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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
3章 マスターの依頼
22/116

South Bureryu tunneln<<南ブレリュ坑道>>

――South(サウス) Bureryu(ブリュレ) tunneln(トンネル)――



「…そういえば…今回の武器…」

「ええ、今回の相手は巨体なので、大きめの武器を持ってきました。得意な武装ではないのですが、これにしました。」

彼の背には大太刀。

「…私も…ナイフじゃ…ダメかな…?…」

「いえ、今回ゲルンさんには潜入をメインでしていただきたいので、そのままで大丈夫です。それに、いつもの武器も持ってきています。」

大太刀と一緒に二つの棍棒も持っている。


「普通のオーガであれば、こっちで問題ないですが、もしオーガロードと戦う時はいつものを使います。この武器を最大限に使うときは魔力を必要とします。魔法はなるべく使わないようにお願いします。オーガロードの油断を誘うためです。」

「…油断…?…」

「ええ、襲撃相手が魔法を使用するとわかった時点で逃げ出す可能性があるので、とりあえずコレで戦います。可能性としてはヴィットさんがオーガロードと戦う可能性が高いので、戦いやすい装備にしてください。」


イロードが話していたような簡単な討伐ではなさそうだ。とヴィットは考えながら、隣にいるビロードを頼もしく思う。

「…ところで…50体…以上の…オーガは…なんとかなるの…大太刀で…?…」

「逃げながら戦いますので大丈夫です。ヴィットさんが潜入している間だけですね。」

「…なるほど…」

「ヴィットさんは坑道の奥まで行ってください。オーガロードを見つけたらそこで合図をお願いします。」

「…わかった…」


作戦を練りつつ、坑道の向かう。

途中オーガの一団と遭遇する。

「5体ですか。近くになりましたからね。準備運動しておきますか。ヴィットさんは」

刃渡りが自分と同じサイズの大太刀を構え、オーガの足元に潜り込み、その勢いを利用して一体の足を切り落とす。

手負いのオーガは叫び声をあげる。

「申し訳ありません。もっと大きな声を上げてください。坑道まで聞こえるように叫んでください。」


黒のローブを風になびかせ、

「…じゃ…ここで…わかれるよ…」

「ええ。ヴィットさん気を付けてくださいね。」

「…うん…じゃ…」


別れを告げ彼女は森へ入る。その際、投擲用のナイフを的確に3体のオーガの頭にに食らわせる。

残りは手負いのオーガ1体、無傷のオーガが1体になる。

「さすが、ヴィットさん。声もなく倒すなんて。」

ヴィットが森に入った直後、鞘を踏み台にして跳び手負いのオーガを両断する。そのまま大きく左に回りながら、遠心力を加えて無傷だったオーガの右腕を切り、わき腹を斬りつける。余りの手際に痛みを感じる前に腕は地面に落ちる。



すると、絶叫。


彼はまだまだといわんばかりにオーガの体を切り刻んでいく。


まだ。

(絶叫)

まだまだ。

(絶叫)

まだまだまだ。

(絶叫)

まだまだまだまだ。

(絶叫)

斬るたび、オーガは絶叫する。


絶叫がやむまで拷問のようにビローアは繰り返す。

誰にも止められることは無く、彼も無表情で。


悲鳴を聞き、何体ものオーガが坑道から出ていく。

他の個体と比較しても大きな物はいない。


逆に小さな個体。色の違う個体はいた。

別段最初に出てきたではなく、最後に出てきたわけでもない。

特段警戒しなくてもいいと思うが、怪しい一体がいる。


オーガロードではなさそうだ。

間違いない。

彼女のミッションは王の捜索。そして逃げられる前に相手を討伐する。一度魔方陣を展開し、ナイフを交換する。

奥まで調査して、すぐに合図を出そう。

なるべく最深部まで潜って、ターゲットの補足をしよう。自分のミッションを遂行する。


坑道から出てくるオーガがいなくなったのを確認して坑道に侵入する。

岩陰に隠れながら進む。進む中、何匹かオーガとすれ違う。ばれない様に何匹かは始末したが、前情報よりも多いオーガが存在している。


(…物量戦になったら…ビロに…不利…急がなきゃ…)


坑道内はとても複雑に広がっているが、坑道の地図は頭に入っている。

ビローアが詰所でもらってきた資料の中に坑道内の地図があったため、オーガロードがどこら辺にいるか目星はついている…3か所。


1か所は外れていた。残りは2か所。一番深いほうを先へ向かう。

外れだった。舌打ちをしつつイライラする。最深部には牢屋だった。オーガの主食は人間。それをみてイライラしている。

―ーー人間を家畜にしているなんて…。

もう一方へ向かう。すぐに元凶を絶つ。絶たなきゃいけない。


最後の一か所に着くと、入り口に2体のオーガが立っている。石を地面にあて気をとられている奴らの隙をみて中に侵入する。そして視認する。


「…こまった…1体じゃない…」

『ぬ?侵入者か』

『どうやら、ここまで入り込んだようだな』


目の前には2体のオーガロード。

特徴的に他の物と比較して大きい。武装がほかのもとと違い、明らかに充実した装備をしている。

それに加えてこちらの言葉を理解している。


魔方陣を遠方で展開する。

ビローアに対して合図を送る。


(…とりあえず…)

ナイフを二つ後方に投げる。入り口にいた2体のオーガを片つける。

4体になるとめんどくさい。


二体を片つけたところで、ビローアの魔方陣が展開される。

どうやら、確認できたようだ。


それを見て、ヴィットは魔方陣を展開する。出入りできる場所全てに展開して相手と自分をこの空間に隔離する。

相手の逃亡と、援軍を防ぐ。


相手の武装、特徴の確認。

赤いオーガロード…重厚な鎧をまとい、巨大な剣を持っている。剣の大きさは2メートルを超えている。

一撃。直撃をもらうと…危ないだろう。

青いオーガロード…軽装な鎧をまとい、巨大な弓を持っている。弓のサイズが大きいため、矢ももちろん大きい。これも当たったことを想像したくない。弓のほかに小型のナイフを装備している。…小型といってもヴィットと同じくらいの大きさだ。

二体のサイズはおよそ3メートル程。


『む、魔法使いか。だが、一人で何ができると思っている。』

『ふむ、部下達が出て行ったのも罠だろ。ふむ、困ったな。』

「…気にしなくて…いい…考える…意味なんて…」


弓を持つ敵が大きく飛び退き弓を引き絞り、着地する前に矢を放つ。

大きな風切り音を立てて、矢が飛んでくる。

ぎりぎりで彼女はかわす。そしてかわしたところにもう一体の剣が振り下ろされる。


…っ…どうやら苦戦を強いられそうだ…


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