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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
2章 ブレリュにて
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Belöningar och begäran<<報酬と依頼>>

――Belöningar(ベローニガ) och(オフ) begäran(ビラーヤン)――



「おーい!デプロのおっさん!来たぞ!」

詰所にイロードとゲルンは顔を出す。


「おう、来たか。キライのことなんだが…」

「薬ならボクが調合して手当してきたから、大丈夫だよ。骨折とかはないから、明後日からは働ける。」

「そんなにいい薬を作れるのか?」

「ルンの腕は確かだぜ?」

「そりゃよかった。まずは賞金だな。」


鞄に対象の紙幣が入っている。

合計100万ルチロ。

「こんな大金もらっていいのか?」

「ああ、妥当な額だな。黒い骸骨の頭目、副頭目の首。それに報告のあった酒場にあった死体と、街道の林に隠してあった死体もお前らの手柄だろ?」

「街道?」

「あ、それボクとヴィットちゃんだね♪」

「やっぱりか。」


デプロは人払いを行う。

「ここから先は、内緒の話だ。あんたら4人を傭兵として雇わせてもらえないか?」

「まてまて、意味がわからん。」

「恐らく、お前らは俺に実力を隠していると見てる。腕はそこそこだが、人を見る目だけは自信がある。」

「んで?隠してたら問題があるのかい?」


イロードは椅子に掛けデプロを睨み、ゲルンは指輪をはめて詰所の周りを警戒する。

「問題はないさ。隠すなら隠すだけの理由があるんだろ?真の実力なんか俺には測れないしな。」

デプロも腰を掛け、イロードを正面から顔をあわせる。

「ゲルンちゃんだっけ?警戒しなくてもいいし、うちの戦力じゃ警戒してなくても余裕だろ?」

「そう?評価は嬉しいけどボクは心配性なの♪」


納得するデプロだが、誰かを待機させていたとしたら自分が一番危うい。そう考えながら話を進める。

「物事を隠すなら、協力者がいた方が楽だと思わないか?しかも、監査する側のな?」

「なるほど?やってもいいが…条件がある。俺らの気にくわない事はやらない。」

「ああ、もちろんだ。傭兵といっても、イレギュラーなことだけだ。俺らの手にあまると判断した時。」

「たとえば?」

「まぁ…今回みたいなことだな。俺らの実力はたかがしれてる。束になってもこいつらの首は取れないだろう。」

「んー…先に行っておくけどボクは暗殺はしないよ?身に降りかかる火の粉は払うけどね♪今回もヴィットちゃんが友達の為って動いたんだし。」

「わかった。まぁ、今回の話が袖にされたとしても、その時になったら相談には行くつもりだ。それくらいは許してくれ。」

「まぁ、いいだろ。わかった。全部の依頼に答えるつもりはないが、それでもいいならな。」

イロードは一日飲んだだけだが、相手の人柄は観察していた。デプロに関しては、考えるよりも先に行動してしまうタイプ、嘘は苦手と見ている。

腕に関してもそこそこあると。 酒場に来ていた兵士の中では一、二を争うと。


デプロは追加で金をイロードに渡す。

「んー?なんの金だ?」

「オープン記念でもあの値段は安すぎる。受け取っておけ。ウチの小さいのも世話になってるしな。」

「お♪いいの?遠慮なくボクは受け取るよ」

イロードがどう返そうか考えているのを見かねたゲルンはお金を賞金が詰まっていた袋にあっさりと入れる。


仕方ないと納得したイロードは頭を掻きながら立ち上がる。

「ダメ元で聞かせてくれるか?お前らの実力が知りたい。理解できるかもわからんがね。」

「んー…見せてもいいが、この詰所無くなるぜ?」


ニヤリと笑うイロードとゲルン。

顔を真っ青にしてデプロは理解する。自分の理解できない実力を持っている。恐らく、4人全員が…。

「いや、わかった。その一言だけで十分だ。」

「そか。じゃあな。また店に顔を出せよ。」

「当分通わせてもらう。」




ーーーヴィットは熱を持った岩盤に横たわる。

どうやら暴走も抑えられそうだ。眠っていなかったからか、半刻もせずに眠りにつく。



(魔力がまた暴走したか。まだ、細かい魔力制御は苦手と見える。)

「…ごめん…」

(まぁ、よい。暴走の抑え方もなかなか斬新であった。無理矢理、暴走した魔力とべつに魔力をぶつけるか…)

「…とっさに…やってみた…」

(対処方法の着眼点はなかなかよい。だが、今のやり方では体が持たぬぞ?)

「…そんなこと…言われても…」

(細かい魔力制御は使っていくうちに修得出来る…主に確認したいことがある。その髪、眼は昔から白か?)

「…わかんない…私が知る限りは…」

(おそらく…何らかの儀式でそうなったと思われる。魔法の素質を無理矢理与えたのであろう。もともと素質があったのにな。)

「…儀式…?…するとどうなるの…?…」

(リスクは負うが、力を得る。失敗すれば、リスクのみが残る。)

「…リスク…?…」

(主の場合は魔力の減少。加えて白色化だ)

「…魔力の…減少…私の…魔力は…これだけじゃ…なかったの…?…」

残念そうな表情を浮かべ、落胆する。

もし、減少しなかった場合自分の魔力はどれくらいだったのだろうか?

白色化?…頭髪や目は白くなかったということか…元の色は何色だったのだろう…


疑問が一気に頭の中を駆け巡る。

…自分の記憶が曖昧なのも関係があるのか?

…太陽の光に弱いのも?

…気持ちが高ぶると性格が変わったようになるのも?

…自分の正しい性格は?

…etc


全てあの孤児院が原因でそれらは全て奪われてしまったのか…。

憎らしい。


(そう落胆するな。短時間だけなら、儀式の影響を排除する事は可能だ。)

その一言を聞いてヴィットはピクリと反応する。

(全てではないが、な)

「…私の魔力は…どれくらいになる…?…」

(恐らくだが、少なくとも今の4倍くらいはあるだろう)



今の4倍…自分の現状の魔力が暴走したとしてもそれを打ち消してもお釣りが出る魔力が使える。

いざという時に大量の魔力を消費して目くらましに使うことだって可能だ。


「…ユキト…その方法って…リスクは無いの?…」

(無いわけでは無い。恐らく短時間魔力の使用が制限される位だ。主ほどナイフに長けていれば補るだろう。)


方法も簡単だった。

自分の魔力を解放してユキトを召喚する。

その後ユキトが一時的に儀式の影響を排除する。


(試しに、やってみるか?)

とユキトが言うと、ヴィットが返答する前に行動に出る。


ユキトの魔力がヴィットを包むと、ヴィットに変化が起こる。


ヴィットは驚きを隠せないようだ。

それはユキトも同様。


ユキトはヴィットが驚愕しているところ、つぶやく。


(これでもまだ…全力では無いか…)

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