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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
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Informell vapen<<壊れた武器>>

Informell(インフォメル) vapen(ヴォぺン)


 エルカリは双刃刀を持つとそこに魔力を満たしていく。その状態で武器をふるうと、風の刃が飛んでいく。

「こんな仕掛けも作ってたんだよね。この国には誰も使いこなす人はいなくてね。君はやってくれそうだ。これがうまく使えるようになった私のところを訪ねるといい。」

「こんな事が……。ありがとうございます。頑張ってみます。」

「そ。だから風って名前なんだ。まあ、それを知っているのは私と作るのに携わった人くらいだ。」

 キライは彼女から双刃刀を受け取ると魔力を籠めて試してみる。

「こう……ですか?」

 振るった先には風の刃が渦を巻く。

「およ?そこまでの力は無いはずなんだけどな。」

「ふむ。相性の問題じゃ無いのか?」

「まぁ、そうね。限界を引き出してるのかね。」

「限界をですか?」

 キライが振った双刃刀を戻すと、それに追従して風の渦が引き戻る。

「面白いですね。これ。」

 双刃刀の動きに合わせて風の刃が宙を舞う。込める魔力の量で風の強さは変わり、距離も調節出来るようだ。

「……あ。」

 エルカリが気がついた瞬間……。双刃刀が弾けて砕ける。

「えっ……!?」

「おっ……。」

「あー……。」

 キライは砕けた双刃刀を手に取り涙目でエルカリをみる。

「泣くな泣くな。これのあとに作ったのがあるからそれをやる。」

「いいんですか!?……あ、でも僕、お金をあまり持ち合わせていない……。」

「いや、金は要らん。腐るほどに旦那が稼ぐし、取れる奴から撮る。それが私の経営方針だ。ゲルンの知り合いからは巻き上げれないよ。まぁ、そのうち面白い素材が手に入ったら持ってきてくれよ。それでいい。私は武器を作れれば何でもいい。もう戦場働きなんてやなこった。」

「エルカリさんは戦場に出てたんですか?」

「まぁ、武器を作るようになってからだね。ウヴァ様も出ないでそっちに心血注いでって。まぁとは言え、あの子を一番近くで守るのが私の仕事だね。」

「まぁ、こいつがいい武器を作れば兵士も死なないで済むからな。」

「とは言っても最近は防具だね。武器は他国に渡ったら大変だもの。」

「え?そうなんですか?」

 ……何でデプロさんはコレを?まさか、戦場で……

「どした?怖い顔して。それにしてもコレを持つ人が来るなんてね。あ、いや。多分大丈夫だよ?双刃刀を渡した相手はこの国の人じゃ無い。多分持ち主から渡ったんだと思うよ?デプロのじじいだろ?」

 エルカリは砕けた双刃刀を拾い集めてキライに渡し、それを聞いて安堵の表情をあげる。

「その顔じゃ、図星か。あの人はそんな事しないし安心しな。じゃあ後で私の店においで。ヴィットも連れて来てくれると嬉しいかな。久しぶりに顔くらい見てやりたい。変わらなすぎてってこいつが言うしさ。」

「わかりました。ただ、ウヴァ様と一緒だと思うのでいつ行けるかは。」

「大丈夫だよ。夜遅くまでまやってるし。そろそろウヴァ様も公務に戻ると思うし。」

 そう言うとエルカリはアビンザとラマテガを連れて門内に戻っていった。キライは壊れた双刃刀を一度置きそれに頭をさげる。彼にとって大切な愛刀。それで今まで頑張ってきた。その思い出がフラッシュバックする。


「…キライ…一人で…行動しない…」

 背後にはヴィットがいた。

「…え…?…何があったの…?…」

 目の前には武器が砕け、それに対して頭をさげる少年。何となく涙目でもある。

「…どうした…の…?…」

「いえ、大丈夫です。ヴィットさんはエルカリさんと知り合いですか?」

「…エルカリ…?…誰?…」

「あれ?向こうは久しぶりにって言っていましたよ?」

「…私に…久しぶり…?…」

 すこし考えて、この国で自分が知るであろう人間を次々と思い出し、口を開く。

「…ああ…背の高い…女の人…?…」

「ええ。そうです。」

 今はそう名乗っているのかてキライの荷物をヴィットは持つ。キライには自身の武器だったものをもたせて宿に戻る。

「やぁ。ヴィットにキライ。すこし、私はやらなきゃいけないことができた。エフトレットですこし待っててくれるかな?」

「やる事ですか?」

「…いいけど…どれくらい…?…」

「二、三日かな。君たちもここでやりたい事があると思うし、ああ。先に言っておくけどデュラハンとしての何かじゃ無いから。安心しなさい。」

 二人は顔と見合わせて頷く。

「あと、二人とも単独行動は控えてね。エフトレットとはいえ、何が潜んでるかわからない。……いい?わかったら返事。」

「…わかった…」

「了解です。」

「タルウィとザリチェは置いていくから相手してあげてね。いくよ。クロケル、アナ。」

「わかった。」

「はいはいはい。人形使いが荒いんだから。困っちゃうよね。まだキライをいじめたり無いのにさ?じゃ、キライ!私も行ってくるよ?寂しいだろ?ねえ?寂しい?ほらいいな!寂しいっていいな!」

「はいはい。寂しいですよ。とても残念です。」

 キライは軽くあしらってアナを持つとダナエに渡す。

「じゃいってくるね。」

 クロケルはキライの耳元で囁く。

「貴方に天使から祝福を。」

「クロケルさん?」

「貴方なら大丈夫です。彼女のそばにいてあげなさい。あの子は強いけど、脆い。貴方は優しい。彼女の脆さを何とかできるはずです。」

「おやおやおや!キライモテモテじゃないか!流石は私が認めた人間だ!すこしの別れだ!帰ってきたら私からも教える事はたくさんある!大人しくダナエから教わった事復習しておきな!」

 うるさくも、いつもと比べると口数少なくアナはダナエの肩に乗る。

「とりあえず、魔法に関してはタルウィとザリチェから基礎を習ってくれよ?帰ってきたら直々におしえるからね。ヴィットも!いいね。」

「わかりました。」

「…わかった…」

 よろしい。そう言って三人は宿を出て行った。

「ヴィット。ところで、ウヴァ様と話はできたのかい?」

「…夜…もう一回…いく…」

「そうですか。じゃあ僕はタルウィとザリチェと……」

「…キライも…きてね…ウヴァがあってみたいって。」

「僕ですか?僕面識無いですよ?」

「…私と旅してる貴方と…あってみたいって…タルウィとザリチェも…」

「僕たちもいいの!?」

 二人の悪魔は声を揃えて言って、宿の中を飛んだり跳ねたりしている。

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