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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
3章 マスターの依頼
23/116

Flock av skruven<<オーガの群れ>>

――Flock(フロック) av(オブ) skruven(スクーヴァン)――


ヴィットさんはうまく潜入できたかな…?



少年はオーガの群れに囲まれながら、1体、1体確実に葬る。

が、大太刀は血にまみれ、切れ味もどんどん落ちている。


―――そろそろ、この大太刀の切れ味も厳しくなってきましたね。合図はまだでしょうか?それに、あいつ雰囲気違う奴がいる。

大抵の奴は問題ないと思うが、あの1体はこの武器じゃつらい…かな?


20体は片つけましたけど、あとは10体ですか。しかも、そのうち1体はずっとこっちを観察している?

困りましたね。あの1体と戦うときまでは本気は見せられない。



―――合図が来たら、すぐに奴に本気でとびかかります。


ガッ…

いやな手ごたえを感じそのまま一度引き抜いて頭にねじ込み、バックステップで退避する。


「はぁ、…まずいですね。残り9体残ってますか。」

『いいのか?武器を手放して。それを無くしては俺らには勝てないんじゃないか?』

「驚きですね。あなたも喋ることができるんですね。僕はオーガロードだけかかと思っていました。」

『俺らを討伐しに来たのか。』

「ええ。人間からしたら害悪でしかないので、申し訳ありませんが、全滅していただきます。」

『ふむ。俺らの食料でしかならないお前らごときが何を言うか。』

「お互い、話し合いなんて求めていないでしょう。」


とは言え、他のと比較して小さな個体だが…。


『考え事か?余裕だな。』

気が付けば警戒していた敵が間合いに入り込んでいる。

正直驚いているが、驚きを見せない様にする。


『随分と無表情だな。余裕か?それは追い込まれているのか?』

―――僕、観察されていますね。


かわし切れずに、吹き飛ばされる。

「…っ」


全身打撲、骨は…折れていないか。

体をだらりとしながら、ほかのオーガも警戒する。

先にほかの奴らを消すか?

そんなことを考えながら、あたりを見渡す。


『お前の名前は?俺はキーケ。なかなか気に入った。今回は見逃してやろうか?』

完全に見下すようにキーケは優越感に浸っている。


今は、時間を稼ぐ。

「僕は、ビローアです。気に入っただけで見逃してもいいのでしょうか?僕が逆の立場であれば、有無もなく殺しにかかりますよ?」

『これだけ追いつめられてそこまで口が利けるのか?』


キーケは他のオーガに指示を出す。

『まぁ、五体満足で帰れるとは思うな?やれ。』

近寄ってきたオーガに対して蹴りを入れ体を利用して飛び上がり、その勢いを利用して踵をオーガの頭に振り下ろす。


「あと、8体…ですね?キーケさんでしたか?あなたにはかなわないとしても、ほかに対しては遅れをとりませんよ?」

『本当、こいつら使えないな…親父達も微妙なところだがな?』

「親父…達ですか」


(困りましたね。単体ではないのですか。ヴィットさんは大丈夫でしょうか?)

さて、挑発してしまいましたが、そろそろ…


上空に水色の魔方陣が展開され、一つの大きな氷が落ちてくる。

大きな音と立てて。


『あれは、なんだ!?』



「ふーっ…」

大きく息を吐き、立ち上がる。

「キーケさん。残念ですが、ここまでです。ここからは本気で戦わせてもらいます。ヴィットさんの方も大変そうですので。」

ビローアの体が水色に発光する。


<healing(ヒーリング) magiska(マジスカ)(治癒魔法)>

「これで身体も回復しました。そして武器も主のものを使わせていただきます。」

双棍を構える。

『魔法使いだったか…油断していた!だが、そんな棒で俺に勝てるのか?』

「ええ。そして見込み違いがあります。ただの棒ではないですよ。」


双棍で突く。

キーケは難なくかわすが、避けた付近が裂ける。


『っ…なんだ!?』

「どんどん行きます。」

双棍でキーケを突く。突く。突く。

キーケも攻撃を寸前でかわすが、かわした箇所がどんどん裂傷していく。


他のオーガに対しても魔方陣を展開し激しい水流が襲わせる。

次の瞬間にはキーケ以外のオーガは瞬殺される。


『使えない奴らだが、仲間は仲間だ…許せないな。』

キーケは構えをとり、隠し持っていた湾刀を構える。

「ククリ湾刀でしたか?あまり見たことのない刀ですね。」


キーケが遠心力を使いビローアに斬りかかる。それをビローアは棍棒で受け流す。

普通の棍棒であれば、簡単に切られてしまうものだが、魔力を込めやすい、特製の棍棒のため切断されることは無い。

ビローアは一度距離をとると、本気を見せるといった手前です。

「本気見せます。」


<Vatten(ヴァテン) lie(リィ)(水大鎌)>



二本の棍棒を直列につなげると長棍になる。そして彼はさらに魔力を込める。

巨大な棍に水刃物が生成され、巨大な大鎌になる。

「オーガのような巨体であればこれが戦いやすいでしょう。あなたを処理して、ヴィットさんを手伝わなきゃいけないので、短時間で終わらせてもらいます。」


遠心力を加えて、大鎌を振るう。

キーケは危険を感じ取り、死体となったオーガの体を盾にビローアから遠ざかる。

が盾として使用したオーガをものともせずに大鎌を振るう。


紙でも切るようにオーガの死体を斬って進む。

坑道の入り口まで追い込む。

だが、キーケを坑道に逃がすことはしない。


キーケの足を切り落とし逃がさない。




「残念ですが、ここまでです。僕はヴィットさんを手伝いに行きます。では、安らかに。」


ビローアの大鎌は的確にキーケの首を刈り取る。

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