とりあえず、領に帰って詰所に報告行きましょう。」


ビローアに言われて二人の帰りを待つことにする。

彼には詰所に報告へ。彼女は酒場へ。

(…そういえば…キライ…薬…とか…変えなきゃ…ダメか…)


キライのいる部屋へいき、眠っている彼の包帯を交換する。

(…この傷痕…少し…残りそう…身体の傷は…ほとんど治ったかな…さすがルンの薬…)


意識の戻らない彼の包帯を取り換え、体を布でふいていく。

「…よし…これで…」


部屋へ戻り、二人の帰りを待つように自室のベッドに横になる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ