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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
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Nya vapen<<新たな武器>>

Nya(ヌヤァ) vapen(ヴォぺン)


 夜になる前にキライとヴィットはエルカリの店に向かう。

「…ラップ…久しぶり…」

「おお!ヴィット!かわらないね!本当かわらない!アビンザがわからないっていう意味わかるわ!なに……成長しなかったの?背丈も変わらないし……それに……」

 ラップがヴィットの胸を見る。

「…なに…?…」

 そんな気は無いだろうが、何処かヴィットが不機嫌そうになる。

「ええと、ごめんごめん、キライ。あまりにも久しぶりだったからさ。いじってあげなきゃとね。」

「いえ、大丈夫です。」

「改めて、ラップ・エルカリだ。よろしくね。」

「…なに…その…エルカリって…」

「ん?私の名前だよ。まぁ、最初は武器屋の名前だったんだけど、私たちの名前にしちゃった。」

「…たち…?…」

「うん。私のいた教会の子供達を全員こっちに連れてきたのさ。それで私たちの名前に入れたのよ。」

「そうなんですね。だから店内は僕らと変わらない歳の人が多いんですね。」

「この子たちは戦う力はつかなかったけど、武器とか防具を作る才能があったみたいなのさ。」

 店内を見渡すとキライやヴィットと同じ年頃の子たちが何人もいる。ラップと話をしている二人を影から観察している。

「そうだ。エルカリさん。」


 店内の至る所で返事。

「……。」

「あははは、ラップでいいよ。」

「じゃあ、ラップさん。お願いがあります。」

 そう言って砕けた双刃刀をラップの前に出す。

「コレを、修理してもらえませんか!?僕と一緒に頑張ってきたんです。」

 それを聞きニヤリと笑うラップ。

「ふーん?でも、武器は壊れたらおしまい、そうじゃ無いねかな?……ねぇ?ヴィット?」

 ヴィットはすこし考えて首を横に振る。

「あら?……できないと言ったら?」

「……何とかなりませんか?デプロさんから頂いた大切なものです。今の僕を支えてくれた武器なんです。」

「……ふーん。いいだろう。できるかわからない。それに一度壊れたものを治すんだ。そこまでの強度は求めないでくれるかな?」

「はいっ!大丈夫です!」

「…へぇ…ラップって…そういう才能あるんだ…」

「そうだよ?エルカリといえばすこし名の通った鍛冶だぜ?」

 親指を立ててグッとにぎる。

「…そんな…鍛冶でも…治すのは…無理なんだ…」

 空気が凍る。キライは一瞬ヴィットが魔力を出したかと思ったが、もちろんそういうわけでは無い。

「ほ、ほーう。言うじゃ無いか、ヴィット!」

「…え…?…なんか言っちゃった…?…気に障ったなら…謝る…」

「いやいや、謝るのは今じゃなくていい。完璧に治してやるよ。おおさ。まかせろ。出来上がったら謝ってもらうからな?わかったか?わかったよね?」

「…?…何を…必死に…?…」

「約束しろよ?いいね?」

「…よくわからない…けど…いいよ…私は…約束は守る…」

 キライはもちろんだが……そのやり取りを聞いていたの店員は引きつった笑顔を浮かべるしか無い。

「ただ、そんな短時間では無理だ。できたら連絡する。それでいいね?」

「す、すいません。よろしくお願いします。」

「ああ、思わず本題忘れるとこだったよ。」

 ヴィットに手を出させて形を確認する。細かな手の凹凸を触って把握するとラップは店の奥に行き厳重に仕舞われている箱を待ってくる。

「…なに…?…」

「いや、前々からあんたら全員に本当は用意したかったんだ。」

「…?…」

 箱の中からはナイフが出てくる。そのナイフのグリップをラップは先程確認した形に合わせていく。

「できた。ほら。ヴィット。あげる。」

 ラップはそのナイフのヴィットに渡す。


 手に吸い付く感じだ。……握り心地がいい。ユキトからもらったナイフと同等。下手したらそれよりもしっくりくる。握ったり離したりを繰り返す。何時もはナイフを買った後に自分で加工していた。素人なりにそれなりにして来たが……。

「ほら。ためしに振ってみな。」

 頷き、ヴィットはナイフを振る。自身の腕を動かすように自由に動く。細かい動きも思った通りに動く。キライとラップにはギリギリ見えていたが、他の店員の目には止まっていない。風を切る音が店内に響く。

 そこに好奇心から子供が果物を投げる。風切り音からナイフを振っているのはわかったのか。投げたナイフはヴィットの目の前を素通りしていった。子供は何だとすこしがっかりした様子だが……。その表情はすぐに塗り替えられた。地面に落ちた果物は粉々になる。

「さすが。今のは見えなかったよ。」

 キライは目を丸くし、ラップは拍手をしてる。見ていた店員からは喝采。

「…いいの…?…もらって…」

「いいさ。そのうち、ビローア、ゲルン、イロードも連れてきてくれればね。あいつらのもある。」

「…なんで…私達の武器把握してるの…?…」

「そりゃ、私だもの。……って格好いいこと言いたいけど、貴女達を尾行したんだよ?獲物くらい調査するって。」

 納得するヴィット。

「特殊な鉱石を使ってるから色々面白いことできるから試してみなよ?んで、キライにはコレだね。双刃刀 嵐。前に持ってたやつと比べるとすこし重たいかもね。」

 布に包まれたそれをキライに渡す。前と同じで長刀としても使える。前よりも柄は大きくなってる。とラップは説明をする。そして、キライとヴィットを、店の地下へ案内する。

「地下室ですか?」

「まぁ、武器を色々扱ってるから試しにね。キライ振ってみなよ。あんたのも少し調整してやるよ。」

「ありがとうございます。」

「って言って、前の見せてもらったから既に概ね終わってる。」

 そう言われてキライも構えて素振りをしてみる。

「本当に、前のよりも重たいんですか?すごい軽いんですが。」

 手に吸い付く感覚のせいか、しっくりとくるせいか……。

「少し、あれだね?後ろの刃で斬り上げてみて。」

 こうですか?といって振り上げると遠心力でキライはバランスを崩す。それを見て柄の部分に細工をする。

「はい、コレでやってみ。」

 キライは言われて再度振るってみる。次は遠心力でバランスを崩すこともなくそのまま次の動きに自然に移ることが出来る。

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