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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
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Soiree Beredning<<夜会準備>>

Soiree(ソーリィ) Beredning(ビリーディング)


「これって……魔力込めたら。」

「あ、だめ!ここでやったら!?」

 その声を聞いて魔力を込めそうなところで止まる。

 彼の動きを見ながらもヴィットもナイフを振る。魔力?なんとなく話を聞いていた彼女はナイフに魔力を込めと……。刀身が冷気を放つ。

「こら!ヴィット!!やめて!」

 ヴィットは首を傾げてナイフを軽く振る。込められた魔力がそのまま冷気になって飛んでいく。壁にぶつかり、壁の一部を凍結させる。

 それを見てユキトから貰ったのと同じだと思っていたらラップに頭を叩かれる。

「私だめって言ったよね?」

「…聞いてなかった…」

 ほう……。頷いた彼女はヴィットの頬をぐいっと引っ張る。

「とりあえず、そういう力があるから!もっと広いとこでやりなさい。危ないから!」

「…わかった…」

 キライも一緒に頷く。

「さて、ウヴァ様に呼ばれてんだろ?あんた、その恰好で行く気かい?だめだめ。向こうは曲がりなりにも王女様さんだからさ!あんたもだ!キライついて来な!」

 そう言うとヴィットの首根っこを掴んで再度店内に戻る。さてキライはあっち、ヴィットはこっち、とキライには指をさす。そこにはアビンザがいてキライを別室に連れて行く。ヴィットはラップが首根っこを掴んだまま別室に連れ込む。


「まぁ、こんなもだろ?」

「…なにこれ…動きにくい…」

「動かない、暴れない。コレは動くためのものじゃないんだからね。まぁ、悪くないね……。さすがにウヴァ様も驚くんじゃないか?」

 ヴィットは着慣れないドレスを着せられまるで借りられてきた猫の状態だ。そろそろ向こうも準備できただろうと言うと部屋からでる。そこには見慣れない少年がいた。

「あら。あんたもなかなか良いじゃないか。」

「ま、俺が選んだからな。」

「…アビンザが…なんでここに…?…」

「ヴィットも似合うな。そんな格好すれば少しは大人に見えるな。」

「だよね!」

 動きにくいと文句を言いながら飛んだり跳ねたりするヴィット。

「こら!!あばれるな!せっかくのドレスなんだからさ!」

「ヴ、ヴィットさん、似合ってます。」

「…?…キライ…?…なんか変…」

 やっぱり変か。と自身で思っていたが少しへこむ少年。

「…でも…いいかもね…」

 そう呟く。キライの耳にも届いたらしく耳まで赤くして照れるキライ。

「さてさて?もうそろそろ時間でしょ?ウヴァ様のところに行っておいで。服はあげるからね。」

 二人は見送られてラップの元を出る。

「…でも…蹴り足だすの…楽かも…」

 彼女はドレスのまま足を蹴りだす。

「ヴィットさん、だめですよ。ドレスなんですから。」

 それを見てたキライは目のやり場に困るが少女にはなにを言っているかわからないのか、自分の動きを確認している。彼女としては普段と違う格好に戸惑い、自分が普段通り動けるか確認している。

「や、やめてください。目のやり場に困ります。」

 キライの心配、苦情は無視してヴィットは動き回る。

「…前の…キライに戻ったね…」

「ち、ちがいますよ。どちらにしろドレス汚してからウヴァ様に会うのは嫌ですよね?」

「……。」

 少し考えてせっかくだからと頷く。

「そういえば、タルウィとザリチェ呼びに行かなきゃ!」

「…大丈夫…ついて来てる…」

 ヴィットが指を指した先に二人の悪魔はいた。しかもヴィットとキライを見たのかしっかりと正装になっている。

「置いていかれるかと思っちゃってさ?」

 しっかりと声を揃えて言う。

「ヴィット!すごい綺麗!!」「キライ!すごい変!!」

「キライ!すごい変!!」「ヴィット!すごい綺麗!!」

 ……言っていることは同じなんだけど、揃わないこともあるんだな。……っていうか、やっぱり変かな……。アビンザさんは完璧って言っていたんだけど……はぁ。


 街の大通りを四人は歩いていく。通常の街であれば大通りをタルウィとザリチェが歩くなんて事をすれば衛兵が取り囲むだろう。この街は違う。歩けばすぐに亜人と出会う。たとえそこに悪魔が紛れ込んでいたとしても、珍しい種族かな?で済んでしまう。

「この街は特殊だね!」

 二人の悪魔は声を揃えて騒いでいる。

「…ついた…」

「ここですか。」

「おっきい!!」

「よう!ヴィット、キライ、あとは……わるい。名前を知らないな。」

「僕はタルウィだよ!」「私はザリチェだよ!」

 見事に声が被った。

「……タルウィとザリチェだな。よろしく、俺はアビンザ。一応護衛隊の団長をやってる。」

 アビンザと二人の悪魔は握手している。

「…ラマテガ…じゃないんだ…」

「ああ、親父は一応もう引退した。有事には出てくるけどな。」

「…ふーん…。…」

 後で挨拶しに行かなきゃと考えているヴィット。そこにキライがラマテガに朝呼ばれた事を伝える。

「…そ…わかった…」


「来たならすぐ通してよ。アビンザ!」

「おっと、姫様。一応俺は護衛だぜ?やる事はやらないとな。」

「思ってもないくせに。」

「いやー……少しくらい話ならと。」

「正直でよろしい。じゃ、ヴィット、キライ、あとタルウィとザリチェ入って♪積もる話は食事しながらにしよう。」

「いっしょでもいいの?」

 悪魔は声をそれえて言う。

「もちろん。ご飯食べるならみんなのほうが楽しいでしょ?アビンザも、急いでラップとラマテガさん呼んできて!ほら!急ぐ!」

「親父も!?」

「うん。女王命令。」

「そんなところで使うなよ。ったく。」

「せっかくヴィットがドレス着てるんだよ!キライもタルウィとザリチェも!ならみんな集めなきゃ♪」

「みんな……。全員でいいんだな?」

「うん。君の考えてる全員で大丈夫。私はその全員にこの子を紹介したい。」

 少しアビンザが頭を掻き三回の遠吠え、一回の遠吠えをする。

「これでいいか?」

「よろしい!」

 ウヴァは四人を手招きして会場に案内する。

「もうすぐで始まるから、ちょっと待ってね。それよりもヴィット、綺麗だね。とても似合う。」

「…着慣れなくて…そわそわする…」

 くすりと笑いながらヴィットの服を慣れた手つきで整えていく。

「キライも似合うね。変じゃないから安心して。胸を張ってね。」

「あ、あ、有難うございます。」

 さすがに一国の王女様に会うとなれば以前同様にカチコチになっているようだ。

「タルウィとザリチェちゃんだね。ヴィットとキライに合わせた格好なんだね。とても似合うよ。似合う以上にかわいいね。」

「……?」「……!」

 素直に褒められるとどうすればいいかわからないのか悪魔達は声を出せずに照れている。


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